――現在、第3話まで放送されている『ささ恋』ですが、おふたりが印象に残っているシーンについて聞いていきたいと思います。まず第1話では、ひまりと依の出会いとひとめぼれが描かれました。
嶋野　第1話といえば、「その日、私は先輩にひとめぼれをしました」という最初のセリフですね。最初の収録だったのでめちゃくちゃ緊張していたのですが、それでもとても楽しかったことをおぼえています。ひまりがひとめぼれをするシーンは、作品に引き込まれた印象的なシーンですね。
瀬戸　第1話って展開が盛りだくさんで……。中でも「ひとめぼれって、あたしに恋をしたんじゃなくて、単にファンになったって意味か！」と勘違いに気づいたときの恥ずかしさは忘れられません。台本を読みながら恥ずかしくなっていました（笑）。依は、これまでにマンガや映画などで「恋愛」というものを摂取する中で「好き」といえば「恋愛」の意味だと思っていたんじゃないかなと。そんな依に、ひまりがストレートに「好きです」って伝えてきたからこそ、「彼女は私のことを好きなんだ」って疑うことなく受け取ったんだと思いますね。結果としては依の勘違いだったんですが（笑）。

――第2話ではひまりと依がデートに行きますが、依はデートしていることに浮かれていますね。
瀬戸　勘違いではあったけどデートに行くんですよね。しかも、とってもイチャイチャしていて（笑）。
嶋野　じつは、第2話のアフレコは第6話のあとだったんです。ひまりを演じることに慣れてきた頃だったので、音響監督さんから「仲がいい雰囲気が出てしまっているよ」と指摘が入ったことをおぼえていますね。そこから、まだ憧れの人と話しているくらいの距離感に戻していって……。気を抜くとひまりと依先輩が仲良さげになってしまうので、たどたどしい感じを意識しながら演じました。

――第2話といえば、依からひまりへの告白が思い浮かびます。あのシーンを瀬戸さんはどのように意識しながら演じましたか？
嶋野　いろいろなパターンを録っていましたよね。「ちょっと気持ち悪めにいきますか？」とか音響監督さんと話されていた記憶があって。
瀬戸　そうですね。どういうニュアンスで言うべきか、収録現場に向かう道中もとても悩んでいました。「木野さんと付き合ったら、毎日幸せだろうな」というひと言を、ひまりに好意がバレていないと思っている雰囲気にするべきか、「えっ、私のことを好きってこと？」って聞き返したくなる言い方にするべきか、他にもいろいろとパターンを考えて。でも、彼女は気持ちを隠せるほど器用でもないので（笑）、最終的には「言うぞ」というオーラが出ている風にしましたね。

――そして第3話ではお互いが気の置けない相手に恋の相談をしていますね。
嶋野　私、ひまりのお母さんが大好きなんです。第3話を見るとひまりが家族に愛されていることがわかるし、どうして彼女がまっすぐに「好き」って言葉を言えるのかがわかるんです。家族の距離感がとても愛おしくて……。
瀬戸　依はというと、ようやくバンドに入ろうと決意します。ただ、みんなに向けて歌いたいというよりは、ひまりに届けたいという気持ちが強いと思うのですが、勇気をもって一歩踏み出した依の姿がとても印象的でしたね。

――ちなみに収録現場の雰囲気はいかがでしたか？
瀬戸　嶋野ちゃんと志帆役の根本（優奈）ちゃんのふたりが同い年くらいで、その他のキャストは30代くらいだったこともあって、先輩と後輩が仲良くしている女子校みたいな現場でしたね。そういえば、嶋野ちゃんが野菜と果物のペンケースを持ってきたことがあって。バナナのペンケースをかわいいって言っていたら、次の週に（小松）未可子さんが他の種類を4個くらい買ってきてくださったんです。
嶋野　今日も持ってきています（笑）。そのあと、また他のものを買ってきて皆さんにプレゼントして。
瀬戸　そうそう。私はさやえんどうのペンケースを譲っていただいて。
嶋野　アフレコ現場にいらっしゃった竹嶋先生にも野菜のペンケースをお渡ししました（笑）。

――さて、『ささ恋』の放送はこれからも続いていきますが、おふたりから「ここに注目すると『ささ恋』をより楽しめるよ！」というポイントを教えてください。
瀬戸　恋人関係になると、誰しも欲が出てくると思うんです。第1話では爽やかな印象のあった『ささ恋』ですが、今後はもっと人の心の奥底にある感情も見えてくるので、そこからどう人間関係が変わっていくのかを、ぜひ楽しみにしていただきたいですね。

嶋野　依先輩のそういう感情が大好きなので、第4話以降がとても楽しみです……！　これから新しく登場するキャラクターが何人もいるので、彼女たちがひまりと依先輩の関係にどう影響してくるのか楽しみですよね。私は百々花推しなのですが、彼女は第4話以降の登場なので、まだ多くを語れないんです。ビジュアルも好みですし、お声も想像していた以上に合っていて……。そんな百々花先輩とひまりがどう絡んでいくのかも注目してください！　あと、私が歌っているエンディングも聞いていただけるとうれしいです！