TOPICS 2023.07.24 │ 12:00

Cygames開発スタッフが明かす
『ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOP』誕生秘話①

今年4月から5月にかけて、全4話で配信されたWebアニメ『ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOP(以下、ROAD TO THE TOP)』。ナリタトップロード、アドマイヤベガ、テイエムオペラオーによるライバル対決を描き、多くのトレーナーを熱狂させた物語はどのように生まれたのか? Cygames開発スタッフのコンテンツディレクターとシナリオディレクターへのインタビューを、全3回にわたってお届けする。

取材・文/丸本大輔

TVアニメ第2期の直後から次のアニメを作りたいと思っていた

――まず、『ウマ娘 プリティーダービー(以下、ウマ娘)』のプロジェクトや『ROAD TO THE TOP』において、どのような業務を担当しているのかを教えてください。
Cygamesコンテンツディレクター(以下、コンテンツD) 『ウマ娘』のコンテンツディレクターとして、ゲームの開発や運用に加えて、アニメ、コミックなどのクロスメディアの企画、制作、監修などを行っています。
Cygamesシナリオディレクター(以下、シナリオD) ゲームではシナリオ全般の最終監修をしつつ、「各ウマ娘の育成ストーリー」や「メインストーリー」など長編系シナリオのテーマやプロットの作成、新キャラや世界観の設定などを行っています。クロスメディアではTVアニメ第2期(『ウマ娘 プリティーダービー Season2』)からシリーズ構成を担当し、舞台やコミカライズでもストーリー原案を出させていただいています。

――『ROAD TO THE TOP』の企画は、いつ頃からスタートしたのでしょうか? TVシリーズやゲームの大ヒット以前からアイデアとしてはあった企画なのでしょうか?
コンテンツD まず、ナリタトップロードは『ウマ娘』のプロジェクトが動き出した初期から登場させたいと思っていて、ゲームの開発期から制作していたキャラクターでした。一方で、TVアニメ第2期のヒットを受けて、プロデューサーやシナリオディレクター、メディア統括の者たちと「アニメでもっと多くのウマ娘たちが活躍する物語を描きたい、次のアニメシリーズも作りたい」とはつねづね語っておりました。そんな中、CygamesPicturesと新たにアニメを制作しないかというお話が立ち上がりまして、渡りに船だと思い、私のほうでワーっと企画書を作成して始動しました。時期的には、ゲームのHalf Anniversary後の2021年9月頃ですね。ただ、現場のアニメーション制作が本格化したのは、スタッフィングや制作ラインなどの事情もあり、2022年の中頃からです。

シナリオD 同じくらいのタイミングで舞台やコミカライズなど、さまざまなクロスメディアの話も動き出して、それぞれの媒体の特性を考えたうえで「この媒体ではこれをテーマにするのが面白いから、この世代のこのメンバーで」といった感じで媒体とテーマを軸に割り振りをいろいろと考えていました。

ライバルとして立っている3強で群像劇を描きたかった

――『ROAD TO THE TOP』でナリタトップロード、アドマイヤベガ、テイエムオペラオーの物語を描くことになった理由や経緯を教えてください。
コンテンツD 個人的には99年クラシック世代(現実の競馬で1999年に3歳だった世代)、とくにナリタトップロードは大好きで、ゲームのリリース前からずっと描きたいなと思っていたことが主な理由のひとつです。一方で、配信アニメとして全4話でやること、今までアニメで描けていない世代であること、ファンにとってもなじみがありつつ、新しめなキャラクターも登場することなど、さまざまな要素を考慮しながらシナリオディレクターと相談して「99年世代でいこう!」と決めました。

シナリオD 全4話尺ということで、漠然と(皐月賞、日本ダービー、菊花賞の)クラシック3冠の話とは考えていました。あと、今回は群像劇っぽい描き方で方向性を探りたいということもあって、明確にライバルとして立っている3強の時代がいいかな、という考えも、シナリオディレクター的な観点からは持っていました。

皐月賞まで描き切るかが悩みどころだった第1話

――クラシック3冠レース+合宿回で全4話という構成は、実際のJRAの番組表を踏まえた構成なのかと思ったのですが、もともと全4話という枠組みがあって、その話数をうまく生かしたかたちだったのですね。
コンテンツD 答えとしては、その両方になるかなと思います。尺の長さについては、制作のスケジュールやスタッフィングの都合もあり、ある程度の目途は本制作の開始前からわかっているものなので、その中でぴったりとハマる物語のひとつが99年世代だったというところはあります。もちろん、配信アニメなので、1話あたりの尺を短くして全5話構成にすることなども可能ではあったんです。ですが、それらも考慮したうえで、全4話にして各ウマ娘がフォーカスされるエピソードを1話ずつ+合宿の群像劇を入れて、実際のクラシック3冠の構成にぴったり合うかたちにするのがベストという結論に至りました。なので、おっしゃる通りの構成的な狙いもありますね。

シナリオD 全4話構成はほぼほぼ決まっていたので、現実の競馬で菊花賞を勝ったナリタトップロードが主人公である以上、第4話をクライマックスである菊花賞にするのは確定。そのうえで、テンポ感を意識して第1話で皐月賞まで描いてしまうか、それともじっくりとキャラクター紹介からやるべきかは少し悩みました。結果として皐月賞までを描き、さらにキャラクター紹介もじっくりやるという力業の結論を出したのですが、これが実現できたのは、担当スタッフの絵コンテが素晴らしかったからだと思います。endmark

作品情報


『ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOP』
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