TOPICS 2023.06.29 │ 12:00

まだまだ続く胸熱展開を楽しみ尽くすための
『BLEACH』ワールドガイド②

シリーズ累計発行部数1億3000万部突破を誇る『BLEACH』。前作TVシリーズから約10年ぶりに放送された最新作『BLEACH 千年血戦篇(以下、千年血戦篇)』の第2クール『BLEACH 千年血戦篇-訣別譚-(以下、千年血戦篇-訣別譚-)』が7月8日(土)23時より放送開始。ここでは『千年血戦篇』から初めて『BLEACH』の世界に触れた人や、もう一度状況を整理しておきたいという人のために『BLEACH』ワールドガイド」をお届けします。

文/岡本大介

一護と尸魂界(ソウル・ソサエティ)の関係

舞台となるのは3つの世界

『BLEACH』は、主に3つの世界から成り立っている。「現世」、「尸魂界(ソウル・ソサエティ)」、「虚圏(ウェコムンド)」だ。これは『BLEACH』の基本とも言える世界構造なので、今一度確認しておこう。まず現世については言葉通り、我々が住んでいる世界を指す。次に尸魂界は、現世で命を落とした魂がたどり着く世界のことで、瀞霊廷(せいれいてい)と流魂街(るこんがい)に分かれている。瀞霊廷は強い死神や貴族たちなど特権階級層のためのエリアであるため、ほとんどの魂は流魂街にて質素な暮らしを営んでいる。また虚圏は現世と尸魂界の狭間にある空間で、「虚(ホロウ)(※1)やその上位種にあたる「破面(アランカル)(※2)」などが住む荒廃した世界となっている。

(※1)虚(ホロウ) 生者・死者を区別なく襲い、魂を喰らう存在。もともとは普通の人間の魂だが、さまざまな原因により邪悪化し、現世に現れて人間に危害を加えようとする。虚を倒すことで、その魂魄を尸魂界へと昇華し、現世と尸魂界にある魂魄の量を均等に保つことが死神の大きな役割。
(※2)破面(アランカル) 仮面を外し、死神の力を手に入れた虚。死神と同じく「斬魄刀(ざんばくとう)」を持ち、人間に近しい外見をしている者も多い。

一護と護廷十三隊の因縁

「死神代行(※3)」である一護は、現世でごく普通の高校生として生活しつつ、虚圏から現世へとやってきた虚を退治するのが基本任務。しかし、実際のところ『尸魂界篇』では殛刑に処される朽木ルキアを救うために尸魂界へと乗り込み、死神たちと戦ったり、『破面篇』では虚圏で破面たちと戦ったりと、本来の任務を超えて3つの世界を行き来しながら活躍をしている。それゆえ一護は、これまでの戦いを通じて多くの死神と友好な関係を築いており、その筆頭が「護廷十三隊(ごていじゅうさんたい)」の隊士たちだ。一護が現世で最初に出会った朽木ルキアは十三番隊所属の死神で、今や一護とは盟友関係。六番隊副隊長・阿散井恋次とは何度も死闘を繰り広げたのちに腐れ縁となった。ルキアの義兄である朽木白哉に至っては、最初こそ虫けら扱いされていたものの、その後は一定の実力を認められるなど、一護と護廷十三隊の関係性は深い。

TVアニメ「BLEACH」Episode:41より
(※3)死神代行 尸魂界から能力を買われ、死神としての権利を行使することができるようになった者。一護の場合は朽木ルキアから死神の力を譲渡されたことで、虚退治するようになった。

普段はプライドの塊とも言える白哉だが、『千年血戦篇』第7話で瀕死に追い込まれた際には、一護に対して「頼む。尸魂界を守ってくれ、黒崎一護」と尸魂界を託すシーンがある。そんな白哉からの恥も外聞も捨てた懇願を受けたからこそ、一護はその思いを受け取り、身に降りかかる雨が蒸発するほどの霊圧をほとばしらせたのだろう。ともあれ、護廷十三隊には個性豊かなキャラクターたちが揃っており、作中でも屈指の人気を誇る集団であるのは間違いない。

「斬魄刀(ざんぱくとう)」と「卍解(ばんかい)」とは?

護廷十三隊の役割は、瀞霊廷および尸魂界の護衛や現世における魂魄の保護、虚の退治など、現代社会で言うところの警察や軍隊のような性質を持っており、まさに尸魂界の武力の要。そして、その強大な力を支えているのが、死神だけが持つことを許された「斬魄刀(ざんぱくとう)」の存在だ。斬魄刀の種類は千差万別であり、たとえば、護廷十三隊総隊長の山本元柳斎重國(以下、山本総隊長)が持つ斬魄刀は名前を「流刃若火(りゅうじんじゃっか)」と言い、その破壊力は最強とされている。

また、刀の潜在能力を引き出すことでより強い戦闘力・能力を発揮することができるが、それらを「始解(しかい)」「卍解(ばんかい)」と言う。『千年血戦篇』第6話で、ユーハバッハ(実際には身代わりの”R”ロイド・ロイド)との戦いにおいて、山本総隊長が見せた数々の炎熱(えんねつ)攻撃は記憶に新しいが、これは「残火の太刀(ざんかのたち)」という卍解状態から放たれたもの。つまり、始解や卍解を習得することで、自分だけの必殺技が手に入るということだ。隊長や副隊長など、序列の高い死神たちの多くはこれらを習得している。

TVアニメ「BLEACH 千年血戦篇」Episode:6より

ちなみに一護が持っている斬魄刀は名を「斬月(ざんげつ)」と言い、始解も卍解もすでに習得済み。『千年血戦篇』開始時における一護の戦闘力は、護廷十三隊の隊長クラスを凌駕するほどとなっている。白哉に対してまるで歯が立たなかった死神代行になりたての頃の一護と比べると、驚くほど強くなっていることがわかるだろう。

また『千年血戦篇』からは新たに「零番隊(ぜろばんたい)」という組織も登場した。彼らの役割は霊王宮にいる「霊王」の守護で、メンバーは5人。総力的には護廷十三隊の総力(約3000人)を上回るとされるなど、尸魂界の奥の手とも言える存在だ。なお、霊王については『破面篇』でその存在が言及されていたものの、正体はいまだ不明のまま。護廷十三隊の隊長たちであっても謁見すらできないトップシークレットなだけに、零番隊の活躍も含めて今後の展開に注目したい。endmark

TVアニメ「BLEACH 千年血戦篇」Episode:8より
作品概要

TVアニメ『BLEACH 千年血戦篇-訣別譚-』
2023年7月8日よりテレビ東京系列他にて放送開始!

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