――第2期では小岩井吉乃が、かつて政宗に「豚足」というあだ名を付けた張本人と明かされます。その展開を知ったときは、どう思いましたか？
大橋　吉乃の「豚足」というひと言によって、政宗と愛姫、そして吉乃自身の人生も大きく変わってしまったので、すごい出来事だと思いました。でも、あれがなかったら、政宗はぽっちゃり体型のままだったかもしれないし、よかった面もあると思うんですけど、3人の関係がこじれてしまったきっかけにもなったので複雑ですね。じつは第1期のときから「豚足」と言っているシーンは水瀬（いのり）さんが演じているんです。水瀬さんが私の声を真似られていたんですけど、鋭い方ならよく聞けばわかったかもしれませんね。

――藤ノ宮寧子（ふじのみやねこ）も、まだ政宗のことをあきらめていないことが明らかになります。
大橋　登場した当初はウソが多い人なので、やっぱり怖いし、敵に回したくないなという印象でしたね。でも、第2期では、いつも大事なところに現れて、政宗の背中を押してくれる頼もしい存在になったと思います。愛姫とぶつかる場面も出てきますけど、結局は愛姫が動くきっかけになるので、私としては「ありがとうございます」という気持ちです。この作品は、最初の印象が悪くてもそのあと「いい人だな」と思える人が多いので、そこが面白いと思います。

――そういう意味だと雅宗兼次（がそうかねつぐ）も、女性だとバレてからだいぶ印象が違いますね。
大橋　雅宗もウソをついて愛姫に近づく人なので、最初は「悪役なのかな？」と思ったんですけど、お金を欲しがる理由が妹の入院費のためだとわかったあとは、やっぱり見る目が変わりました。第4話のデートシーンもいい感じでしたし、なんだかんだで愛姫の話も聞いてくれるので「雅宗と付き合っちゃってもいいんだぞ」って思えますね（笑）。でも、雅宗と愛姫のやりとりは、愛姫が付き合う相手を見た目とかじゃなく、心で選んでいるんだなとわかる、いいエピソードだったと思います。

――大橋さんは第1期からヒロイン役だけではなく、オープニング主題歌も担当しています。本作の主題歌「Please, please!」について、まず、楽曲の印象を教えてください。
大橋　今回は第1期の主題歌「ワガママMIRROR HEART」とは違うクリエイターの方に制作をお願いしたんですけど、構成など前作を連想できる要素が散りばめられていて、バトンが受け継がれている楽曲という印象でした。「ワガママMIRROR HEART」は素直になりきれない愛姫をイメージしていましたけど、「Please, please!」は自分の気持ちを正面からぶつけてやるぞ、という愛姫の意志を感じる曲ですね。第2期は愛姫の「デレ要素」が強いので、愛姫のかわいさをイメージしながら歌わせてもらいました。ジャケットのイラストがあまりにもかわいかったので、その方向に舵を切って正解だったなと思います。

――とくに好きなフレーズはありますか？
大橋　タイトルが「Please, please!」だから、サビ頭の「一生のお願い」のところは力強く歌ったので、そこに思い入れがありますね。「どうしてくれるの？」という歌詞も愛姫っぽいなと思いました。愛姫の政宗に対する気持ちを歌っている曲ですけど、作品から切り離してもメッセージ性の強い曲だと思うので、ぜひ恋に悩んでいる人に聞いてほしいです。

――その楽曲に乗せたオープニングアニメを見たときは、どのように感じましたか？
大橋　後半の展開を示唆するようなカットが散りばめられていて、ワクワクするアニメーションだと思いました。全体的には明るいけれど、ところどころシリアスな場面も入っていて、視聴者さんにもそんなワクワクが伝わる感じになっていると思います。個人的には、夕暮れに愛姫と吉乃が手を重ねているカットがお気に入りです。ネタバレなので詳しくは言えませんけど、私が第2期のアフレコをしていていちばん好きなったシーンにつながるカットなので、何が起こるか注目しながら見てほしいです。

――中盤以降の見どころは？
大橋　愛姫と吉乃のシーンもそうですけど、全体的に切なくて泣けるシーンがいっぱいあります。愛姫と政宗、そして吉乃はさらに複雑な人間模様を描いていきますが、それがすごく面白いので、ぜひ楽しみにしてほしいです。じつはアフレコはかなり前に終わっていまして、私は「こんなことがあったな」と懐かしみながらオンエアを楽しんでいます。個人的には最終話のとあるシーンを楽しみにしておりまして……！　皆さんもぜひドキドキしながら、愛姫たちの恋の行方を見守ってください！

――では、最後に『政宗くんのリベンジ』ファンの皆さんにメッセージをお願いします。
大橋　約6年ぶりに第2期が実現し、本当にうれしいです！　皆さんの応援があったからこそ実現したと思うので「ありがとうございます」という気持ちでいっぱいです。皆さんの思いが詰まった『政宗くんのリベンジR』、このインタビューが公開される頃には中盤に差し掛かっていると思いますが、そこから後半はさらにすごいことになりますので、ぜひ手に汗握りながら見てください！