TOPICS 2024.06.21 │ 12:00

ずっと変わらない幼なじみコンビ
『大室家』大室櫻子役・加藤英美里&古谷向日葵役・三森すずこインタビュー③

『ゆるゆり』から櫻子・向日葵という幼なじみコンビを演じてきた、加藤英美里と三森すずこへのインタビュー。締めくくりとなる第3回では『大室家 dear sisters / dear friends』本編で印象的だったシーンを挙げてもらいながら、本作の魅力を掘り下げる。

取材・文/斉藤優己(パワフルプロダクション)

※本記事には『大室家 dear friends』の物語の核心に触れる部分がございますので、ご注意ください。

「ゆる」じゃない百合の波動にドキドキ

――前作『dear sisters』で、おふたりの印象に残っているシーンを教えてください。
加藤 いっぱいありますけど、いちばんドキドキしたのは撫子たちが「あーん」をしているシーンでした。『ゆるゆり』では描かれなかった大人のドキドキ感というか、「ゆる」じゃない百合の波動を感じまして(笑)。今までにないドキドキを提供してくれたシーンだったと思います。
三森 私はみさきち(みさき)が印象に残りました。素直じゃないところがかわいいんですよね。

加藤 収録ではご一緒できなかったので、みさきち役の古賀葵さんの演技を劇場で初めて聞いたんですけど、第一声から本当にかわいくて……! もともとみさきちって櫻子に似ているなと思っていて、親近感があったんです。そんなみさきちがあんなにかわいく登場してきたので……。きっと皆さんからの人気もすごいんだろうなと思ったシーンでした。
三森 私は櫻子がみさきちのことを犬だと思っていたのが発覚したシーンが好きなんですよね。「中型かなぁ……?」とか、なんか妙に会話が噛み合っていたのが面白すぎて。さりげないシーンで面白いギャグが入ってくるので、見ていて一瞬たりとも気を緩められないんですよね。

撫子たちには翻弄されまくり

――公開が迫った『dear friends』で印象的なシーンはどこですか?
加藤 冒頭になりますが、花子に「私たち姉妹じゃん!」と呼びかけるシーンです。あそこは「深刻な感じでお願いします」とディレクションをいただいたので、本当に姉妹の関係が終わっちゃう、みたいな感じの演技にしたんです。そのほうがオチの面白さに拍車がかかりますからね。
三森 向日葵の印象的なシーンは、撫子に「(櫻子と)一緒にお風呂入ればいいじゃん」といじられるところです。あそこでムキになって「入りません!」と言っている姿がかわいかったですね。向日葵はツッコミ役にまわることが多いから、誰かにいじられる経験があんまりなかったと思うんです。これまであまり見られなかった、彼女の中学生らしい一面が浮き彫りになったシーンだった気がします。

加藤 あとは高校生組のカチューシャをめぐるエピソードが面白かったです。撫子がお店で手に取ったけど結局買わなかったカチューシャが……。あれは撫子の彼女が誰なのか、考察がはかどるエピソードだと思います。
三森 撫子たちには翻弄されまくりですからね。私は撫子が電話口で「別れる」と言われていたシーンで「このあと撫子の相手がわかるかも!?」とわくわくしました。『大室家』の心情描写は本当にすごくて、もどかしい気持ちはありますけど、お話として面白いんですよね。
加藤 そんな撫子に櫻子が「ねーちゃん、恋人いるの?」ってズバッと聞くのは、さすがだと思いましたね(笑)。
三森 あそこは「そんなこと聞かないの!」と慌てる向日葵がおかしかったです。いつの間にか話題がそれていたので、撫子が上手だったなと思います。

加藤 あと花子の優しさが垣間見えるシーンもありましたね。櫻子が落ち込んでいるのを花子が察してくれて、元気を出そうとしてくれるところがもう感動的で。花子が櫻子を愛してくれているのがわかりますし、こんなに気遣いができる妹がいて櫻子は幸せだと思います。
三森 花子って口では悪口を言いながらも、なんだかんだで櫻子をお姉ちゃんとして頼りにしているところがあるんですよね。『dear friends』では花子の姉思いな一面が見られてよかったです。

高校生になっても櫻子と向日葵は変わらない?

――想像でいいのですが、櫻子と向日葵が高校生になったらどんな感じになると思いますか?
加藤 櫻子と向日葵には、いつまで経っても変わらないでいてほしいと思います。完全に妄想ですけど、高校進学のとき、櫻子が向日葵と同じ高校を受験しようと必死になっている姿が目に浮かぶんですよね。
三森 向日葵が勉強を教えて、なんだかんだふたりで同じ高校に行って、今と変わらない日々を過ごしていそうな気がします。
加藤 ふたりは撫子たちみたいに、駆け引きとかできるような感じじゃないですからね。そもそもすでにふたりの世界が固まっていて、誰も踏み込めないような気がするので、変わらないと思います。
三森 そもそも、成長したら変わりそうな子ってそんなに多くなさそうですよね。小学生組だと、こころは成長したら駆け引きとかができそうですけど。
加藤 みさきちは変わらないんだけど、花子のことを意識しすぎて素直になれなさそうな感じがします。この話題、なかなか妄想がはかどりますね(笑)。

――最後に『ゆるゆり』『大室家』ファンの皆さんへメッセージをお願いします。
三森 きっと多くの方が『ゆるゆり』時代から応援してくださっていると思います。『大室家』で再び向日葵を演じることができてうれしかったですし、皆さんもとても楽しい時間を過ごせたのではないでしょうか。今後もなもり先生の原作がある限り、何かしらの展開があると思いますので、ぜひ応援してください。何回見ても面白さを味わえる作品なので、ぜひたくさん楽しんでいただきたいです!
加藤 『ゆるゆり』とは違った空気感のある『大室家』が、こうして劇場で見られるようになったのはとてもうれしいことです。『ゆるゆり』から派生した作品ですが、『大室家』単体としても成長してくれたのを実感しています。『ゆるゆり』をご覧になっていない方にも楽しめる作品ですので、これを読んでくださっている皆さんはぜひ、まだ『大室家』を知らない方へ布教してください!endmark

加藤英美里
かとうえみり 東京都出身。11月26日生まれ。スターダストプロモーション所属。主な出演作に『〈物語〉』シリーズ(八九寺真宵役)、『SPY×FAMILY』(ベッキー・ブラックベル役)、『魔法少女まどか☆マギカ』(キュゥべえ役)など。
三森すずこ
みもりすずこ 東京都出身。6月28日生まれ。響所属。主な出演作に『ヒーリングっど♥プリキュア』(風鈴アスミ/キュアアース役)、『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』(神楽ひかり役)、『影の実力者になりたくて!』(ガンマ役)など。
作品情報


『大室家 dear friends』
全国劇場にて絶賛上映中!

  • ©なもり・一迅社/「大室家」製作委員会