TOPICS 2026.02.05 │ 12:00

『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』特集① ガンダムシリーズと向き合った挿入歌
SennaRinインタビュー

前作から約5年の月日を経てついに公開となった『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』。Febriでは第1章に続き、本作でも特集をお届けする。第1回は、挿入歌となる「CIRCE(サーシー)」と、[Alexandros]の川上洋平とのデュオで歌われた「ENDROLL」の作詞・ボーカルを手がけたSennaRin(センナリン)へのインタビュー。本作をきっかけにガンダムシリーズと向き合ったという彼女が楽曲に込めた思いとは?

取材・文/森 樹

※本記事には物語の核心に触れる部分がございますので、ご注意ください。

『ガンダム』は人のつながりを描いた物語

――ガンダムシリーズ、および『閃光のハサウェイ』第1章に対してどのような印象を持っていましたか?
SennaRin ガンダムシリーズに関しては、MS(モビルスーツ)が戦うバトルもの、というイメージがありました。今回、オファーをいただいたことをきっかけに『機動戦士ガンダム』から『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』までを順に鑑賞したのですが、人のつながりを描いた物語なのだなと思いました。

SennaRin

――最初から順に。
SennaRin はい。アニメ作品の挿入歌なので、やはりファンの方々が「あれ?」と思うような言葉がないようにしたかったのと、私は普段から、作詞をする段階で「自分ではない誰か」になりきって書くことが多くて。アニメの主題歌や挿入歌を担当する場合には、その手法がすごく活かせるんです。

――なるほど。そこはSennaRinさんとしても取り組みやすいかたちであったと。
SennaRin それから『閃光のハサウェイ』の第1章も4回ほど見て、まずはハサウェイについて深く知ろうとしました。彼はブライトさんとミライさんという素晴らしい両親がいるけれど、同時に戦場でのトラウマを抱えていて……。ハサウェイに限らずそれぞれのキャラクターが濃く、理解が難しい部分もありましたが、だからこそ何度も見たくなる作品ですね。

――今回の作業はどのように進めていったのでしょうか?
SennaRin まず本作で音楽を担当されている澤野(弘之)さんから2曲分のデモをいただきました。それから、どういうシーンで流れるかの説明を聞き、作詞を進めていきました。

「共感できない」部分がギギの魅力

――まず「CIRCE」について聞きたいのですが、こちらはギギのことを描いた曲ですね。
SennaRin そうです。ギギがどういう考え方、感じ方をするのを突き詰めながら書いていきました。曲調がポップだったのと、彼女がカーディアス・バウンデンウッデン伯爵のもとで新たな生活をスタートさせるところで流れると聞いていたので、あまり暗くなりすぎないものにしようとしました。

――ギギという人物についてはどのように捉えていますか?
SennaRin 一般的な女の子とはまったく異なる人生を歩んでいる印象で。加えて、軍が欲しがるほどの鋭い洞察力を持っている。そんなギギが、ハサウェイのことが気になって、知りたいと思う人間らしい気持ちが湧いてくる。歌詞ではそこにフォーカスしました。

――共感できるところはありましたか?
SennaRin スパッと言ってしまうと、共感はできないです(笑)。予測不可能な行動ばかりしていて。でも、そこが彼女の魅力であり、私も好きなところですね。

――ボーカルに関しては何かこだわりはありますか?
SennaRin ギギは大人っぽく見える一方で、言動がそこに追いついていない面もあります。なので、ところどころに幼さを感じてもらえるようにと考えました。実際のレコーディングでは、澤野さんのスタジオ入りが予定よりも早かったので、事前の声出しができないまま収録が始まったんです。でも「この感じがいいんじゃない?」と意外にも高評価をいただけて。何回かテイクを重ねたのですが、結果的に1、2本目のテイクが採用されました。

――声が出きってないところがよかったと。
SennaRin ギギに合っていたのかなと思います。いつもはラストのサビで声の強さが欲しいとディレクションをされる澤野さんが、「もうちょっと抑えて」とおっしゃっていたので、それが彼女の日常生活になじむというイメージがあったのかなと。

ケリアとハサウェイの視点を意識した「ENDROLL」

――もう一曲の「ENDROLL」は、[Alexandros]の川上洋平さんとのデュエット曲ですね。
SennaRin この曲はAメロ/Bメロ/サビという構成が1番~2番と同じ流れで続きます。1番はケリアの視点、2番はハサウェイの視点を意識しました。もともと音数が少ないので、歌い上げるというよりも、セリフをポツッ、ポツッとこぼす感じです。

――ふたりの心情をモノローグのように表現した楽曲になっています。
SennaRin ケリアとハサウェイの、昔は愛し合っていたのに、時間が経過することで大きく変化してしまった関係性を描いています。それは現代で生きる私たちにも起きる現象だと思うので、いろいろな捉え方で聞いてもらいたいです。

――川上さんのボーカルはいかがでしたか?
SennaRin レコーディングは別日だったのですが、見学させていただきました。最初のテイクからもうめちゃくちゃカッコよくて! 声がメロディにしっかりと当たっていて、完成版をあらためて聞いたときはサビで鳥肌が立ちました。終盤に入っているフェイクもとても素敵でした。

――挿入歌として制作された2曲に加えて、新曲やカバーも含めたコンセプトEP『LOSTandFOUND』も制作されました。
SennaRin はい。表題曲はひとりのキャラクターを投影するのではなくて、『閃光のハサウェイ キルケーの魔女』全体を俯瞰するかたちで作詞をしました。TM NETWORKさんのカバーである「BEYOND THE TIME(メビウスの宇宙を越えて)」は、以前、TMNさんのトリビュート用に制作したものです。そのときにはまだ『閃光のハサウェイ キルケーの魔女』のお話はなかったのですが、オリジナルの曲は昨年放送された『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』でも流れたと聞いてびっくりしました(笑)。こうしてEPにまとめて収録できることはすごく光栄ですね。

――『閃光のハサウェイ』を通して、ガンダムシリーズと向き合った結果が挿入歌およびEPになっているわけですね。
SennaRin そうですね。『閃光のハサウェイ』をはじめガンダムシリーズのキャラクターたちを深く知る努力をしたうえで作詞させていただきました。『閃光のハサウェイ』の第3章がどうなるのかはわかりませんが、小説の結末から考えたフレーズも密かに入れています。この挿入歌やEPが、ガンダムファンの皆さんに伝わることを願っていますし、作品を知ってもらえるきっかけになればうれしいですね。endmark

SennaRin
センナリン シンガー、作詞家。『閃光のハサウェイ』シリーズの音楽を担当する澤野弘之のプロデュースで2022年にデビュー。挿入歌「CIRCE」と「ENDROLL」、さらに『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』をコンセプトにしたEP「LOSTandFOUND」が2月4日リリースされた。
作品情報


『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』
全国劇場にて絶賛上映中!

 


『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』CONCEPT EP
LOSTandFOUND
品番/VVCL2843
価格/2,200円(税込)
2026年2月4日発売

〈収録曲〉
01.CIRCE ※『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』挿入歌
02.LAST
03.DELUSION
04.ENDROLL by 川上洋平 [Alexandros] × SennaRin ※『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』挿入歌
05. LOSTandFOUND
06. BEYOND THE TIME (メビウスの宇宙を越えて) by 澤野弘之 feat. SennaRin ※bonus track
07. ENDROLL -HaThA-

CDの詳細はこちら

Download & Streaming
 

  • © 創通・サンライズ