心に刺さった「プリンセスらしくないプリンセス」
――子供の頃に見て、今でも覚えているアニメ作品というと、どのあたりになりますか?
油布 『おジャ魔女どれみ(以下、どれみ)』とか『ロックマンエグゼ』ですね。『どれみ』が放送されていたのが1999年から2000年代の前半なので、保育園に通っていた頃かと思います。
――ということは、わりとアニメを見るのが好きな子供だったんですね。
油布 アニメばっかり見ていました(笑)。絵を描くのも好きで、それこそ『どれみ』のような、子供向けのアニメをお手本にして、絵を描くことが多かったと思います。
――描くのが好きだったキャラというと?
油布 『マーメイドメロディー ぴちぴちピッチ』とかかな……。あと小学生になってから、小学館の「ちゃお」を買って読むようになるんですけど、「ちゃお」の影響は大きかったと思いますね。それこそ「ちゃお」のマンガ家さんになりたいって(笑)。なので、めちゃくちゃ目の大きな女の子が出てくるマンガばっかり、描いていた気がします。
――「ちゃお」にマンガを投稿したりは……。
油布 投稿するところまでは行かなかったんです。ただ、読者のハガキ投稿ページみたいなのには、たまに応募していました(笑)。1回、掲載された記憶もありますね。
――そうだったんですね! そういえば、今回挙がった3作品のうちの1本、『ふしぎ星の☆ふたご姫(以下、ふたご姫)』もマンガ版が「ちゃお」に掲載されていました。
油布 当時は、今みたいにスマホで配信アニメを見る感じではなかったので、とにかくテレビのアニメを追いかけていました。「このチャンネルのこの時間帯はだいたいアニメをやっている枠」みたいなものがあって、その流れで見ていたら新番組として『ふたご姫』が始まったんです。たしか私の地方では『ケロロ軍曹』と同じ時間帯に放送されていた記憶があるんですけど、最初は「面白そうだから見てみよう」くらいの感覚でした。
――どちらも『どれみ』の佐藤順一さんが総監督を務めている作品ですね。
油布 当時はまったく、そんなことは気にせずに見ていました。
コメディだけど恋愛要素がある、そんな作品が好き
――『ふたご姫』のどんなところが、油布さんに刺さったんでしょうか?
油布 今考えると、自分の好きな要素しか入っていなかったんだろうなと思います。もともと子供向けのアニメが好きで――それこそ頭身があまり高くなくて、丸っこいデザインなのもよかったんですよね。主人公たちがプリンセスという設定もいいし、基本的にギャグテイストが強いのも、コメディ作品が好きな私にはぴったり来て。それに加えて、ちょっと恋愛要素や変身要素があったところも、めちゃくちゃ当時の自分に刺さったんだろうなって思います。
――たしかにコミカルな要素が強いのも『ふたご姫』の魅力のひとつですね。
油布 主人公のファインとレインが毎回、ヘンなダンスを踊るんですよ。新しいダンスが出てくるたびに、フリを覚えて友達と一緒に踊っていました(笑)。
――めちゃくちゃハマっていますね(笑)。
油布 親からは、始まった頃に「これって『どれみ』じゃないの?」と言われたんですけど、「違う! 全然違うよ!」って(笑)。あと、劇中にサニールーチェという変身アイテムが出てくるんですけど、それが本当に可愛くて、オシャレだったんですよ。
三角関係のようなちょっぴり生々しいドラマも魅力的
――いわゆる変身アイテム、玩具も発売されていましたよね。
油布 親にねだって買ってもらいました(笑)。中央の部分が回って――ギミックはそれだけなんですけど、めちゃくちゃいいデザインなんです。振り返ってみると、『プリキュア』は、当時の私からするとちょっと対象年齢が上がったような感じがあったんですよ。もちろん、『プリキュア』は『プリキュア』でいいし、『ふたご姫』は『ふたご姫』でまた違うよさがあるんですけど、いざ蓋を開けてみると、『ふたご姫』にもちょっとだけドロドロしている部分があったり。子供向けの作品なので、そこまでがっつり描写されてはいないんですけど、あれくらいが個人的にはちょうどよかったのかなって。
――コミカルなだけじゃなく、ドラマ的にも面白さがあった。
油布 そうですね。主人公のファインとレインは「プリンセスなんだけど、プリンセスらしくない」という設定で、それもすごく刺さったんですよ。
――ふたりにはたしか、キャッチフレーズがありましたよね。
油布 「ふしぎ星始まって以来、最もプリンセスらしくないプリンセス」ですね。『夢のクレヨン王国』なんかもそうでしたけど、「プリンセスらしくないプリンセス」っていうキャラクターが、きっと好きなんだと思います。
――『夢のクレヨン王国』も、佐藤順一さんの監督作ですね(笑)。でも、放送されたのは、かなり前な気がするんですが……。
油布 レンタルビデオで借りて見ました。たぶん、当時の私にはアニメを見て絵を描くくらいしか娯楽がなくて(笑)。なので、めちゃくちゃアニメを借りて、見ていましたね。『夢のクレヨン王国』は今回、ベスト3に入れるかどうしようか、すごく迷ったんです……。でも、やっぱりハイテンションでコメディ要素が強くて、ちょっと恋愛もありますよ、みたいな作品が今でも好きなんですよね。![]()
KATARIBE Profile
油布京子
アニメーター
専門学校を卒業後、アニメーターとして活動をスタートし、数多くの作品に参加。『デリシャスパーティ♡プリキュア』『精霊幻想記』のキャラクターデザインを担当した他、TVアニメ『きみが死ぬまで恋をしたい』でも、キャラクターデザインを手がけている。


















