TOPICS 2023.01.20 │ 18:40

劇場総集編『SSSS.GRIDMAN』公開記念 新条アカネ役・上田麗奈&宝多六花役・宮本侑芽対談①

2023年1月20日より2週間限定で公開される劇場総集編『SSSS.GRIDMAN』。Febriでは2019年発売の書籍「SSSS.GRIDMAN ヒロインアーカイブ アカネ&六花」に収録された新条アカネ役の上田麗奈と宝多六花役の宮本侑芽の対談の一部を掲載。シンクロするようなふたりのヒロインに迫る。

取材・文/本澤 徹 リード文/編集部 撮影/村上庄吾 ヘアメイク/北原由梨(エミュー)、福島加奈子

※本記事には物語の核心に触れる部分がございますので、ご注意ください。

ナチュラルな六花と取り繕ったアカネ

――今日はおふたりとも同じ形で色違いのイヤリングをしていますが、それぞれアカネと六花の瞳と同じ色なんですね。
宮本 麗ちゃんがプレゼントしてくれたんです。
上田 侑芽ちゃんへのプレゼントを探していたときに、偶然、六花の目みたいな色のイヤリングを見つけて……。
宮本 赤と青で。もう、センスがずば抜けている。
上田 いやいや(笑)。それで、もしやと思って探したら、同じものでアカネ色もあったので、今日の撮影にちょうどいいし、これは買わなきゃって。
宮本 宝物になりました。

――ではあらためて、まず、アカネと六花は途中でキャラクターデザインが入れ替わっていますが、役が決まったときには今のデザインでしたか?
宮本 決まったときは、もう今のデザインでした。オーディションはテープとスタジオの2段階だったんですけど、テープオーディションのときはまだ今と逆でした。その後、スタジオオーディションに行ったら全然違う女の子の絵を渡されて、「あれ、違う子も受けたっけ?」と(笑)。そのときも、デザインの細かいところは完成版とは違っていたと思います。
上田 うん。でも、今のデザインに近くはなっていました。アカネはテープのときは髪が長くて、ちょっとグラマラスで大人っぽい、「マドンナ」っていう言葉がピッタリなデザインでした。
宮本 敵っぽさもありましたよね。
上田 あったね。でも、スタジオに行ったらより可愛らしく、細身の絵になっていたので、テープのときより細い感じの声でやってみたんです。それが良かったみたいで、「テープのときより可愛さに振ったお芝居になっていたのでマッチした」と、あとでスタッフさんから伺いました。
宮本 私は逆でした。テープのときはもっと可愛らしいお芝居にしていたんですが、スタジオでは普通でナチュラルな、どこにでもいるような子にしなきゃと思いながら演じました。

――性格が同じでも、外見が違うと演技は大きく変わるものですか?
宮本 変わりますね。
上田 太っているか痩せているかだけでも、声の響き方が違いますからね。

――六花の、ナチュラルだけれど、アニメとしても平板にならない演技はインパクトがありました。あの演技は指示されたのではなく、自分から?
宮本 そうですね。私は子役からお仕事をしていて、(実写の)映像のお仕事を経験してから声のお仕事を始めたので、もともと映像寄りのナチュラルなお芝居だったんです。その中でも、六花はとくに「自分に近い」と思ったので、自分が普段しゃべっている感じでお芝居をしたら、オーディションに受かって。第1回のアフレコで、麗ちゃんを含め周りの皆さんが「すごくナチュラルでいいね」って褒めてくださって、そのときに「これがナチュラルな芝居なんだ」と気づきました。第2回以降は、自分でもちょっと意識していましたね。
上田 六花と裕太は、最初から誰に何を言われることもなく今の六花と裕太で、スタッフさんも「そのままいってください」という感じでした。このふたりに合わせて、みんなの――このアニメは二次元感が強いほうがいいキャラクターと、リアルめなほうがハマるキャラクターとに分かれると思うんですけど、そこのバランスが取れていったと思います。

――アカネは二次元側と捉えていましたが、ご自身としてはどうでしょう?
上田 二次元感を強めていた部分はあります。ただ、どちらかというと「アニメ寄り」というより「取り繕っている」方向で、ナチュラルではない感じを出そうとしていました。とくに、クラスにいるときなどはアカネにとって緊張する場面なので、壁を作って上っ面でしゃべっている感じを出しました。誰かと電話をするときに声が若干上がっちゃうみたいなイメージで、素直ではない声の出し方を意識して……なじめない違和感をセリフに残せたらと思っていたんですけど、難しかったですね。

