歴史と自然に心がなごむ、讃州の玄関口
『結城友奈は勇者である』の舞台と言えば、同コーナーで紹介した観音寺市を思い浮かべる人が多いかもしれないが、『結城友奈の章』の前日譚ともいうべき『鷲尾須美の章』では、同じく香川県の坂出市が登場している。
本州と四国をつなぐ瀬戸大橋が通るこの街は、今も昔も香川の出入口と言うべき存在。四国八十八箇所霊場や、こんぴらさんの名で親しまれる金刀比羅宮を詣でる人々がはるか昔から船でこの地に降り立ち、賑わいを見せたそうだ。市内には、かつての旅人が目にしたであろう風景が今も変わらずに残っている。作中でも印象的だった瀬戸内海はもちろん、讃岐富士と称される美しい山容が特徴的な飯野山など、なんだかホッとするような風景に、そこかしこで出会うことができるだろう。今回はそんな坂出市を中心に、『勇者の章』で登場した観音寺市にも足を伸ばし、舞台をたどることにしよう。
見事な円錐形を描く飯野山の姿は、まさに讃岐富士と呼びたくなる。坂出の風景として深く印象に刻まれる美しさ。瀬戸大橋と並んで街のシンボル的存在だ。
1.イオン坂出店
舞台巡りのスタートは、勇者のひとり、三ノ輪銀が大好きなイネスから。モデルとなったのはイオン坂出店で、坂出駅を出てすぐのところにある。駅北口のロータリー周辺は他にもさまざまなシーンで登場しているので、そちらもお見逃しなく。
2.香風園(こうふうえん)
北口から西に歩くと、香風園と呼ばれる庭園が見えてくる。この中には、『鷲尾須美の章』のオープニングで園子が渡っていた橋がある。入場無料で気軽に訪れられるのがうれしい。ちなみに隣接する郷土博物館の門や建物は、神樹館のモデルになっているようだ。
3.鎌田池
坂出中学校の近くにある鎌田池。テニスコートにほど近い北東側のほとりは、オープニングを始めとしてたびたび登場している。後ろに見える山の形は作中そのまま。学校のすぐそばなので、生徒や周辺住民の方々に不安を与えないよう、振る舞いには注意しよう。
4.春日神社
須美と園子のふたりだけで訪れた夏祭りの舞台は、坂出市川津の春日神社。一見楽しそうなふたりの姿が、逆に銀の不在を感じさせるせつないシーンだった。ちなみにオープニングで須美が歩いている神社もここ。
5.法城寺
銀の家へ向かうときに登場したのは、飯野山にほど近い川沿いの道。特徴的なお寺が映っているので、場所を見つけやすいだろう。このシーンの前後に登場した川沿いの風景もすぐ近くなので、あわせてチェックしたい。
勇者部が利用した部屋であの歌を熱唱できる!
『勇者の章』で友奈たちが訪れたカラオケボックスは、カラオケまねきねこ観音寺店の6号室がモデル。なんと現在この部屋は『結城友奈は勇者である』仕様になっており、同店を訪れたキャストのサインが飾られているぞ。しかも『早春賦』などのキャラクターソングをアニメの背景にして歌うことも可能。ファンなら絶対に見逃せないスポットだ。
企画原案のタカヒロ先生をはじめ、友奈役の照井春佳さんや樹役の黒沢ともよさんなど豪華メンバーのサインが!
6.マリンドーム
北へ大きく移動して、瀬戸大橋記念公園へ。園内にあるマリンドームは、作中では歴代勇者の墓標が立つ場所として登場していた。近くにあるナカンダ浜は、オープニングのラストで須美たちが浜辺を歩くシーンの舞台になっている。
7.財田川(さいたがわ)沿いの道
ここからは観音寺の風景。『勇者の章』の第1話、ソフトボールからの帰り道に友奈と夏凜が歩いていたのは、市内を流れる財田川南岸の道だ。周囲は住宅地なので、迷惑にならないように気をつけて訪れたい。
8.琴弾(ことひき)八幡宮
勇者部一同が初詣に訪れた場所は、琴弾八幡宮がモデルになっている。こちらの神社は2014年に放映された『結城友奈の章』でも登場していたので、見覚えがある人も多いのでは? 観音寺の舞台と言えば、三架橋と並んで外せないスポットだ。
9.象ヶ鼻岩銭形展望台
『勇者の章』の第4話で、迷い猫を探していたのがこちら。この場所は展望台になっていて、観光名所である寛永通宝の砂絵を眼下に眺めることができる。このあとみんなでカラオケに行くのだが、そちらについては上記の「勇者部が利用した部屋であの歌を熱唱できる!」をご確認あれ!
10.国防仮面参上
最後は港のほうへ。龍王宮という神社の近くにある路地は、憂国の戦士・国防仮面が悪者を懲らしめていたところ。観音寺市にも坂出市にも、舞台になった場所はまだまだたくさんある。『結城友奈は勇者である』の舞台を巡りながら、瀬戸内の美しい風景を満喫しよう。
名物百景|しょうゆ豆ジェラート
『鷲尾須美の章』に登場したグルメと言えば、気になるのはなんと言ってもコレ。銀がチョイスしていたしょうゆ豆は、適度な塩気がアイスの甘さを引き締めつつも味わい深くしてくれる組み合わせで、クセになりそうな美味しさだ。イオンモール高松の店舗には作品のポスターが掲示され、来訪者用のノートも用意されているぞ。
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