TOPICS 2022.12.12 │ 12:00

めくるめく恋物語と宮廷陰謀劇『虫かぶり姫』特集② アレクセイ役・内山昂輝インタビュー

TVアニメ『虫かぶり姫』の主要男性キャラクターを演じる4人の声優陣に、それぞれの視点から見た作品やキャラクターの魅力を語ってもらう連載企画。第2回は、アレクセイ・シュトラッサー役の内山昂輝へのインタビューをお届けする。

取材・文/福西輝明

※本記事には物語の核心に触れる部分がございますので、ご注意ください。

今も昔も変わらない「人の感情の流れ」

――コミカライズやアニメの脚本を通して『虫かぶり姫』に触れた感想は?
内山 まずは『虫かぶり姫』というタイトルのインパクトが大きかったです。最初は「さまざまな虫たちとエリアーナの触れ合いを描くストーリーなのかな」と興味を持ちました。でも、実際に収録が始まると、アレクセイなど城内の人々に限らず、城の外の人々も含めていろいろなキャラクターたちとの交流があり、多彩なエピソードが描かれている、という印象が強くなりました。さらに物語が進んでいくと、私たちが生きている現実世界とは異なるルールで生きている人々の悩みを通して、自分たちが抱える悩みのことも考えるようになりましたね。関係ないといえば関係ないのに。そんなところが『虫かぶり姫』の物語が持つ力だと思います。実際の歴史について考えるときも同様で、人の気持ちの流れ自体は、今も昔も大枠としてはたいして変わらないのかもしれないと思わせてくれます。

――本作の主人公であるエリアーナのどんなところに魅力を感じますか?
内山 エリアーナは本が大好きな女性です。現代に生きる我々は、無数の情報に簡単にアクセスできるけれど、それを最大限に活かそうとはしていません。でも、エリアーナの人生にとっては、王宮書庫室にアクセスできるかどうかということが大問題になる。それほど読書を重んじているところが魅力的です。また、どちらかというと弱気に見えるけれど、じつは芯が強くて、しっかりとした意志を持っているところもいいですね。

――内山さんが演じているアレクセイの役作りはどのように進めましたか?
内山 アレクセイは冷静な性格で、自分の仕事をきっちりと進めたいタイプのキャラクターです。なので、まずは硬い話し方が似合うだろうと思いました。そして、彼は王子であるクリス(クリストファー)に対しても仕事の遅れをビシっと指摘して、すぐに働かせようとしますし、エリアーナに対しても暇そうだと見ると、どんどん仕事を振ってしまいます。そんな相手の立場に左右されない、意志の強さも意識しました。

――他の男性キャラクターの印象も教えてください。
内山 クリスは文字通り、王子様らしいキャラクターだと思います。仕事が遅れることもあるけれど、締めるところはしっかりと締めて話をまとめてくれる、この作品のヒーローとしての立ち位置ですね。グレンは温かい性格で好感の持てる人物です。テオドールはアレクセイよりは年上の世代ですが、まだまだ若々しく、気さくにみんなと交流してくれる大人な人物だと思います。

メールや電話がないからこそ燃え上がる思い

――エリアーナとクリスの関係性について、内山さんはどう感じますか?
内山 ふたりがお互いを思い合う様子がとても素敵だと思います。本作の世界では、情報を得る重要な手段が書物であり、コミュニケーションツールも現代とは違って限られています。でも、じつはそこが物語を盛り上げてくれる要素なのだと思います。メールどころか電話もなく、離れている間はリアルタイムで気持ちを伝えられない。だからこそ思いが募ったり、すれ違ったりする。そんなところが現代劇にない面白さなのではないでしょうか。

――第6話以降は、エリアーナとクリスの恋だけでなく、政治や側室問題にからむ「王宮ドラマ」としての色が濃くなりました。
内山 「王宮ドラマ」は現代の私たちの生活とは異なる事情やルールが複雑にからみ合って、本人たちの希望通りにならないところがかわいそうだと思いますし、せつないですけど、そういったところがドラマ全体を盛り上げてくれるのもまた事実だと思います。しかしながら、そこで揺れ動く人間の気持ちのメカニズムというものは、今も昔もあまり変わらないのかもしれません。

――物語終盤の見どころや注目ポイントについて教えてください。
内山 まずはやっぱり、エリアーナとクリスの運命がどうなるのかが大きな見どころになると思います。また、ふたりを見守るアレクセイをはじめとするお城の人々にも、引き続き注目していただきたいです。endmark

内山昂輝
うちやまこうき 8月16日生まれ。埼玉県出身。劇団ひまわり所属。主な出演作は『Buddy Daddies』(諏訪零役)、『ブルーロック』(糸師凛役)など。
作品情報

TVアニメ『虫かぶり姫』
好評放送・配信中

▼放送情報
AT-X  毎週木曜日21時00分~
   【リピート放送】毎週月曜日9時00分~/毎週水曜日15時00分~ 
TOKYO MX  毎週木曜日23時30分~
関西テレビ  毎週木曜日26時55分~
BS日テレ  毎週木曜日24時30分~

dアニメストア 毎週木曜 23:30~
その他サイトにて順次配信中!
※放送・配信情報は変更となる可能性がございます

▼STAFF
原作:由唯(一迅社アイリスNEO/一迅社刊)
キャラクター原案:椎名咲月、喜久田ゆい
監督:岩﨑太郎
シリーズ構成:広田光毅
キャラクターデザイン:高橋瑞香
アニメーション制作:マッドハウス
OPテーマ:「Prologue」井口裕香
EDテーマ:「革表紙」伊東歌詞太郎

▼CAST
エリアーナ・ベルンシュタイン:上田麗奈
クリストファー・セルカーク・アッシェラルド:木村良平
アレクセイ・シュトラッサー:内山昂輝
グレン・アイゼナッハ:内田雄馬
テオドール・ウォーレン・アッシェラルド:羽多野渉
アラン・フェラーレ:佐藤元
アーヴィン・オランザ:阿座上洋平
アルフレッド・ベルンシュタイン:島﨑信長
ジャン:八代拓

▼Blu-ray&DVD
<第1巻>
発売日:23年1月25日 収録話数:第1話~第4話
Blu-ray
品番:ZMXZ-16181/価格:14,300円(税込)
DVD
品番:ZMBZ-16191/価格:12,100円(税込)
▼初回生産特典
・特製アウターケース ・キャラクターデザイン・高橋瑞香描き下ろしデジパック
・特製ブックレット(原作・由唯書き下ろし小説掲載)
▼毎回特典
・ノンクレジットOP、ED ・キャスト特典映像
<第2巻>
発売日:23年2月22日 
<第3巻>
発売日:23年3月24日 

  • ©由唯・一迅社/虫かぶり姫製作委員会