――ここからは琴子と九郎の関係性について聞いていきます。ふたりの関係について、Season2で変化したと感じるところはありますか？
鬼頭　第1期の最終話って、琴子と九郎が手をつなぎながら歩いて、けっこういい感じで終わったじゃないですか。だからSeason2ではすごく進展して、「もしかしたらラブラブカップルになっているのかな？」なんて思っていたんですけど、いつも通りケンカップルで安心しました（笑）。それでいて第1期の頃と比べるとどこかバディ感が濃くなっているなと感じる瞬間もちょこちょことあって、やっぱり少なからず変化はしているのかなというのは感じています。

――一応ふたりは恋人関係ですが、九郎はそれを否定することもあったりと、奇妙な関係性ですよね。
鬼頭　Season2の第1話では、琴子が九郎に対して「いかがわしいこともしてるでしょうが！」と言っていて、それに対しては九郎もとくに否定はしていなかったりもするんですよね。ということは、もうそういう関係になったのか、はたまた琴子の虚言なのか、そこは私にもよくわからないんですよ（笑）。

――まさに『虚構推理』らしい曖昧さですね。
鬼頭　そうなんです。琴子に関しては第1期からずっと九郎にアタックをし続けていて、そこにほとんど変化はないんですけど、九郎の琴子に対する言動が少しずつ変わってきているのかなと思います。いつもの通りのやれやれ感はありつつも、第1期の頃よりも琴子のことをしっかりと理解しているというか、何も言わずともしれっとサポートする感じは増していて、琴子への愛情が深まっている気がするんです。なので、私からすれば「なんやかんやで仲良いじゃん！」って（笑）。もちろん、今後ふたりの関係がどうなっていくのかはわかりませんけど、少なくとも現段階では安心して眺めていられるかなと思います。

――なるほど。現在は第4話までが放送され、雪女と室井という新しいカップルも登場しましたね。
鬼頭　素敵なカップルですよね。妖怪と人間が種族を超えてお互いを想いあうのは難しいことだと思いますけど、それが成立しているあのふたりを見ているととても微笑ましいです。そもそも琴子と九郎のカップルにしても、純粋な人間同士というわけでもないですから、そういう意味では琴子にとってはある種の理想形と言うか、うらやましい存在なのかもしれませんね。

――雪女は悠木碧さんが演じていますが、印象はいかがでしたか？
鬼頭　雪女は原作やマンガでもとても大好きなキャラクターだったので、それがアニメでも見られたことがすごくうれしかったです。悠木さんが演じる雪女は、最初に私が想像していたよりもちょっと大人っぽい雰囲気でした。でも、だからこそお茶目なセリフを呟いた際の可愛さがグッと際立っていて、これがめちゃめちゃいい塩梅なんですよね。思わず「さすが悠木さん！」って感動しちゃいましたね。

――第5話以降の見どころについても聞きたいのですが、Season2は短編や中編メインの構成なので、先が読めないですね。
鬼頭　そうですね。第1期は「鋼人七瀬」という長編エピソードだったので、登場人物も絞られていましたし、緊張感の続く展開だったと思うんですけど、それと比べるとSeason2はエピソードごとにキャラクターや事件の種類もガラリと変わるので、第1期と比べるとかなり賑やかな印象になったなと感じます。そういう趣向の異なる問題を琴子がどうやって推理して解決していくのかっていうのは、Season2ならではの見どころなのかなと思います。原作ファンの方も、今後どのエピソードがアニメ化されるのか、ぜひワクワクしながら見ていただきたいですね。

――では、あらためて琴子のお芝居で注目してもらいたいところはありますか？
鬼頭　第1期から引き続き、推理パートでは頑張ってたくさんしゃべっていますし、コメディシーンは120%振り切って演じていますので、琴子のいろいろな一面にぜひ注目していただけたらと思います。

――ちなみに鬼頭さんは妖怪や幽霊などの存在は信じているほうですか？
鬼頭　いてもいいんですけど、自分の前には現れてほしくはないです。とにかく怖いので。

――でも、いい妖怪もたくさんいると思いますよ。
鬼頭　いい妖怪がいるなら、悪い妖怪もいるわけで（笑）。いい妖怪とだけ出会えるなら話は別ですけど、そういうわけではなさそうなので、できるだけ関わりたくないです。

――心霊系はわりと苦手なんですね。
鬼頭　いやもう、ほんとダメですね。琴子のように妖怪たちの問題を解決してあげられる能力もないですから、仮にコミニュケーションが取れたとしてもどうしようもなくて。お願いだから私の前には出てこないでほしいです（笑）。