トキとヒカルの名前の呼びかけはすべて生かした
――でも、写真の中にダイブしているときのトキには、そんなヒカルしか頼れる人がいないんですよね。
黒﨑 ふたりのバディとしての関係性のエモいポイントですよね。話が翻訳の話題に戻ってしまうんですけど、中国では人の名前を呼ぶことが挨拶でもあるという話を聞いて、中国版でモブも含めて全体的にキャラクターたちがお互いの名前をやたら呼び合っていたことを思い出しました。日本のアニメでは「名前を呼ぶ」ことは強調や、強い意味のある行動として演出しがちなので、大方のセリフは翻訳の際に変えてもらったりしたのですが、トキとヒカルの呼びかけだけは全部生かすべきだと思って残していただきました。彼らの場合は互いの名前を呼び合うことでダイブ中のリンクがつながるということもあり、日常の単なる挨拶ではない、ふたりをつなぐ糸になっているんだろうなと。
――いわれてみるとお互いの名前を口にする場面が多いですね。
黒﨑 キャラクター同士が名前を呼び合うのって気恥ずかしくて敬遠しがちなんですけど、ダイブしている間のトキにはヒカルしか寄る辺(よるべ)がないというのがうまく表現されている設定だと思います。精神的なつながりを目に見える形でうまく落とし込んでいるなと。ふたりの関係性のエモさは、めちゃくちゃ名前を呼び合うところで感じていただければ(笑)。
第1話に散りばめられた謎
――キャラクターの話でいうと、リン/喬苓(チャオ・リン)(以下、リン)についてもまだ描かれていない部分が多くて気になっています。トキの回想シーンにも登場していましたよね?
黒﨑 リンはヒカルとトキの大学の同級生で、トキとは幼なじみです。ただ、それだけじゃないかも……?とだけ言っておきます。最後まで見ていただければ、リンがいる理由や意味がわかると思いますので、ぜひ後半のストーリーに注目していただければ!
――第5話はヒカルとトキの仲違いや刑事の登場など、とても気になるところでストーリーが終わっていますが、この先の展開で注目してほしいポイントはありますか?
黒﨑 先ではないのですが、意外と第1話がめちゃくちゃ重要です! 繰り広げられるドラマを「え、なんで!?」と驚きながら見ていくのも面白いんですけど、きっと皆さんはお話を見ていくうちに自分でも推理したくなると思いますので、第5話まで見ていただいた方は配信などで第1話を見返していただくと良いかと思います。
――第1話はさり気なく謎がいっぱい残されていますよね。
黒﨑 第1話の金髪の男と出会ったあとのエマがどうなっていたのか、とかですよね。私も最初に第4話まで見たときは、エマは第1話限りのキャラクターだと思っていました(笑)。エマと雀徳(チュエダー)ゲームが意外とカギになっていますので、それをヒントにぜひこの先の展開も注目して楽しんでいただければと思います。
- 黒﨑静佳
- くろさきしずか アニプレックス所属。『Fate』関連作品や『活撃 刀剣乱舞』など女性人気の高い作品のプロデュースを数多く手がける。