TOPICS 2026.02.11 │ 12:00

『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』特集② 鮮明になるふたりの心情 小野賢章×上田麗奈対談
(後編)

『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』特集、前回に引き続き、小野賢章(ハサウェイ・ノア役)と、上田麗奈(ギギ・アンダルシア役)の対談をお届けする。第2章で印象に残ったシーンや、キャラクターや物語を読み解くうえで注目してほしいセリフなどを語ってもらった。

取材・文/森 樹

※本記事には物語の核心に触れる部分がございますので、ご注意ください。

シビアな戦場の中でむき出しになるハサウェイとギギの本心

――『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』では、マフティーのメンバーやオエンベリ軍をはじめ、多数の新キャラクターが登場します。第2章で気になったキャラクターはいますか?
上田 新キャラクターでいえば、マフティーに所属するツインテールのギャルっぽい女性パイロット――ハーラ・モーリーでしょうか。でも、彼女は登場してすぐに物語から姿を消してしまう。しかも、特に明確に攻撃されるシーンもないのが、シビアな戦場であることを際立てていると思いました。少しだけ見えたメッサーの胸部を見て「ハーラの機体だ」とつぶやくハサウェイのシーンは本当に怖かったです。そもそも『閃光のハサウェイ』では戦闘シーンも実写のようにリアルに描かれていて、よりそれが生々しく映りますよね。

――画面からあふれるリアリティが、そのあっけなさを強調していますね。
上田 普通に可愛らしいな、とこちらが気にかけていたキャラクターが、いとも簡単にやられてしまう。そんな場所にマフティーのメンバーたちはいるんだという事実を、彼女を通して突き付けられたように思います。
小野 第1章から登場していますが、レーン・エイムに関しては、ハサウェイも運命的な何かを感じていると思います。間を空けずに連続で戦っているので、彼の成長や進化みたいなものはそこまで感じていないと思いますが、今回レーンが乗っている機体を通して、ハサウェイの精神面を襲うことになるので。

――レーンとの戦闘中に、ハサウェイの精神面が侵されていくシーンですね。
小野 機体を通じてですけど、ハサウェイの精神面に異常をきたすだけの力が、レーンにはあるのかもしれません。
上田 ……たしか第1章で、ハサウェイがレーンに接触したシーンがあるじゃないですか。彼の青臭さや生真面目さを感じてか、ハサウェイが「あれは昔の俺だものな……」とケネスに言っていましたよね。だから、余計にフラッシュバックしたんじゃないですかね?
小野 なるほど。鋭いなぁ!(笑) 本当にそうだと思います。さすがギギを演じているだけあって、察しが良いですね(笑)。

ギギとハサウェイだけでなく、ギギとケネスの会話にも注目してほしい

――ギギについては、ケネスに帯同していたメイス・フラゥワーを煽って追い返すシーンが印象的でした。彼女の独占欲が現れたようなシーンでしたが、どのように演じましたか?
上田 私は、ケネスへの恋愛感情や独占欲というよりも、軍人としての姿をもっと見たかったのかなと思い、演じました。今後伸び伸びやっていくためには、メイスがそばにいるとケネスの妨げになるかもしれない。だから、女性としてのライバル心よりも、ケネスの軍人としての将来を考えたときに、今ここにいるべき女性じゃない、という気持ちが出たのかなと思います。

――なるほど。
上田 ふたりでやり合っているところは、女性として負けたくないという気持ちももちろんあって、ギギも背伸びしていますね。相手は大人だし、圧(お)されている感覚もあるのですが、脚を組み直して虚勢を張る。そして最終的には逆転の言葉を浴びせる。第1章の頃のギギを彷彿とさせるやり取りだったかなと思います。

――少し怖いシーンではありました。
上田 そうですね。プライドとプライドがぶつかり合うような。
小野 いや、自分があの場にいたらと思うと……(笑)。
上田 同じ部屋にいた秘書の女性もすごく気まずそうでしたから。

――さて、残るは第3章となります。
小野 第2章のラストが青春映画のように爽やかなので……このあとにどのような結末が待っているのか、期待よりも怖さがありますね。
上田 ハサウェイにとっては、最後の眩しい時間になるかもしれません。

――第3章に向けて、あらためて『閃光のハサウェイ キルケーの魔女』を見返す際のヒントや注目してほしい点を教えていただければと思います。
小野 第1章のときと同じく、すごく考察し甲斐がある作品です。小説だと文字で表現することができますが、映像だと表情やちょっとしたセリフ、振る舞いで表現されているので、そこは1回目よりも2回目、2回目よりも3回目と細かく見ていただけるポイントかなと思います。そうすると、ハサウェイという人物が肉欲に飲み込まれてしまっていることに気づくと思います。ことあるごとに男女の仲を気にしているのが表情でもわかりますし、見てもらいたい部分ですね。
上田 ハサウェイとギギの関係に注目しながら見ていただいた方が多いと思うのですが、ギギとケネスの会話も注目してほしいです。たとえば、ふたりがニュータイプについて語るくだりです。ケネスがニュータイプについて言及する中で「大佐は宗教家なんだね」とギギが告げる。どこかギギは、ニュータイプはすごく遠いものだと感じているようにも見えました。このケネスとギギの会話を、みなさんもぜひ考察してほしいです。――そうやって『閃光のハサウェイ キルケーの魔女』を読み解いていくことで、あとに控える第3章で答え合わせができるかもしれませんね。
上田 たしかにそうですね。
小野 そうなればうれしいです。endmark

小野賢章
おのけんしょう 声優、俳優、ナレーター。アニモプロデュース所属。代表作は映画『ハリー・ポッター』ハリー・ポッター役吹き替え、『黄泉のツガイ』ユル役、『黒子のバスケ』黒子テツヤ役、『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』ジョルノ・ジョバァーナ役、ほか。
上田麗奈
うえだれいな 声優、歌手、ナレーター。81プロデュース所属。代表作は『SSSS.GRIDMAN』新条アカネ役、『鬼滅の刃』栗花落カナヲ役、『アイドルマスター ミリオンライブ!』高坂海美役、『アオのハコ』(鹿野千夏)、『チェンソーマン レゼ篇』レゼ役、ほか。
作品情報


『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』
全国劇場にて絶賛上映中!

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