音響作業は、大人から子供まで見ていることを意識した
――原作を読んだときの第一印象と、面白いと思ったところを教えてください。
本山 「なんでも筋肉とか気合いで片付けるってすごいなぁ」と思いました(笑)。アニメだと第2話に該当するエピソードで、魔法で動いている文字を気合いで綺麗に並ばせるのを見て、「いやーなんでー!?」と笑っちゃいましたね。意思もないであろう文字が、なんで察して綺麗に並ぶんだろうって。あとはさりげなく、ありえない描写があるのも面白いです。空気椅子しながら本を読むとか、広場で木を持って隠れているつもりのブラッドとレグロとか。
――音響監督として、収録で意識した点やこだわった点を教えてください。
本山 大人から子供まで見ていることを想定しながら、なるべくわかりやすく見られるようにと思って作業しています。キャスティングにおいても、キャラクターの特徴をわかりやすく演じていただける方を意識しますし、収録では、いろいろな方の好みもあるとは思いますが、大多数に笑いをもたらせるように気をつけています。とはいえ、作品的には大爆笑というより、クスッと笑わせるのが正解だと思うので、加減が難しいところではありますが……。
――本編中で、とくに面白かった、あるいは印象に残ったセリフはありますか?
本山 第6話でマッシュが「七魔牙(マギア・ルプス)……僕も12歳くらいのとき、そういう設定考えてた」ってセリフは面白いなと思いました。マッシュが12歳のときに「俺の右腕がー」っと全力で叫んでいたら……と想像したら、なんか笑っちゃいましたね。キャラクター的には全力で叫んだりしないと思いますが、つい想像しちゃいました(笑)。あと、第10話でレインが「ケイソクモもアイデンティティを失い、語尾にクモをつけることを忘れてる」と言っていたところも面白かったですね。レインのキャラクター的にあまり崩せないので、このセリフを真面目に言っているギャップが素敵でした。
ギャグとバトルが交錯するシーンには悩みどころも
――これまでに関わってきた作品と比較して、本作が特徴的だと感じる部分はありますか?
本山 個人的には特徴というより苦労するところなのですが、状況的にはギャグシーンでも、キャラクターたちは真面目に戦闘中、みたいなギャップ感ですね。たとえば、第7話のランスとアンサーの戦いとか。そういうシーンは今まで携わってきた作品にはあまりなかったように思います。ちなみに、どこが苦労するかというと、BGMの曲調をどちらに合わせたほうがいいか、毎回悩んでしまいます(苦笑)。
――担当した作業以外の部分で、印象的だったシーンはありますか?
本山 先の質問でも挙げた、ランスがアンサーと戦っているシーンにフクロウが出てくるのですが、映像上でオス・メスが描き分けられていることを知って、びっくりしました。眉が違うのはなんとなくわかっていたのですが、まさか性別の違いとは……。絵を描く方々はこういうところまでこだわっているんだなぁ、と収録中ながら感心してしまいした。
――最後に、筋トレや筋肉に関する思い出はありますか?
本山 ここ2年ほど、ほぼ毎日1分間くらいのスクワットをしています(笑)。本当は、体力が落ちないように、1日15分くらいはやろうと思っているんですけどね……。筋肉がつくことはないでしょうが、ちょっとでも動かすことが大事かと! 1分とはいえ、続いているのは我ながら褒めてあげてもいいと思います!! でも、腹筋10回くらいはできるようになりたいなぁ……。
- 本山哲
- もとやまさとし 1977年生まれ。愛知県出身。アドエレメント所属。主な参加作品は『戦姫絶唱シンフォギア』シリーズ、『魔法科高校の劣等生』シリーズ、『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』シリーズなど。
『マッシュル-MASHLE-』
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