最初は「ドッキリか、何かの間違いだろう」と思った
――『パリピ孔明』のアニメ化を最初に聞いたときはどのように思いましたか?
四葉 担当編集さんから「アニメ化が決まりました。制作会社はP.A.WORKSさんです」と聞いたときは「ドッキリか、何かの間違いだろう」と思ってしばらく信じていなかったんです。原作単行本の2~3巻が出た頃だったんですが、ちょうどアニメの原作になる作品を探していたP.A.WORKSさんに目に留めていただけたみたいで。僕は昔からラッキーボーイで、いろいろな縁や運に恵まれて今こうしてマンガ原作や小説家をやらせてもらっているんですが、アニメ化企画やスタッフの布陣を聞いて「いよいよここで運を使い切ったな」と思いました(笑)。
――アニメの制作にはどのような形で関わったのでしょうか?
四葉 脚本会議には毎回参加して、作品全体の監修をさせていただきました。また、キャスティングや音楽についても素人ながら意見を出させてもらっています。
――アニメではKABE太人の過去話や、赤兎馬(せきとば)カンフーとのラップバトルなど、原作にはないオリジナル要素が盛り込まれていましたね。
四葉 オリジナル要素も含めて、アニメのストーリーはすべてシリーズ構成の米内山陽子(よないやまようこ)さんをはじめとする脚本チームによるものです。僕は先方から提案された全話の構成やプロットを監修させてもらって、キャラクターのセリフに少し修正を加えるくらいで、基本的には脚本チーム主導で作っています。『パリピ孔明』の制作スタッフの皆さんは、原作者である僕よりも理解しているんじゃないかと思えるくらい(笑)、作品を深く読み込んで内容を膨らませてくださいました。だからオリジナルパートは違和感がないどころか、キャラクターのバックボーンをより深掘りした素晴らしいエピソードになっていたと思います。
意見を出したのはストーリーよりも音楽面
――キャスティングにも関わっているとのことですが、オーディションを振り返っての印象は?
四葉 孔明役のオーディションは大勢の声優さんが受けていらっしゃったんですが、選ぶ立場としてはめちゃくちゃ迷いました。最終的に置鮎龍太郎さんを選んだ決め手となったのは、若返って現代に転生した孔明の爽やかで軽やかなお芝居です。切れ者で風変わりなだけでなく、新たな人生を心から楽しんでいる感じがとてもしっくりきました。
――英子役の本渡楓さんについてはいかがでしょうか。
四葉 本渡さんが演じる英子は、現代っ子らしいかわいらしさがあるだけでなく、コミカルなお芝居がすごく良いなと思いまして。英子は孔明との軽妙なやりとりを面白おかしく表現できる方がいいなと考えていたんですが、その点、本渡さんの演技は最高で、置鮎さんとの掛け合いも素晴らしかったです。
――OPテーマの『チキチキバンバン』やEDテーマの『気分上々↑↑』など、音楽面も大きな話題となりました。
四葉 『チキチキバンバン』は最初に聞いたときに「これまたすごいインパクトのある曲を持ってきたな」と思ったんですが、OPの映像と合わせて見たら「こんなにハマるとは!」と驚きました。『気分上々↑↑』は2006年のリリース時にリアルタイムで聞いていたんですが、これも『パリピ孔明』のEDとして非常にマッチする曲で、エイベックスの音楽スタッフさんの鋭い選曲眼を目の当たりにした気分でしたね。
――作中の挿入歌の制作には、四葉さんもいろいろと意見を出したそうですが……?
四葉 原作を構想しているときも、英子たちが歌っている曲をなんとなくイメージしているので、音楽スタッフに「このアーティストのこの曲みたいなイメージで」と意見を出させてもらいました。僕のイメージそのままだと映像にうまくはまらないところもあったので、そこは話し合いながら一緒に落としどころを探していった感じですね。僕の素人丸出しの要望を音楽スタッフは真摯に受け止めて形にしてくださって、とてもありがたかったです。今にして思うと、ストーリー面はほぼアニメスタッフにおまかせだったのに対して、音楽面で意見や要望を伝えることのほうが多かった気がします。
アニメのおかげで原作の出番が増えたキャラクターも
――アニメ化を通して、あらためて魅力に気づいたキャラクターはいますか?
四葉 赤兎馬カンフーがめちゃめちゃいいヤツだなと。見た目は恐いし、そのへんのヤンキーを平気で殴っちゃうような人だけど、一度認めた相手のことはとことん面倒を見るんですよね。一度はステージを去ったKABEが復活できたのも、赤兎馬がいてくれたからですし。あとは英子の親友でありライバルでもある久遠七海が、原作よりも出番が増えたことでキャラクター性が深掘りされて、より魅力的な女の子になっていたのも驚きました。ラフでいっさい肌を見せない普段着の姿と、AZALEA(アザリエ)のメンバーとしてステージに上がり、セクシーな衣装で扇情的なダンスを踊っている姿のギャップも大きくてよかったですし、高校時代の七海たちもとてもかわいく描かれていて。僕の中で七海に対する好感度がグッと上がったおかげで、原作の最新刊では出番を大幅に増やしてしまいました(笑)。
――アニメの最終回を見ての印象は?
四葉 けっこう前に完成した映像をいただいていたんですが、非常に素晴らしい内容で、あっという間でしたね。体感時間3分くらいで終わっちゃった!みたいな(笑)。これからご覧になる皆さんは、ぜひ期待していてください。本当に最&高の最終回です!
- 四葉夕ト
- よつばゆうと 小説家/マンガ原作者。『パリピ孔明』で原作を手がける他、小説として発表した作品に『転生大聖女の異世界のんびり紀行』『エリィ・ゴールデンと悪戯な転換〜ブスでデブでもイケメンエリート』『転生七女ではじめる異世界ライフ ~万能魔力があれば貴族社会も余裕で生きられると聞いたのですが?!~』などがある。
TVアニメ『パリピ孔明』
TOKYO MX他にて好評放送中!
『パリピ孔明』原作コミックス
原作/四葉夕ト 漫画/小川亮
発行/講談社
1~9巻 好評発売中!
TVアニメ『パリピ孔明』オープニングテーマ
「チキチキバンバン」
各主要音楽配信サイトにて好評配信中!
配信URL/https://avex.lnk.to/PKHWE
TVアニメ『パリピ孔明』オープニングテーマ
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『パリピ孔明』Blu-ray 第一計
品番/EYXA-13727/P
価格/13,200円(税込)
発売日/2022年06月29日
収録話数/第1話~第4話
- ©四葉夕卜・小川亮・講談社/「パリピ孔明」製作委員会