TOPICS 2021.10.12 │ 12:00

川崎競馬がPRアニメを製作
気鋭のアニメーション作家・谷耀介監督インタビュー①

川崎競馬場のPR作品として公開された短編アニメーション『二人の“馬の日”』。30秒あまりの時間で、ふたりの女性とその関係性をグラフィカルに描き出す映像を手がけたのは、気鋭のアニメーション作家・谷耀介監督だ。前編では本作の制作模様とキャラクター演出について聞いた。

取材・文/日詰明嘉

「女性のふたり暮らし」が制作の出発点

川崎競馬PRアニメーション『二人の”馬の日”』

――今回、川崎競馬場のPRアニメを制作するにあたり、どのような経緯でオファーが来たのでしょうか?
 以前、『横浜市営交通100年物語』というCM映像を制作したのですが、それを見てくださった神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙「タウンニュース」さんに声をかけてもらいました。「タウンニュース」さんがエージェントとして立ってくださって、2021年の春頃に川崎競馬場さんにプレゼンをして、制作が決定しました。

『横浜市営交通100年物語』

――アニメを制作するにあたり、クライアントの川崎競馬場からはどのような要望がありましたか?
 オーダーとしては大きく3点あって「競馬場がどういう場所なのかを知ってもらいたい」「声優をふたり登場させたい」、そして「コロナ禍にあっておうちで競馬を楽しめるもの」ということで、それ以外はほぼまかせていただけました。そこで登場人物ふたりの「出会い」と「その後」を織り交ぜ、川崎競馬場ならではの雰囲気を出すことを意識してコンセプトを立てました。

――制作はどのように進めていきましたか?
 まずキャラクター作りから入っていきました。声優として上田瞳(フォトグラファー役)さんと前田佳織里(ストリーマー役)さんが決まり、おふたりが友達ということで仲の良い雰囲気でしたので、そこから「キャラクターふたりが一緒に暮らしている」というシチュエーションが思い浮かびました。また、日頃から僕の周りにいる女性からは力強さを感じることがあったので、そのあたりが結びついてこのかたちになりました。

――登場人物のひとりがストリーマー(映像配信者)という設定は、とても現代的だなと感じました。
 これはふたりが一緒に暮らしている、という設定ができた段階で思いつきました。僕自身、作業するときに音楽やゲーム配信を流していたりするので。配信者の方々の部屋にはぬいぐるみが置いてあることも多いので、映像では背景に馬のぬいぐるみを置いています。ここは今回の作品とうまくマッチさせることができたなと思います(笑)。

――もうひとりの登場人物であるフォトグラファーは、どのような女性なのでしょうか?
 フリーランスとして活動している設定ですが、フリーランスで暮らしていくというのは、正直大変だと思うんです。ストリーマーの子は誰とでも仲良くなって、きっと何をしてもがんばれるけれども、フォトグラファーの子は真面目で少し疲れやすいタイプ……と、ふたりのギャップを考えながら組み立てました。

作品情報

川崎競馬PRアニメーション 『二人の“馬の日”』
川崎競馬特設ページ「FAN!FUN!KAWASAKI KEIBA」内で公開中!

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