セガゲーってなんなの? セガユーザーって?
家庭用ゲーム機といえばファミコン、スーパーファミコン(任天堂)とされていた頃(1980-1990年代)、おじさんが異世界転生する前に青春の大半をともに過ごしたゲーム機が「メガドライブ」「セガサターン」です。これらを開発・販売していたゲームメーカーが、おじさんが大好きな「セガ」。のちに登場したPCエンジン(NEC)と三つ巴になりながら行われた家庭用ゲーム機のシェア争いが、いわゆる「ハード戦争」と呼ばれるものでした。プレイステーション(ソニー)の参戦はセガサターンの発売と同時期(1994年)で、2000年代前後はソニーかセガか?と国内シェアを二分していた時期もありました。
ゲームに熱中する2匹のサル(セガールとアンソニー)が、片方は途中退席し片方は遊び続ける……というサターンのTVCMを思わせるオープニングのワンカット。座り位置も、しっかり「セガール」側。アラサー世代には懐かしい。
セガハードがファンから愛される理由
メガドライブやセガサターンといったセガハードが、どうしておじさんのような熱烈なファンに愛されているのか――。それは、「玄人向け」の傾向が強く、マニアックな難易度・操作性・舞台設定のゲームが多いことだと思います。好きな人はとことん好き、けれどクセもめちゃくちゃ強い。そんなところが「俺(たち)はセガの良さをわかっている!」といった熱意あるファンを生んでいったと思うのです。少なくとも自分は、そういった想いでセガハードを応援していました。
「操作は複雑だけど、慣れてきたら面白い」「このつらい面を乗り越えたらすごく楽しくなる」といった、トライアル&エラーでゲームの腕を磨かないと先へ進めないといった無骨さ、硬派な内容もファンに支持される一因かもしれません。そういったゲームが本当に多いので、「遊び手を選ぶハード」と言われると「だよね……」となる。そんな間口の狭さ、アピール下手な不器用さも込みでセガが好き。そんなファンが多いのではないでしょうか。
「俺は周りに何を言われようともセガユーザーだった。これからもだ」
そんなゲーム遍歴を歩んできたおじさんだからこそ、第2話で人生相談にやってきたメイベルに自分(の好きなもの/こと)を貫く大切さを語るわけです。作中冒頭で、ハード戦争の結末を知ったおじさんが記憶の消去に走ったのも、そうした強い思い入れがあっての話だったわけです。
当時、他のゲーム機を差し置いてセガハードが好きという人は残念ながら少数派で、ファンとしては肩身が狭い思いをしていたのも事実です。第1話の「セガハードを選んだ人間が、そういった人生を歩めると思うなよ……」というおじさんのセリフは、それを踏まえた内容と察していただければ幸いです。今ほどインターネットが普及した時代ではなかったので、同じ志向を持ったゲーム仲間を探す手段も限られていました。
そんなファンたちの「交流の場」として盛り上がりを見せていたのが、ゲーム専門誌の読者ページでした。おじさんが第2話で語った「セガサターンソフト読者レース」もそのひとつで、その最終結果を見届けることが異世界で生き抜くモチベーションになっていたと作中でも語っていました。「読者レース」の歴史は古く、1991年4月号の「BEEP!メガドライブ」誌から始まり、後継誌の「セガサターンマガジン」から「ドリマガ(ゲーマガ)」へと20年以上も続いたゲームのランキングが載っている名物コーナーです。そのサターン読者レース最終結果までの全記録が掲載されている本が、おじさんが手にしていた『サターンのゲームは世界いちぃぃぃ!』でした。
ちなみに最終結果の第1位は、原作コミック第1巻でも触れられていた『EVE burst error』(最終オッズ:9.5014)になります。第2位は『グランディア』(最終オッズ:9.4847)。
なぜ『ガーディアンヒーローズ』が197位なの?
「高い革新性を持った横スクロールアクションゲーム」とおじさんが評するように、ファンの間でもいまだ語り草となっているのが、『ガーヒー』こと『ガーディアンヒーローズ』。それがなぜ197位という結果になったのか。じつはこれ、集計側からするとちゃんと納得できる理由があるんです。こちらについては、次回「ちょっとディープなセガゲームの世界」で触れてみたいと思います。