自然に包まれた暮らしの街
南は海に面した港湾地区、北には六甲山へ連なる丘陵地帯が広がる西宮市。高校野球でおなじみの甲子園球場がある街として、その名を知る人も多いだろう。大阪と神戸という関西を代表する大都市の中間に位置するこの地は、住宅街として人気の高いエリアだ。
ヒロインの有希たちが通う北高周辺のモデルとなった甲陽園駅付近は、丘陵部にある文教地区。歩いていると、なるほど、人気があるのも納得だと感じさせられた。住宅街のどこにいても山の木々が目に優しく映り、坂道で振り返れば、広がる街並みとその先の海までも一望できる。作中に登場した夙川沿いも、五十万近い人口を擁する市とは思えないほど静かで緑豊か。自然が暮らしの中に溶け込む風景は、どこか心をほっとさせ、穏やかで快適な暮らしを予感させてくれる。訪れたら住みたくなってしまう――。西宮はそんな空気に満ちた街なのだ。
閑静な住宅街という言葉がピッタリの甲陽園。コンパクトな街なので商業地域も近く、眺望や日当たりも◎。住むには文句なしの場所だ。
1.甲陽園駅前
巡礼のスタートは、北高の最寄り駅である阪急電鉄甲陽園駅から。これは第1話の冒頭部分で登場した、有希とキョンの下校シーンだ。撮影ポイントはコンビニの駐車場付近から。ちなみにこのコンビニも、第2話で登場している聖地だ。
2.驚愕する有希
先ほどの写真に映っていた自動販売機の前から見た風景がこちら。朝倉さんの男子籠絡テクニック(?)に驚く有希の表情がなんともかわいいシーンだ。駅前ということもあって人通りが多いため、写真を撮るなら早朝やお昼前の時間帯を狙おう。
3.北高への通学路
山のほうへ少し登ったこちらの場所は、第3話の下校時に登場。少し先の左手に階段があり、そこを下って駅前へ出るというシーンだったが、もちろんこの階段も実在しているぞ。全般的に道が狭く坂が続くので、巡礼の際は徒歩か電動アシスト付き自転車がオススメだ。
4.夙川学院(しゅくがわがくいん)北交差点
この交差点は、第1話冒頭で映っていただけに、印象に残っている人も多いのでは? この道は六甲山や有馬温泉方面に通じていることもあって、道が狭い割に交通量がかなり多い。訪れる際は、自身の安全と周囲への配慮をお忘れなく。
5.越木岩(こしきいわ)神社北バス停
先ほどの交差点から県道を登ったこの場所はオープニングの終盤で登場。夙川にかかる橋の上で、越木岩神社北というバス停付近だ。直後に映る朝倉やみくるのカットは、この撮影ポイントと同じ側のバス停。車道を挟んだ向かいには、ハルヒと古泉のいたバス停がある。
訪れたからには見ておきたい 100万ドルの夜景!
西宮の近くの神戸市といえば、六甲山からの夜景が有名。甲陽園付近からも六甲山への道が延びているので、巡礼後に足を延ばしてみては? また、そこまで行かずとも、手前の芦有ドライブウェイには芦屋市や西宮市を見渡せる展望台がある。ここからの夜景も筆舌に尽くしがたい美しさで、近年人気のスポットになっているのだ。
写真は神戸市街の夜景。噂に違わぬ美しさだ。ちなみに扉ページの写真は、芦有ドライブウェイから西宮市を見たものだ。
6.樋之池(ひのいけ)公園
先ほどの場所から山を下った先には、第2話で有希がハルヒと出会った公園がある。その名の通り大きな池があり、市民プールなども併設されている。子連れのお母さんたちで賑わう場所なので、訪問時間を考慮するなど、不安を与えないように最大限の注意を払おう。
7.ハルヒが野宿していたベンチ
先ほどの入り口から公園内に入って左手に進むと、サンタ捕獲のためにハルヒが野宿していたベンチがある。うら若き乙女が、雪の降る中こんな場所でひと晩過ごすなんて……と、訪れた際に改めて唸ってしまった。さすがは凉宮ハルヒである。
8.苦楽園口(くらくえんぐち)通り
公園前の道を苦楽園口駅方面へ歩いたこの場所は、荷物を忘れたハルヒが慌てて公園へ戻るシーンで登場。このあと先ほどの⑦の場面につながっていく。この近くには、直前に入っていた喫茶店のモデルとなったお店もあるぞ。
9.夙川(しゅくがわ)
第4話でキョンとハルヒが語らっていたのは、夙川学院前交差点近くの橋のたもとだ。手持ちの機材では作中と同様の高さまでカメラ位置を確保できなかったが、雰囲気は感じてもらえるだろう。ドローンなどの空撮機材があれば、同じ構図で撮影できるかもしれない。
10.廣田神社
最後は、第3話の回想シーンで登場した廣田神社。御鎮座1800年といわれる由緒正しき古社であり、阪神タイガースが毎年必勝祈願を行うことでも知られている。境内の厳粛な雰囲気を感じながら小休止して、巡礼の疲れを癒すのも良いだろう。
名物百景|自慢のワッフルセット
西宮北口駅にあるドリームさんは、本作はもちろんのこと、『凉宮ハルヒの憂鬱』にも登場する聖地のひとつ。自慢のワッフルは、毎日粉から仕込んだ生地を注文ごとに焼き上げている手の掛かった逸品。サクッとしていながらも中はモチモチフワフワで、美味しさと共に食べ応えも満点だ。
自家焙煎 珈琲屋 ドリーム 0798-65-9078
新幹線なら新大阪駅や新神戸駅、飛行機なら大阪空港や神戸空港、自動車なら阪神高速と、都市圏だけにアクセスは抜群。 ※紹介したロケ地には私有地なども含まれます。巡礼の際には住民の方の迷惑にならないようにマナーある行動をお願いします。
- ©2015 谷川 流・いとうのいぢ・ぷよ/KADOKAWA 角川書店/北高文芸部