TOPICS 2021.07.29 │ 12:00

SSSS.DYNAZENON&GRIDMANヒロインアーカイブ発売決定記念②
若山詩音&安済知佳対談

2021年10月8日に発売が決定した書籍『SSSS.DYNAZENON & GRIDMAN ヒロインアーカイブ』。両作品のヒロインの魅力を凝縮した公式ファンブックにはイラストギャラリーやストーリープレイバック、原画集、キャラクターデザインの初期稿など、貴重な資料をふんだんに収録。今回は本書に収録される南夢芽役・若山詩音と飛鳥川ちせ役・安済知佳の対談の一部を、撮り下ろしの写真とともにお届けします!

取材・文/宮 昌太朗 撮影/村上庄吾 ヘアメイク/小田切なお(若山)、上田忍(安済)

みんなが悩みを乗り越えていくことに感動しました

――まずは最終回まで見た、率直な印象を聞かせてください。
若山 いろいろな場面が思い浮かぶんですけど、とにかくエモーショナルで熱くて、繊細で素敵な物語だったと思います。ひとつひとつが本当に丁寧に作られていて、この作品に関われたのは幸せだなって。
安済 最初からいろいろな人間関係が見え隠れしていた作品だったと思うんですけど、最後はみんなそれぞれ、真っすぐな道を選んだことに驚きました。誰かがおかしな方向に行くこともなく――というか、ガウマさんが欠けてしまったといえば欠けてしまったんですけど、でもみんながひとつ悩みを乗り越えて、これからの人生を歩んでいくんだなって。そのストレートな物語の流れに、ちょっと感動して(笑)。演じた身としても「そっかそっか、よかったね」「頑張ったね」と感動しました。

――なるほど。では、最初のオーディションの印象から伺おうと思います。若山さんは夢芽役で受けたのでしょうか?
若山 最初のテープオーディションが夢芽役で。そのあとスタジオオーディションに進んだんですけど、とにかく全力を出し切ろうと思っていたので、自分の持っているものを全部ぶつけて。……なので、自分では手応えも何も、まったくわからなかったです(笑)。
安済 私もテープオーディションがすごく印象的で。というのも、ひとり芝居とフリートークをそれぞれ1分というお題だったんです。「そこも審査されるのか!」って、いろいろ考えましたね。フリートークでは何を話したの?
若山 フリートークは歌を唄いました。
安済 歌!? って、それはトークじゃないじゃん(笑)。
若山 たしかに(笑)。最初に「自分はこういうことを大切にしています」みたいなひと言を話して。
安済 自分の信条を話して。
若山 それから「歌を唄います」って。
安済 ちなみに、どんな曲を唄ったの?
若山 あいみょんさんの「貴方解剖純愛歌~死ね~」だったっけな。歌詞がエグめの曲を(笑)。
安済 あはは、面白いな~(笑)。
若山 安済さんは何を話したんですか?
安済 これは本当にたまたまなんですけど、フリートークで榎木淳弥君の名前を出したんです。彼は私の母方の親戚なんですけど、その母から「榎木家には代々、ものもらいを治すおまじないがある」という話を子供の頃から聞いていて(笑)。で、初めて小学生でものもらいになったときに、母にそのおまじないをかけてもらったんです。仏壇の前に目を閉じて座らされて、何かやっている気配は感じるんだけど、よくわからない(笑)。で、「明日には治っているから」と言われたんですけど、朝起きたら本当に治っていたんです。
若山 ええーっ、すごい!
安済 で、その話を現場で会った榎木君にしたんですよ。「代々榎木家に伝わっているおまじないだから、知ってるよね」って聞いたら、「何それ?」って言われて(笑)。しかも、その翌日に榎木君がものもらいになったという。

――込み入った話ですね。
若山 それを1分で収めたのはすごい(笑)。
安済 しかもそのフリートークを録ったとき、榎木君が『SSSS.DYNZAZENON』のオーディションを受けているのを知らなくて(笑)。共演者を教えてもらったときに「榎木淳弥君がいるじゃん!」って。めちゃくちゃ面白かったです。

ミステリアスだった夢芽を等身大の女の子として見ることができました

――安済さんは何役でオーディションを受けたのでしょうか?
安済 テープオーディションの時点では、夢芽と香乃とちせでした。夢芽はちょっと青臭いというか、自分のなかで戦っている感じとか言動が謎めいてるところが面白くて、演じていて楽しかったですね。で、香乃に関しては、これまで私はミステリアスな役柄が多かったので、マネージャーと話して「この役も受けておこう」って……。

