「ギャグを真面目にやる」ことに挑んだAパート
――レースシーン以外に第6話で印象に残っているシーンはありますか?
立花 第6話はBパートがシリアスな一方、Aパートにはたくさんギャグシーンもあるのですが、そこもすごくこだわって録っていて。じつは、Bパートよりも時間をかけていたかもしれません(笑)。
――ダイヤ(サトノダイヤモンド)がジンクスを破ろうといろいろなゲン担ぎをするシーンですね。
立花 はい。テストのときは、面白おかしくお芝居したんです。でも、本人はいたって真面目にやっているから、シリアスに演じてほしいというディレクションがあって。「ギャグを真面目にやる」というボケのお芝居は初めての試みだったので、演じていてもすごく楽しかったですね。あと、レースの終盤にサトノ家のウマ娘たちの顔が次々に映っていって、ダイヤが勝ったときに一緒に喜んでくれるシーンがすごく好きなんです。ずっとみんなが悔しい思いをしてきた中で、ダイヤがその想いも背負って頑張っていたことをあのシーンであらためて感じました。
いちばんほしい言葉をくれたマックイーン
――(メジロ)マックイーンと語り合うシーンも印象的でした。
立花 きっとダイヤは背中を追いかけてきたマックイーンさんにも弱いところは見せたくなくて。だからこそ、声をかけてもらったときも、最初は平静を装ったんだと思うんです。マックイーンさんは、そういう気持ちも汲んだ上で「運が悪かった」なんて曖昧に励まさず、「私の目にはあなたが誰よりも強く見えました」と言ってくれた。あの言葉がダイヤに自分を信じる強さをくれたんじゃないかなって思っています。ダイヤ自身、自分を信じたいけれど、どんどん信じられなくなっていた時期で、いちばん誰かに言ってほしい言葉だったと思うんです。マックイーンさんは、すごくよく見てくれているし、やっぱり大人だなって感じました。
――マックイーンやキタサンブラック以外で気になっているキャラクターはいますか?
立花 クラちゃん(サトノクラウン)の登場がすごくうれしかったので、これからもサトノ家のお話が増えないかなって思っています(笑)。
ここから先のストーリーは「キタサト推し」必見
――第3期はまだ折り返し地点ではあるのですが、立花さんにとって、サトノダイヤモンドはどのような存在になっていますか?
立花 ダイヤって見た目はふわふわした印象だけど、すごく芯が強くて、たぶんめちゃくちゃ頑固でもあるんですよね。第3期で、それを端々から感じました(笑)。私もダイヤと一緒でけっこう頑固というか、こだわりが強く融通の効かないタイプではあるんです。思い返してみると、もっと頭が柔らかくて臨機応変にできたらなって思う場面が何度もありました。でも、自分の思いや信念を強く持ち続けることに「それでいいんだよ」って肯定をしてくれたのがダイヤだったんです。これまでも、自分が演じてきたキャラクターたちに自分を肯定してもらったり、学ばせてもらったりしてきたのですが、ダイヤを演じるようになって、自分に自信が持てるようになりました。だからこそ、何かをやりたいと思ったときには、ダイヤみたいにいっぱい努力しようと思えるんです。すごく支えてもらっていて、実生活にも生きている気がします。
――第7話以降の見どころを、ネタバレにならない範囲で教えてください。
立花 第6話でも、カッコいいところをはじめ、ダイヤのいろいろな表情を見てもらえたと思うんですけど、第7話以降もまだまだ新しい面を見てもらえると思います。あと、これからのお話でキタちゃん(キタサンブラック)とダイヤの関係についてより深く知ることができるというか。ダイヤとキタちゃんがお互いのことをどう思っているのか、どんな気持ちでこれまでの走りを見てきたのかがわかるようなシーンも出てくるので「キタサト推し」のトレーナーさんはとくに必見だと思います(笑)。
――最後にこのインタビューを読んでいる『ウマ娘』ファンの皆さんにメッセージをお願いします。
立花 世界中のたくさんの人たちが大切にしてくださっている『ウマ娘』というコンテンツに関わらせていただけて、本当にうれしく思っています。アニメの第3期もトレーナーの皆さんを絶対にがっかりさせない素晴らしい作品になっていて、最後まで見ていただいたら、きっとさらに『ウマ娘』を好きになっていただいけるはずです。どっぷりと『ウマ娘』の世界に浸っていただいて、末永く大好きでいてもらえたらうれしいです!
- 立花日菜
- たちばなひな 6月14日生まれ。宮城県出身。アーツビジョン所属。主な出演作に『推しが武道館いってくれたら死ぬ』(市井舞菜役)、『うちの会社の小さい先輩の話』(片瀬詩織里役)、『アイドルマスター シンデレラガールズ』(久川凪役)など。
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