TOPICS 2022.12.09 │ 12:00

めくるめく恋物語と宮廷陰謀劇『虫かぶり姫』特集① クリストファー役・木村良平インタビュー

10月から放送がスタートしたTVアニメ『虫かぶり姫』が、いよいよ佳境に突入。主要男性キャラクターを演じる4人の声優陣に、それぞれの視点から見た作品やキャラクターの魅力を語ってもらった。第1回は、クリストファー・セルカーク・アッシェラルド役の木村良平へのインタビューをお届けする。

取材・文/福西輝明

※本記事には物語の核心に触れる部分がございますので、ご注意ください。

『虫かぶり姫』から伝わる「安心感」

――コミカライズやアニメの脚本を通して『虫かぶり姫』に触れた第一印象はどのようなものでしたか?
木村 作風が『虫かぶり姫』というタイトルから僕が連想したものと大きく違っていたので、最初は驚きました。でも、そこからは先入観がなくなって作品に触れることができたので、自然に楽しめました。そして、本作に触れていて感じるのは「安心感」かもしれません。どんなに大変なことが起こっても、クリス(クリストファー)やエリアーナ、そして仲間たちの力で解決できる。乗り越えられる。そんな信頼を持ちながら楽しむことができる作品で、物語に優しさを感じます。エリアーナとクリスの恋物語として始まりますが、世界観やキャラクターたちの立場を活かして、国家を巡るサスペンスドラマのような一面が描かれるのはとても面白いポイントだと思います。そしてそれがドロドロしすぎず、ある種時代劇のように気持ちよく解決していくのは、とても爽快です。

――本作の主人公であるエリアーナのどんなところに魅力を感じますか?
木村 頑固で変わり者というだけでなく、その性格や才能を自分の能力として発揮することができるように成長していくところがいちばんの魅力です。あとはもう本人のかわいさですよ。最強です。

――木村さんが演じているクリスの人物像について、どのようにとらえていますか?
木村 クリスはすべてを持っているかのような完璧人間でありながら、大好きなエリアーナのこととなると、どこか抜けていたり、必死になりすぎてうまくやれなかったりする。そのギャップがずるいですよね。ただ、そのようないい男に成長するいちばんのきっかけを与えてくれたのもエリアーナだと思うので、当然かもしれません。

――他の男性キャラクターの印象も教えてください。
木村 まずアレクセイは、厳しいところがありますが、そこに頼もしさも感じる男です。男性キャラクターとしては珍しく、エリアーナにちょっと冷たい態度をとるのですが、そんなところもなかなか好きです。グレンはそこにいてくれるだけで、空気がやわらぐような存在です。実際に側にいてくれたら本当にありがたい才能だなと思います。グレン役の(内田)雄馬がまさにそうですね。テオドールはクリスにとって、もっとも身近な恋のライバル……なのかな? 彼がそのように振る舞ってくれるおかげで、クリスの面白い表情を見ることができます。

キャスト陣もにやけるエリアーナとクリスの甘い関係

――エリアーナとクリスの心の距離が少しずつ近づいていくのが本作の大きな見どころですが、ふたりの関係性を描いた印象深いシーンは?
木村 第2話で、クリスからのプレゼントをエリアーナが突き返すシーンです。クリスが子爵令嬢のアイリーンと仲よさそうに話しているのを見てしまったエリアーナがショックを受けてしまうのですが、クリスへの想いを自覚したエリアーナのせつない表情を見られたことがうれしくて。物語のかなり序盤ですが、深く印象に残っています。恋する人たちの心が垣間見えるのは、こちらもドキドキしたり、にやけてしまったりして楽しいですよね。

――では、物語の展開でとくにグッときたのはどのシーンでしょうか?
木村 これも第2話になりますが、エリアーナがアイリーンの策略で「自分を階段から突き落とした」と濡れ衣を着せられてからの一連の流れです。そこからの鮮やかな逆転劇はお約束という感じでもあるし、読者と視聴者の期待通りではあるのですが、そのときの「これが見たかったんだよ……!」という身のうちからあふれる喜びがたまらなく快感でした。

――これまでの収録でとくに印象に残っていることは?
木村 コロナ対策のためスタジオ内の人数が制限されていたので、グレン役の雄馬が別室でひとりぼっちで寂しそうに収録していたのが、傍から見ていて楽しかったです(笑)。あと、一緒に収録することができたキャストのみんなが、クリスとエリアーナのイチャイチャを見て口元をゆるめてしまうのも、そしてそんなシーンの芝居でふとした瞬間に油断して照れてしまうエリアーナ役の上田(麗奈)さんも面白かったです。

――物語終盤の見どころや注目ポイントについて教えてください。
木村 『虫かぶり姫』の物語は皆さんをニヤリとさせてくれるし、キャラクターたちにはさまざまな困難を乗り越える力があります。どうぞ安心して、ムカついたりハラハラしたりしてください。最後にはきっと良い気分になれるはずです。endmark

木村良平
きむらりょうへい 7月30日生まれ。東京都出身。劇団ひまわり所属。主な出演作は『ULTRAMAN』(早田進次郎役)『魔入りました!入間くん』シリーズ(アスモデウス・アリス役)、など。
作品情報

TVアニメ『虫かぶり姫』
好評放送・配信中

▼放送情報
AT-X  毎週木曜日21時00分~
   【リピート放送】毎週月曜日9時00分~/毎週水曜日15時00分~ 
TOKYO MX  毎週木曜日23時30分~
関西テレビ  毎週木曜日26時55分~
BS日テレ  毎週木曜日24時30分~

dアニメストア 毎週木曜 23:30~
その他サイトにて順次配信中!
※放送・配信情報は変更となる可能性がございます

▼STAFF
原作:由唯(一迅社アイリスNEO/一迅社刊)
キャラクター原案:椎名咲月、喜久田ゆい
監督:岩﨑太郎
シリーズ構成:広田光毅
キャラクターデザイン:高橋瑞香
アニメーション制作:マッドハウス
OPテーマ:「Prologue」井口裕香
EDテーマ:「革表紙」伊東歌詞太郎

▼CAST
エリアーナ・ベルンシュタイン:上田麗奈
クリストファー・セルカーク・アッシェラルド:木村良平
アレクセイ・シュトラッサー:内山昂輝
グレン・アイゼナッハ:内田雄馬
テオドール・ウォーレン・アッシェラルド:羽多野渉
アラン・フェラーレ:佐藤元
アーヴィン・オランザ:阿座上洋平
アルフレッド・ベルンシュタイン:島﨑信長
ジャン:八代拓

▼Blu-ray&DVD
<第1巻>
発売日:23年1月25日 収録話数:第1話~第4話
Blu-ray
品番:ZMXZ-16181/価格:14,300円(税込)
DVD
品番:ZMBZ-16191/価格:12,100円(税込)
▼初回生産特典
・特製アウターケース ・キャラクターデザイン・高橋瑞香描き下ろしデジパック
・特製ブックレット(原作・由唯書き下ろし小説掲載)
▼毎回特典
・ノンクレジットOP、ED ・キャスト特典映像
<第2巻>
発売日:23年2月22日 
<第3巻>
発売日:23年3月24日 

  • ©由唯・一迅社/虫かぶり姫製作委員会