世界観
・シビュラシステム
100年後の未来、人間は自らの心理や精神状態を計測することに成功した。人々はその数値を基に最適化された人生を送ろうと、巨大なシステムを作り上げた。それが<シビュラシステム>である。システムが下した最適な判断にあわせて人々は未来を決め、運命を委ね、命の行く末を定める。完璧とされた福利支援システムであり、「成しうる者が為すべきを為す。これこそシビュラが人類にもたらした恩寵である」がスローガンに掲げられた。シビュラに従うか否かは個人の判断とされるものの、葛藤なしに職業、結婚相手などを定められるその安楽さから、人々はシステムを信用し、吸い寄せられるように人生を委ねていった。
・サイコパス
巨大監視ネットワーク〈シビュラシステム〉に管理された世界では、街頭スキャナーや定期検診により、人々の脳波、脈拍、あらゆる生体反応が測定され、心理状態や性格の傾向が数値化されている。あらゆる心理傾向がすべて記録・管理される中、個人の魂の判定基準となったこの計測値を人々は「サイコパス(PSYCHO-PASS)」の俗称で呼び習わした。
・厚生省公安局
厚生省のもとで治安を所管する組織が公安局である。<シビュラシステム>の職業適性が極めて優れているものが厚生省公安局に入局でき、監視官になることができる。彼らは<シビュラシステム>が選抜した、潜在犯でありながら刑事の適性を見出された執行官を率いて、システムの届かない「現場」へ向かう。そして<シビュラシステム>の代行者として、潜在犯と向き合うのである。
・ドミネーター
正義を下す女神の目――厚生省公安局の監視官と執行官に与えられる銃器が「携帯型心理診断・鎮圧執行システム<ドミネーター>である。<ドミネーター>はオンラインでシビュラシステムと直接接続することで、狙いを定めた相手の犯罪係数をサイマティックスキャンで解析。対象の犯罪係数が規定値を超えていると自動的にセーフティを解除、相手の数値にあわせて攻撃力を選択・変更するシステムが実装されている。
・外務省海外調整局行動課
日本国外に捜査範囲が及ぶ犯罪の捜査や取り締まりを担当する組織。公安局刑事課とは違いドミネーターは所持せず、拳銃や狙撃銃、手榴弾などの通常武器を扱う。TVアニメ3期では、花城フレデリカを課長として狡噛慎也(こうがみしんや)、宜野座伸元(ぎのざのぶちか)、須郷徹平(すごうてっぺい)といった元刑事課の面々が揃っているが、今作時点ではフレデリカと狡噛のみが所属。海外で暗躍する組織<ピースブレイカー>を追っている。
キーパーソン
・狡噛慎也(こうがみしんや)と常守朱(つねもりあかね)
シリーズ開始時点では公安局刑事課の執行官と新任監視官という関係だった。立場の違いはあれど、刑事として先輩である狡噛は、新人で経験不足な常守をフォローし、お互いに信頼関係を築いていた。しかし、その後、狡噛が公安局を去り、ともに事件を捜査することはなくなった。それだけに今回の劇場版ではふたりがどんな立ち回りを見せるのか、ファンにとっては大注目だ。
・雑賀譲二(さいがじょうじ)
「世捨て人」を自称し、山奥で生活していた臨床心理学が専門の元大学教授。かつては公安局の刑事に向けた犯罪心理学の特別講義を行っていた。優れたプロファイリングスキルを持ち、その観察力や洞察力、分析力は狡噛や常守からの信頼も厚い。TVアニメ2期では、常守からの協力要請によって臨時分析官として活躍。その後は本人の希望もあり、再び隔離施設へと戻った。劇場版では彼のその後の動向が描かれている。
・慎導篤志(しんどうあつし)
TVアニメ3期の主人公・慎導灼(あらた)の父。厚生省大臣官房に所属する高級官僚だったが、2118年に炯・ミハイル・イグナトフの兄を殺害し、その後、自殺したと公表されている。劇場版では生前の篤志が登場し、TVアニメ3期から謎に包まれていた事件の真相が明かされることとなる。
キーワード
・ピースブレイカー
外務省行動課が追っている武装組織。劇場公開作品『PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR』ではジャックドー、ヴィクスンがピースブレイカーの残党・パスファインダーとして登場している