TOPICS 2022.01.26 │ 12:00

『トロピカル~ジュ!プリキュア』最終回直前!
ファイルーズあい×日高里菜 対談①

ついに最終回を迎える『トロピカル~ジュ!プリキュア』から、キュアサマー/夏海まなつ役の声優・ファイルーズあいとキュアラメール/ローラ役の声優・日高里菜が登場。それぞれのキャラクターとの出会いから、収録中の苦労まで、たっぷりとインタビューした。

取材・文/宮 昌太朗 撮影/松本祐亮

オーディションから一緒だった運命的なコンビ

――いよいよ最終回を迎える『トロピカル~ジュ!プリキュア(以下、トロプリ)』ですが、今の率直な心境を教えてください。
ファイルーズ 1年を通してひとりのキャラクターと向き合うということは、役者としてすごく貴重な体験で、今は充実感や達成感が大きいです。たくさん経験を積むことができてよかったなと思います。
日高 私はまだ受け入れられていない感じが強いです。1年間、毎週同じ曜日、同じ時間にみんなと集まって収録するというのが、もう習慣になっていて。こうして取材を受けることもあるので、まだ終わった感じがしないんですよね。これから最終回の放送を見て、寂しくなっちゃうんだろうなという気がします(笑)。

――ふたりとも、オーディションで決まったのでしょうか?
ファイルーズ そうですね。でも、最初はまったく手応えがなくて……。
日高 えーっ! ぴったりなのに(笑)。
ファイルーズ なので「オーディションを受けられただけでも光栄だな」という気持ちでしたね。
日高 スタジオオーディションではローラとまなつの掛け合いのシーンがあったんです。しかも私がローラ役で受けたときの相手(まなつ)役がファイちゃんで。

――オーディションのときからコンビだったんですね!
日高 役が決まったときに同時にファイちゃんがまなつ役に決まったと聞いて、勝手に運命を感じていましたね。ファイちゃんはオーディションのときから、まなつそのままのエネルギッシュでパワーあふれる感じで。オーディションの控え室って、みんな同じ役を受けるのでけっこう緊張した空気が漂(ただよ)っているんですけど、ファイちゃんはみんなに話しかけたり、すごく社交的で。
ファイルーズ そうだった、そうだった。能天気だよね(笑)。
日高 いやいや(笑)。周囲の緊張とは関係なく、雰囲気を明るく和やかにしてくれるところも含めて、まなつっぽいなって。
ファイルーズ それはこっちのセリフだから(笑)。私は日高さんのプロ意識が高くて、気高いところが好きなんですよ。
日高 それ、褒めてるの?(笑)
ファイルーズ 褒めてるよ!(笑) 「気高い」って褒め言葉だよ! そんな部分がローラに似ていて、好きです。

キャラクターの感情を素直に表現した

――まなつ役とローラ役に決まって、実際に収録が始まってから気をつけたことはありますか?
ファイルーズ 「『プリキュア』シリーズでは役者の地の性格が似ている人を選ぶ」という話を聞いていたので、ヘンに考えずに台本から受け取った素直な感情を表現しました。あえて気をつけたことを挙げるなら、まなつはすごく元気な子なので、収録前のテスト段階から全力で演じると体力を使って、本番に入る頃には元気がなくなってしまうんです(笑)。なので、尻すぼみにならないように、一定のテンションをキープできるように、というのは意識していました。
日高 オーディションのときにいただいた資料の中に「ローラは自信家で、ちょっとわがまま」と書かれていたんです。なので、一歩間違えると、みんなに迷惑をかけるキャラクターに見えてしまうかもしれない。でも、シリーズディレクターの土田(豊)さんからは「嫌われないようにしたいんです」とうかがっていて……。やりすぎてしまうと敵キャラクターに見えてしまう可能性もあるので、さじ加減が難しいなと思っていました。

――たしかに演じるのに、ちょっと難しいところがありそうなキャラクターですね。
日高 でも、まずビジュアルがかわいいし、性格は素直でまっすぐ。もちろん、そのおかげで周りを巻き込んでしまうところがあるんですけど、別に悪気があるわけじゃないんですよね。それがみんなに自然と受け入れられている感じもあるので、意識しなくても愛されるキャラクターなんだな、ということに気づいて。それ以降は、ファイちゃんも話していたように「こう演じよう、ああ演じよう」と頭でっかちに考えることなく、思ったままのローラを演じました。

掛け合いをやっていると、対抗意識がわいてくる

――コミカルなシーンやリアクションも多い作品でしたが、そこで悩むようなことはなかったですか?
ファイルーズ あまりなかったですね。まなつはいろいろなところで変顔をするようなキャラクターなので、やりすぎるくらいがちょうどいいのかなって。そこは第1話から思っていました。
日高 それこそ鼻水を垂らしていたり(笑)。
ファイルーズ そうそう、べちょべちょに(笑)。本当にやりすぎたことといえば、(滝沢)あすかの物真似をするシーンですね。ガチなトーンで(あすか役の)瀬戸麻沙美さんの声に寄せたら「まなつが真似しているように聞こえないから、もう少しまなつらしく……」と言われました(笑)。
日高 私は、まなつに引っ張ってもらっていた感じがありますね。とくに第1話、第2話はふたりのシーンが多くて、掛け合いをやっていると「まなつはここまではっちゃけるんだ!」って。「ここまでやっていいんだ」というか、ファイちゃんに負けていられないなって、そんな気持ちで臨んでいました。

――対抗意識がメラメラと(笑)。
日高 ただ、ファイちゃんは声量がすごいんですよ。なので、負けじと私もどんどん声が大きくなってしまって……。途中で「いや、ここは競うところじゃないな」って、我に返ることはありました(笑)。
ファイルーズ でも、TPOはわきまえているよ。図書館のシーンとかは、ちゃんと声を抑えていたし(笑)。endmark

ファイルーズあい
7月6日生まれ、東京都出身。プロ・フィット所属。主な出演作に『ダンベル何キロ持てる?』(紗倉ひびき役)、『推しが武道館いってくれたら死ぬ』(えりぴよ役)、『逆転世界ノ電池少女』(赤城りん役)『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』(空条徐倫役)など。
日高里菜
ひだかりな 6月15日生まれ、千葉県出身。大沢事務所所属。主な出演作に『妖狐×僕SS』(白鬼院凜々蝶役)、『ソードアート・オンライン』(シリカ役)、『裏世界ピクニック』(小桜役)、『とある科学の一方通行』(ラストオーダー役)など。
作品情報

『トロピカル~ジュ!プリキュア』
ABCテレビ・テレビ朝日系列にて毎週日曜08時30分より放送中。

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