「帰ってきた感」がすごかった第1話
――第3期は「これぞ『かぐや様』」といった始まり方でしたが……まず、第1話に出てきた『イケメンが励ますCD』は欲しいですか?
古賀 めちゃめちゃ聞いてみたいです! ああいうCDは聞いたことがないので、どこまで耐えられるかわからないですけど(笑)。収録は別だったので、オンエアを見てさすがだと思いました。作品内ではあの甘い声で女子たちがどれだけ卒倒しているんだろうと(笑)。
――ここまでのオンエアを振り返っての感想を聞かせてください。
古賀 第1話はやっぱり「帰ってきた感」がすごかったです。さっき話題にあがった『イケメンが励ますCD』はもちろんですが、第2話で早坂が歌うシーンでは、ちゃんとカラオケバージョンの歌が録ってあったり、細かいネタにこだわって作っているところもさすが『かぐや様』だなと思いました。第3話にはマキちゃん(四条眞妃)も出てきましたが、第3期ではマキちゃんも活躍するので、それも楽しみです。
かぐやは今まで見せなかった表情が増えた
――眞妃といえば、彼女の親友の柏木と、その彼氏の翼も第3話に登場しましたが、強烈な印象でした。
古賀 あのふたりはなかなかですよね(笑)。(翼に好意を寄せている)マキちゃんの気持ちを思うとちょっと複雑ですけど、ああいう恋愛のベテランみたいな子が10代の頃にまわりにいたら、いろいろ相談しやすかっただろうなと思います。大人の階段をたくさん登っているでしょうからね。ただ、あの惚気(のろけ)っぷりを間近で見せられるのはちょっと……。「うお~、生々しい!」と思っちゃいます(笑)。
――アフレコ時に印象に残っていることを教えてください。
古賀 先ほど「帰ってきた感」と言いましたが、第1話の収録は青山(穣)さんが私の次のグループだったんです(※1)。青山さんの「秀知院学園、復活!」とナレーションを入れている声が聞こえてきたときに、まず「あ~、帰ってきた!」と思いました。青山さんのナレーションが作品を印象づけるものになっていたんだなと、収録が別々になってあらためて感じました。
- ※1 新型コロナウィルス感染予防対策で、アフレコブースに一度に入れる人数が決まっているため。
――かぐやはどんどん感情が豊かになってきたように感じます。
古賀 本当に乙女になりましたよね。かぐやは生徒会のメンバーと出会って心が人間的になったというか、年相応の女子高生っぽさをすごく出すようになりました。第3期では、こんなに素直になれるんだと思うぐらい、さらに自然体で女の子らしい一面を見せるんです。後半になるにつれて、しっかり自分の気持ちと向き合うシーンが増えてくるので、彼女の変化や成長を声を通して表現できるように頑張らなきゃ!と思いながら演じています。
――照れて声がうわずってしまう場面が増えましたよね。
古賀 今までのかぐやなら見せなかった感情や表情が、第3期ではいっぱい出ていると思います。台本を読んでいて「こんなこと言うんだ!?」と思ったり、アフレコの映像を見て「こんな顔もするんだ!」と感じることが多かったです。ずっと一緒に歩んできてよく知っているはずの子だと思っていたんですけど、全然違う姿が見られて新鮮でした。
――第1期でも第2期でも、収録時に原作の赤坂アカさんからアドバイスがあったそうですが、今回は何か印象的な言葉はありましたか?
古賀 第3期でも現場にはいらっしゃっていたのですが、言葉よりも雰囲気で「この大事なシーン、よろしくお願いしますね!」と伝えてくださることが多かった気がします。タイトルにもなっている「ウルトラロマンティック」は先生にとってもすごく大事なキーワードだとおっしゃっていたので、いろいろな思いがあるのだと思います。
早坂はかぐやにとってどんな姿でも見せられる存在
――前半の話数で、じつはここは苦労した、というシーンはありましたか?
古賀 第2話で、会長(白銀)と早坂がいるカラオケ部屋を探すシーンは何度も録り直しました。何度も叫ぶので「(かぐや的に)どこまでやっていいのかな?」と探りながらだったんですが、「ちょっと声が野太すぎる」と言われたんですよ(笑)。ちょうどいいところに落ち着くまでが大変でした。
――カラオケのシーンもそうですが、かぐやと早坂との関係には独特のよさがありますね。
古賀 微笑ましいですよね。ずっと心を遮断してきたかぐやは、生徒会のメンバーに出会って心が豊かになりましたけど、そもそも早坂がいなかったらこうなれていたのかな?と思うんです。どんな自分の姿でも見せられる早坂がそばいてくれたからこそ、心を開いていけたんじゃないかなって。早坂はこれからもかぐやにとって大事な存在であり続けるんだと思います。いつもはわがまま放題言っているかぐやが「あっ、ごめんなさい」と素直に謝るのは早坂が怒ったときくらいで、他の生徒会のメンバー相手だとなかなかそうはならないですよね。そういうところに特別な関係性がすごく表れていて、いいなと思います。第3期はこのあともふたりの掛け合いがあるので、楽しみにしていてください。
- 古賀 葵
- こがあおい 佐賀県出身。81プロデュース所属。『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』での好演が評価され、2020年に第14回声優アワード主演女優賞を受賞。他の出演作に『プリンセス・プリンシパル Crown Handler』(アンジェ役)、『ビルディバイド』(棟梨ひより役)、『ヘブンバーンズレッド』(國見タマ役)など。