――あはは。ちせの第一印象は?
安済 これまであまり演じたことがない役柄だったので、挑戦するような気持ちでしたね。だからオーディションに合格したと聞いて、うれしいと同時に「13歳かぁ~」という(笑)。ただ、収録が始まる前に監督から「幼さはあまり押し出さなくても大丈夫です」と言われて、少し安心しました。

――そこから役が決まって収録が始まったと思うのですが、若山さんから見て夢芽の第一印象というのは?
若山 最初はとにかくミステリアスというか、不思議ちゃんっていうイメージがありました。クラスでも浮いていて、約束をしたのにその約束を破るってことを繰り返していて、この子は何を持っているのか、ちょっとわからないなって。ただ、そこから少しずつ紐解いていくと、この子は他人とコミュニケーションをとるのが苦手なんだな、というのが見えてきたんです。自分が思っていることをうまく表に出せないから、まわりからはミステリアスに見えているのかなって。
安済 うんうん。
若山 心の凸凹が表に出てこなかったからこそ、ああいう言動になっていたのかなと思うと、かわいく思えてきて。今は高校生の、等身大の女の子として見ることができていると思います。

まわりの環境でちせの受け取り方が変わるのが面白かった

――安済さんから見て、ちせの印象は最初と最後で変わりましたか?
安済 うーん、変わらないですね。変わらないまま、終わりました(笑)。ちせって、視聴者からすると謎な部分も多くて、それこそ「闇落ちしちゃうんじゃないか」みたいな、そういうキャラクターだったと思うんです。オープニングもズルいなって思うんですけど(笑)、ちせの後ろで何かの目が光っていたりして――今見るとゴルドバーンだったんだなってわかるんですけど、「アイツ、きっと裏切るぞ」というか(笑)。ちせ自身がそういう空気を出していなくても、見ている人がそういうふうに勘ぐってしまうキャラクターだと思うんですね。で、アフレコが始まる前に、キャストがひとりひとり呼び出されて、監督と話す機会があったんですけど……。

――個人面談があったんですね。
安済 そうなんです。そのときに「ちせは不登校の子なんだけど、それほどネガティブな要素ではない」と言われたんです。いじめられたり、何かのトラブルに巻き込まれて不登校になっているわけじゃない。むしろまわりよりも秀でていて、できる子だったがゆえに孤立してしまった子なんだという話をされたんですね。それこそ「アームカバーで何かを隠しているんじゃないか」とか、いろいろな憶測を呼んだと思うんですけど、演じているほうとしては何も変えているつもりはなくて。見ている人の見方だったりまわりの環境で、ちせっていうキャラクターの受け取り方が変わるんだなって。そこがすごく面白かったです。
若山 あはは。
安済 あと私、オンエアで視聴者の方から指摘されるまで、この子の格好がすごいってことに気づいていなかったんですよ。
若山 私も気づいてなかった!
安済 そうだよね! でも、よく考えてみたら、けっこう攻めたファッションだよなっていう(笑)。ロックっぽい感じが好きなのかな?くらいに思っていたんですけど、たしかにこの格好で暦先輩と歩いていたら、そりゃあ職務質問されるのも仕方ないなと(笑)。
若山 暦先輩も33歳ですからね。
安済 そうそう。その年齢差も面白かったですね。だから演じている身としては――もちろん、彼女のなかでも成長とか葛藤はありましたけど、でも大きく何かが変わったとかはなくて。ゆるやかに、物語とともに成長していったという感じなんですよね。endmark

書籍情報

SSSS.DYNAZENON & GRIDMAN ヒロインアーカイブ
2021年10月8日(金)発売予定

カバーイラストは中村真由美による描き下ろし!

〈SSSS.DYNAZENON〉
カラーイラスト、ストーリープレイバック、キャスト&スタッフインタビュー、原画集などに加えて、貴重なヒロインの初期デザイン案も詳細掲載!

〈SSSS.GRIDMAN〉
書籍「SSSS.GRIDMAN ヒロインアーカイブ アカネ&六花」のBOOK-Aをまるごと掲載 + 40点以上のアカネと六花のカラーイラストを追加収録!

予価3,190円(本体2,900円+税10%)
B5判/184ページオールカラー予定
発行/一迅社

  • ©円谷プロ Ⓒ2018 TRIGGER・雨宮哲/「GRIDMAN」製作委員会
  • ©円谷プロ Ⓒ2021 TRIGGER・雨宮哲/「DYNAZENON」製作委員会