劇場版でもライブが始まる前の高揚感は健在
――小野さんの視点から、今回の劇場ライブのおすすめポイントを教えてください。
小野 ライブ本編もすごいんですが、ライブが始まる前の緊張感や高揚感のようなものがスクリーン越しに伝わってくるのにも驚きました。始まったら、出演者たちを追いかけて反応するのに必死になっちゃうのがライブ。だからこそ、ソワソワした感じやワクワクする感じを噛みしめるなら、ライブが始まる前がいちばんだと思うんですよ。ステージの袖で待機している側からしても「みんな楽しみにしてくれている!」っていうのはしっかり感じ取れますし、劇場ライブでもそういった時間を設けてくれているのは素晴らしいと思います。
――たしかにスクリーン内の客席のソワソワ感を共有できる感覚があるとうれしいですよね。
小野 客席のペンライトも色とりどりで、ライブ中にステージから見る景色と遜色ありません。「劇場ライブ」というかたちでの初めてのライブを最高のものにするためにスタッフさんたちが本当にがんばってくれたんだろうなというのは伝わってきます。カメラの抜き方とかもライブビューイングそのままですしね。
――今回のライブでは、アイドルたちによる賑やかなMCも見どころになっているとか。収録の様子はいかがでしたか?
小野 何人かでまとまっての収録でした。収録のときは台本はあってないようなもの、というか紙1枚の原稿を渡されたぐらいだったので、この取材のタイミングで分厚い台本があったことを知りました(笑)。
――ということは、ほとんどアドリブだったんでしょうか?
小野 合いの手だったり、他のメンバーがしゃべっているときの反応はほとんどアドリブです。退場するときの「ありがとう~」みたいな声ももちろんアドリブでした。
――ちなみにこれまで出演した『アイドリッシュセブン』のステージでとくに思い出に残っているシーンはどこでしょう?
小野 ライブでは恒例なんですけど、MCでメンバーひとりひとりが衣装をカッコよく見せるためにクルっと回るところは印象に残っています(笑)。毎回、衣装の作り込み方がとんでもないですし、僕らもそれを自慢したくなっちゃうので、思い思いのスタイルで回る。それぞれの個性も出ていて楽しいんですよ。
――今回の劇場ライブでもアイドルたちが回るシーンがあったり?
小野 ……それは見てのお楽しみということで。ただ、ひとつ言えるのは、本作の衣装もメチャメチャカッコいいです! ぜひ細部までチェックしてみてください。
別の視点からもアイドルたちを眺めたい
――今回の劇場ライブで、『アイドリッシュセブン』の可能性がさらに広がったと感じるファンも多いかと思います。今後、小野さんはどのような展開に期待しますか?
小野 劇場ライブをさらに別の視点から見られるようになったら面白そうだなと……。たとえば、一織くんの視点から今回のライブを追いかけた映像を見てみたいですね。
――各アイドルの目線でライブを追いかける感じでしょうか?
小野 そうです。2時間分を映像化するのは難しそうなので、1曲ごと、なんならパートごとでも各アイドルからの視点が覗けたら楽しそうですよね。実際にライブのときはいちばん後ろから他のメンバーたちを眺めるのが好きなんですけど、IDOLiSH7のダンスのフォーメーションは、メンバーたちが前後に並ぶフォーメーションが多いので、がんばっているみんなを後ろからじっくり眺めたいなと。そして、その魅力を皆さんにも感じてほしいです。あとは舞台袖とか、出る直前の様子も見られたら絶対楽しいですね! 欲を言えば、自由に視点の切り替えができれば最高なんですけど(笑)。
――夢が広がりますね(笑)。
小野 実現させるとなったら1曲だけでもスタッフさんはメチャメチャ大変だと思います(笑)。そんな僕の要望はさておき、『劇場版アイドリッシュセブン』は注目すべきところがたくさんあります。アイドルが16人も出演しているので、ひとりひとりを追いたいけれども追いつかずに「目が足りない」と感じる方も多いはず! さらに<DAY 1>と<DAY 2>で変化する部分もあるわけですから、ひとりずつ追いかけるにしても最低32回は見ないと足りないんじゃないでしょうか(笑)。ぜひ何度でも劇場で楽しんでいただけたらうれしいです!
- 小野賢章
- おのけんしょう 10月5日生まれ。福岡県出身。アニモプロデュース所属。主な出演作は『地獄楽』(山田浅ェ門桐馬役)、『文豪ストレイドックス』(芥川龍之介役)、『SPY×FAMILY』(ユーリ・ブライア役)、『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』(ハサウェイ・ノア役)など。