アカネに入れ込んでブースで孤立することに

――終盤に明かされる事実が多い作品ですが、アカネの秘密や世界観については、最初にどの程度知らされていたのでしょうか?
上田 役どころによって、人それぞれですね。侑芽ちゃんは、もう全然……。
宮本 オーディションでいただいた原稿とキャラクターデザインのみで、展開は全然知らなかったです。気になって雨宮監督に聞いてみたら「ご想像にお任せします」って流されちゃって(笑)。でも、六花と同じようにだんだんとアカネのことを知っていけたことが、リアルな演技につながったと思います。
上田 多分、いちばん深く知らされていたのは、アレクシス・ケリヴ役の稲田徹さんだと思います。私もある程度は知らされていたんですが、アカネのいちばん根本的な部分……どんなトラウマがあって、何に困っていて、何が大事でこういうことをしているのかがわからなくて、すごく苦労しました。でも、お話が進むにつれていろいろわかってきて、「すごく寂しい人なんだ」ということを台本から感じるたびに、自分と似ていると思う部分が増えていきました。考え方や行動がすごく似ているんです。だから、後半はどんどんアカネと同じ気持ちになってしまって、視野が狭くなって、ブースの中で私だけが孤立して重い空気を放っているという状態でした。最終回が終わったあと、ようやくみんなで笑って餃子を食べられるようになった感じです(笑)。
宮本 最終回が終わってみんなで打ち上げをしたときの麗ちゃんの第一声が「苦しかったぁ……」でしたもんね。アフレコ中は本当に「何もできなくてごめん」という気持ちでした。ブースの中の麗ちゃんは集中していて、雨宮監督とも綿密にお話ししていた印象があります。
上田 雨宮監督のおっしゃっていたイメージがなかなかつかめなくて、監督にもそうお話ししました。
宮本 そうだったんですか!?

――言い方が難しかったということですか? それとも演技のイメージが監督とフィットしなかった?
上田 フィットしなかったんだと思います。アカネに関して、「ここで、その感情になるのかな?」というようなことを監督がポンとおっしゃることがあって。それで「じゃあ、これに関してはどうですか? これだったらどうですか?」ってつなげていこうとするんですけど、なかなか捉えられなくて……。監督ならではのロジックがあるんだと思い、割り切って自分の思うお芝居をし始めてからは、多少楽に収録に臨めるようになりました。思ったようにやってみて、「やっぱり違う」と感じたら監督は絶対に言ってくださる。なので、時間がかかって申し訳ないけど、そこで摺(す)り合わせていこう、と。

――最後までそういう状態で?
上田 第9回のアカネは自分の感覚や感性で全部理解できて、そこからはすごく楽になりました。それが果たして雨宮監督の感覚と共通していたかは、いまだにわからないんですけど(笑)。
宮本 第9回の麗ちゃんはちょっと楽そうにしていて、勝手に安心していました(笑)。

――そういった制作サイドの意図とのイメージのズレは、他にもありましたか?
上田 第7回の、アカネがベッドで裕太に「こっちにおいでよ」って言うシーンで、音響監督の亀山(俊樹)」さんが「ここは色っぽくやってください」とおっしゃって。「色っぽくですか!?」と、私も監督も驚きました(笑)。でも、面白いかもしれないと思ってやってみたらハマッたというか、男性がグッとくるシーンになったかなと思います。私ひとりの解釈だったら絶対そうはしなかったけど、「男性の目線ってこうも違うんだなぁ」と思いました。
宮本 あのシーンのアカネは「手を組もう」って言いながら実際は脚を組んでいて、「言動と行動がちぐはぐなアカネ」を表しているらしいですよ。
上田 へえーっ。でも、逆にエッチですよね、それ。endmark

作品情報

劇場総集編『SSSS.GRIDMAN』1月20日(金)2週間限定上映
劇場総集編『SSSS.DYNAZENON』3月10日(金)2週間限定上映

『グリッドマン ユニバース』2023年3月24日(金)全国公開

  • Ⓒ円谷プロ Ⓒ2023 TRIGGER・雨宮哲/「劇場版グリッドマンユニバース」製作委員会