Febri TALK 2026.10.15 │ 12:00

油布京子 アニメーター

②ライブパフォーマンスに魅了された『ラブライブ!』

子供の頃からアニメを浴びるように見て育ったと話すアニメーター・油布京子が選ぶアニメ3作品。2本目は、高校時代に初めて出会い、のちに自身もアニメーターとして参加することになった『ラブライブ!』シリーズ。大きな影響を受けたというシリーズの魅力とは?

取材・文/宮昌太朗

室田雄平さんが描くキャラクターは衝撃的なくらい可愛い

――2本目は『ラブライブ!』シリーズ。アニメ版の1作目が2013年なので、まだ高校生だった頃でしょうか。
油布 そうですね。高校の友達が『ラブライブ!』が好きだったんですけど、最初は「ああ、そういうのがあるんだ」くらいの感じだったんです。もちろん、室田(雄平)さんが描いたキャラクターの絵が衝撃的なくらい可愛くて、影響もすごく受けています。

――デザインのどこが、そんなに衝撃的だったんでしょうか?
油布 肉感と顔の可愛いさのバランスでしょうか。当時は高校生になっていたからというのもあると思うんですけど、それまではあまり、デザインといった部分でアニメを見ていなかったんですよね。単純にモチーフが好きだったり、ストーリーが面白いとか、そういう部分でハマっていることが多かったと思うんです。でも、『ラブライブ!』に関しては「この絵のデザインがめちゃくちゃいい!」と。はっきりと自分の意思で「この絵は可愛い」と思ったのが『ラブライブ!』だったんです。

――とにかく最初は、ビジュアルのインパクトが大きかったわけですね。
油布 そうですね。じつを言うと個人的にいちばんハマったのは、そのあとの『ラブライブ!サンシャイン!!(以下、サンシャイン)』なんですけど……。友達に連れられて、μ’s(ミューズ)のファイナルライブを見たんです。声優さんのライブをしっかり見たのは、それが初めてだった気がするんですけど、そのライブが本当によくて。そこから本格的にシリーズにハマったんです。

――なるほど。
油布 加えてその前の劇場版『ラブライブ!The School Idol Movie』を見に行って、めちゃくちゃ感動して。劇場版は構成もキレイだし、ライブシーンがとにかくよかったんですよね。絵がテレビシリーズよりさらに美しくて可愛いのはもちろん、キャラクター同士の掛け合いもめちゃくちゃよくて。しかも終わり方が本当に美しいじゃないですか。『ラブライブ!』は当時のアイドルコンテンツの中でもいちばんなんじゃないかっていうくらい人気だったと思うんですけど、そこで終わりにする潔さ。新しくメンバーを入れたり、卒業生が出たあとも続けたりしない。その幕引きが美しくて忘れられないです。

「負けないでほしい」とずっと応援していた

――で、油布さんがいちばんハマった『サンシャイン』が来る。『サンシャイン』はどこがよかったんでしょうか?
油布 『ラブライブ!』はやっぱり初代の人気が圧倒的だったこともあったのか、当時、『サンシャイン』はファンからの風当たりが強い印象があったんですね。で、そこまで濃くないファンだった私からすると、「めっちゃ頑張ってほしい」みたいな。

――判官びいきというか(笑)。
油布 キャストの人たちも、最初のリリースイベントからお客さんがいることに感動して、めちゃくちゃ泣いていたんです。そういうのを見ると、応援したくなっちゃうじゃないですか。状況が状況だったのもあって、ずっと応援していたんですよね。「負けないでくれ!」って。

――気持ちが移って。それこそライブにも行ったり……。
油布 Aqours(アクア)のファーストライブも見に行った記憶があります。あと『ラブライブ!』を見始めてから、アイドルアニメのライブシーンがめっちゃ好きになったんですよね。その影響でアイドルアニメ全般が好きになって。最近はそれこそ、映画がまるまる1本ライブ、みたいな構成の作品も結構多いと思うんですけど、ああいう作品がすごく好きなんです。ライブパフォーマンスをアニメで表現するのが、たぶん好きなんだろうなって。

――当時はライブシーンをいかにアニメで表現するか、その技術がどんどん切磋琢磨されていましたよね。
油布 『ラブライブ!』も、最初の頃は3DCGと作画の違いがはっきりとわかる映像でしたけど、その見せ方もすごくよかったんです。最近は3DCGの技術が格段に進化したので、キャラクターのアップのカットでも3DCGで全然オッケーだったりするんですけど……。そういう技術的な遍歴を見ていくのも、『ラブライブ!』シリーズを追いかけていて面白い部分だなと思いますね。

制作に参加して驚いた絵の繊細さ

――しかも油布さんはそのあと、アニメーターとして、劇場版『ラブライブ!サンシャイン!! The School Idol Movie Over the Rainbow』などに参加していますよね。
油布 本当にちょっとですけど(笑)。

――それはやっぱり「『ラブライブ!』が好きだ」と言っていたら、原画をやるチャンスが来た、みたいなことなんですか?
油布 そうですね。やっぱり好きなので「『ラブライブ!』をやりたいです」と言ったり。あとツイッターで『ラブライブ!』の制作さんと思われる人に「やりたいんですけど」ってDMしたり……。

――めちゃくちゃ積極的ですね(笑)。実際に参加してみて、いかがでしたか?
油布 シリーズによってちょっとずつ違うんですけど、やっぱり室田さんがキャラクターデザインをされた『サンシャイン』は、本当に絵が繊細だなと思いました。これを描くのはやっぱり大変だよな、って。

――繊細というのは……。
油布 線が多いのはもちろんなんですけど、しかもその線が細くて、本当に繊細で。『サンシャイン』は第二原画とレイアウトをちょっとだけ担当したんですけど、この絵をこんなに動かすんだ! すごいな!と。

――それこそ、プロの仕事を目の前で見たような感じがあった。
油布 そうですね。止め絵の第二原画ですら、こんなに大変なんだ、って思わされました。endmark

KATARIBE Profile

油布京子

油布京子

アニメーター

専門学校を卒業後、アニメーターとして活動をスタートし、数多くの作品に参加。『デリシャスパーティ♡プリキュア』『精霊幻想記』のキャラクターデザインを担当した他、TVアニメ『きみが死ぬまで恋をしたい』でも、キャラクターデザインを手がけている。

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