――真夏の撮影でとくに屋外はめちゃくちゃ暑かったのですが、それを感じさせない涼やかな写真に仕上がっています。撮影を振り返っていかがでしたか？
月音　ロケ場所がめっちゃいいところでしたね。原っぱのようなところがとくに好きでした。ジブリの映画に出てくるような場所で、童心に帰ったというか。

――「山と海」を意識した撮影だったのですが、月音さんの地元の神奈川はまさに山も海も楽しめるところですよね。
月音　そうですね。実際に家から少し離れると広い原っぱがたくさんあって、小学生の頃はそういう場所を駆け回っていたんですよ。話していると山から滑り落ちて大怪我をしかけて、ヒヤヒヤした思い出がよみがえってきます（笑）。

――子供の頃の原風景に近い場所だったんですね。山と海以外では、アトリエや宿泊施設としても使われている施設を借りての撮影でした。
月音　エアコンとは違う涼しい風が通っていて、夏ってこういう感じだったな……と思い出すような部屋でした。最近はクーラーが効いた部屋でゲームばかりしているから、ああいう場所で過ごしていると身体が浄化された気がしますね（笑）。

――木造で年季の入った建物ですから、まさにジブリ作品に出てくる部屋のような雰囲気もありました。
月音　そうそう。部屋がいくつもつながっていて、窓も多いから、隣の部屋を覗けたりして。すごく広々と感じるおうちで、ああいうところ、おばあちゃんになってから住みたいなと思います。

――海で撮った写真も含めて、今回の記事でどんな部分を楽しみにしてほしいですか？
月音　落ち着く雰囲気だったこともあって、実家に帰ってきたようなリラックスした表情になっていると思います。皆さんに見ていただけるのは（本が発売される）秋ですけど、夏を思い出すような写真が多いので、夏の余韻を楽しんでもらえるといいなと思います。

――月音さんは8月生まれですが、やっぱり夏が好きだったりするのでしょうか？
月音　いや、8月生まれですけど暑いのは苦手なんです（笑）。服を着るだけでも汗が出ちゃいますけど、冬は着込んでしまえば寒さをしのげますから、お洋服も冬服のほうが好きです。でも、秋になってから今回の写真を見たら、爽やかな夏の思い出のように見えるんじゃないかな。