――第11話までを振り返って、とくに印象深いシーンはありますか？
大塚　コフィンに搭乗してのバトルシーンはどれも印象深いですね。カナタが弱いうちはかなり劣勢になるシーンも多くて、そのときは最初から「負ける芝居」をしてしまっていました。でも、山本（裕介）監督や明田川（仁）音響監督から「どんなに追い込まれても、相手に立ち向かっていく強さや勇気は出してほしい」と言われまして、その部分はカナタの役作りをするうえでとても大きかったです。

――主人公はバトルにもストーリーがありますからね。
大塚　そうなんですよね。劣勢に追い込まれてもあきらめず、勝ち筋を探して、一瞬の勝機を逃さないというような流れがあって、それが経験できたのはうれしかったです。

――バトルシーン以外だとどうですか？
大塚　コメディシーンも印象深いです。「ガーン」みたいな擬音も実際にセリフとして言ったりするので「どんな感じで言えば面白くなるんだろう？」と皆さん頭を悩ませたり、想像力を働かせていて、そばで聞いていても楽しかったですね。僕自身もかなり苦労しましたけど「もっと思い切り！」というディレクションの後押しもあり、振り切ってやらせてもらいました。シリアスなシーンとのギャップの大きさは本作の大きな魅力のひとつになっているんじゃないかと思います。

――完成した映像を見て、とくに好きなシーンはどこですか？
大塚　第7話Bパートの、シエルの「眩惑Desire」が流れるなかでのバトルシーンです。アフレコの時点ではなんとなくの動きが示されたCG映像しか付いていなかったんですけど、それでも「これが完成したらどうなるんだろう？」ってすごくワクワクしたんですよ。実際に完成映像を見たら、想像していた以上に素晴らしくて、素直に感動しました。

――個人的に好きなキャラクターやコンビはいますか？
大塚　みんな個性的で大好きなんですけど、あえて1組だけ挙げるのであれば、マイケルとボブです。このふたりの掛け合いはもう大好きで、もっといろいろなバリエーションが聞きたいなって思っちゃいます。とくにバトル中のマイケルとボブのやり取りはちょっとしか描かれていないので、どんなことを話しているか気になりますね。コメディな掛け合いが多いだけに、もし、クールでかっこいいふたりのやり取りが聞けたなら、個人的にはもうたまりません（笑）。

――もともと実力はたしかなコンビですからね。
大塚　そうなんですよ。ギャップ萌えで絶対にファンが増えると思いますよ。でも、マイケルとボブに限らず、どのコンビにも魅力がありますよね。その気になれば無限大にスピンオフ作品が作れるんじゃないかというくらいのポテンシャルを感じます。

――本作では人間とAIの理想的な関係が描かれますが、AIは現実でも急速に発展しています。AIは人間にとって最高のパートナーになると思いますか？
大塚　たしかに現実がどんどんSFに近い世界になってきていて、僕らはその恩恵をすでに受けているわけですけど、やっぱり手放しでは喜べないというか、一抹の不安はありますよね。AIが暴走するかもしれないとか、いつか人類に牙を剝くかもしれないとまでいうのは極端すぎるかもしれませんけど、用心しておくことは大切なのかなと思います。研究者やエンジニアなどの専門職の方はもちろんだと思うのですが、僕らのような一般人も、わからないからといって思考を放棄するのは危険だなって思います。ただ、もし人間とメイガスのような関係性になれたのなら、それは幸せな未来ですよね。

――いよいよ最終回を迎えますが、先日第2クールの制作が発表されました。さらなるカナタたちの活躍が期待されますが、今後の見どころについて教えてください。
大塚　序盤はコメディ主体の明るいお話もありつつ、終盤はだんだんと世界の秘密に迫る展開になっていきましたが、とはいえ「あと1話で綺麗にまとめることができるのか？」っていうのはみんなが感じていたと思います。第12話もすごいことが起きますし、ここへ来てさらに謎が謎を呼ぶ展開になっていくと思うので、それらが続編でどのように描かれるのか、ぜひ今後も楽しみにしていただきたいと思います。

――メディアミックス作品である本作は、ゲームの発売も控えていますよね。
大塚　第9話にはゲーム版の主人公であるアルバとエイダが登場しましたし、そういう絡みも本作ならではですよね。ゲームの内容はほとんど知らないんですけど、おそらくゲームをプレイすることで初めて明らかになる世界の謎もあるはずなので、ゲーム好きな僕としては今から発売が楽しみでたまりません。皆さんも、ゲームもアニメも、どちらも思いっきり楽しんでください！