TOPICS 2024.04.30 │ 18:00

『ささやくように恋を唄う』
嶋野花×瀬戸麻沙美に聞いたひまりと依の心の変化①

新入生歓迎会のバンド演奏を機に、ふたりの少女は異なる意味の“ひとめぼれ”をお互いにした――。4月から放送が始まったTVアニメ『ささやくように恋を唄う(以下、ささ恋)』は、ふたりの少女を中心に描かれる、青春ガールズバンドラブストーリーだ。対談前編となる今回は、木野ひまり役の嶋野花と朝凪依(あさなぎより)役の瀬戸麻沙美に、演じる上で感じたキャラクターに対する想いを聞いた。

取材・文/太田祥暉

ひまりの天真爛漫な素直さが起点となってキャラクターたちの感情が動いていく(瀬戸)

――嶋野さんが演じる主人公・木野ひまりは、新入生歓迎会で行われたバンド演奏を見て、朝凪依(あさなぎより)にひとめぼれをした天真爛漫な女の子です。おふたりはひまりに対して、どのような第一印象を持ちましたか?
嶋野 とってもキュートな子だな!と思いました。オーディションの際に原作の絵が添付された資料をいただいて、ひまりはのんびりほのぼのとしている明るい子なのかなと最初は考えていたんです。でも、台本を読んでいくと、ひまりは自分の意思を強く持っていて、人の意見に流されない子であることもわかってきて。ちょっと頑固な一面もあるのがいいなと思っています。
瀬戸 ひまりは小柄でかわいい。そしてなんといっても天然の人たらしですよね。家族に愛されて育ってきた印象が滲み出ている子だなと最初は感じたんですけど、演じていく中でひまりのことを知って、印象がだいぶ変わりました。今ではしっかりと自分の悩みに向き合うことができる、芯の強い女の子という印象を持っています。

嶋野 ひまりって「私は今どんな気持ちなんだろう?」って悩めるところが素敵なんですよね。私は一瞬そう思ったとしても、すぐに「まぁいいや!」ってなってしまうのですが、彼女はとても素直に「この気持ちはなんだろう?」と自分の感情としっかりと向き合うんです。
瀬戸 ひまりのその天真爛漫な素直さが起点となって、キャラクターたちの感情が動いていくのも『ささ恋』の見どころだと思います。

――瀬戸さんが演じる朝凪依は、ひまりから素直な感情をぶつけられたことをきっかけに、彼女にひとめぼれをした女の子です。おふたりは依に対して、どのような印象を持っていますか?
瀬戸 まずビジュアルを見たときに、カッコいい女の子だなと思いました。でも、本人は別にカッコよく見せようとしているわけではなくて、じつはうじうじと悩んでしまうような一面も持っている。ビジュアルに反して、じつは強くないところ、こと恋愛になると乙女心が前面に出てしまうところが魅力的だと思いますね。ひまりからのメールの返信が来ないのを気にしたり、相手がどう思っているのかを心配したり。相手の気持ちを気にして、ずっと悩んでいるんです。

嶋野 私はビジュアルを見たとき、依先輩のことをリーダーシップがありそうな子だと思っていました。学園祭などで率先して実行委員をやっていそうなタイプというか。でも、本当はとても慎重派で、みんなをぐいぐい引っ張っていくというよりも、まわりの友達を大切にするタイプ。自己肯定感が高いひまりと比較すると、依先輩は卑屈になるシーンが多いんです。私はどちらかといえば、ひまりよりも依先輩の気持ちがわかるなと思っていました(苦笑)。

ひまりのエネルギーに引っ張られて、芝居を彼女らしいものにできた(嶋野)

――収録にあたって、どのように役作りをしましたか?
嶋野 ひまりは、まわりにほんわかエネルギーを与えることができる明るい子。でも、今思うと最初の頃はそんなひまりを表現する力が私に足りていなかったと思います。私はまわりを引っ張っていくタイプではないので(苦笑)。でも、徐々にひまりのエネルギーに引っ張られるかたちで、自分の芝居を彼女らしいものに近づけていけたと思います。
瀬戸 テープオーディションだったこともあり、何が正解かわからない中で第1話の収録を迎えたので、ひとまず自分が考えていたものを全部出しました。依は感情をあまり表に出さない印象があったので、冷たい人に見えないくらいの塩梅で芝居をしたところ、その方向性で音響監督さんや収録に立ち会われていた竹嶋えく先生からOKをいただけて。その分、モノローグでは胸きゅんしていたり、悶えている依を感情全開で演じましたね。

――アフレコでは近くで掛け合いをしたと思いますが、お互いの演技を間近で聞いてどのように感じましたか?
嶋野 アフレコが始まった頃は自分のことで精一杯で……。瀬戸さんはお芝居がとてもお上手なので、掛け合いをさせていただくことで、自分の演技を見直すことができました。考えなければいけないことがあったのに、私はできていなかったなとか、たくさんのことを学ばせていただきましたね。最終的には瀬戸さん演じる依先輩のお芝居を受けて、素直に演じていくようにしました。
瀬戸 初めての主役で、どうしても緊張しちゃう中で「ああしよう、こうしよう」と考えられるってすごいと思います。第1話の収録の際、ひまりの役作りをしているのを見たときに、人によって「ひまりのかわいさ」の考え方が違うんだなと感じたんです。そんな中で、嶋野ちゃんはとっても悩んでいるように見えました。きっと大変なことも多かったんじゃないかと思いますが、調整を続ける中でみんなの考える「ひまりのかわいさ」がひとつになったなと感じる瞬間があったんです。ひまりが出来上がっていく過程を隣で見られたのは、とても楽しかったですね。endmark

嶋野花
しまのはな 8月17日生まれ、千葉県出身。アクセルワン所属。主な出演作に『異世界のんびり農家』(リーフ役)、『メイドインアビス 烈日の黄金郷』(エイル役)、『スキップとローファー』(城ケ崎役)など。本作が初主演となる。
瀬戸麻沙美
せとあさみ 4月2日生まれ、埼玉県出身。StarCrew所属。主な出演作に『ちはやふる』(綾瀬千早役)、『トロピカル〜ジュ!プリキュア』(キュアフラミンゴ/滝沢あすか役)、『呪術廻戦』(釘崎野薔薇役)など。
作品概要

TVアニメ『ささやくように恋を唄う』
4月13日(土)より放送中!

  • ©竹嶋えく・一迅社/ささやくように恋を唄う製作委員会