――自身が演じている以外のキャラクターには、どんな魅力を感じていますか？
水野　私、「第2話の虹夏（にじか）がいい子すぎて泣ける」と、2回も台本にメモしています。
鈴代　第2話だと、バンドメンバーがライブハウスでバイトをするシーンがあったあとに、初めて働いたぼっちちゃんに「今日は一歩踏み出せたね！」と話すんですが、ぼっちちゃんが去ってからリョウと虹夏がふたりきりになるんですよね。ドリンクが目の前にあって、カウンターで話している空間がすごくエモくて好きです。もともとこのふたりが仲よくしているところにぼっちちゃんがやってきて、ちょっとずつ自分たちに歩み寄ってくれているのを、あらためてふたりで確かめているのが印象的で。あの温度感でしゃべるのも、リョウと虹夏の関係性だからこそな感じがして、すごく好きでした。

水野　あの、めちゃくちゃリラックスしているときの虹夏の声が大好き！
鈴代　わぁ！　ありがと！
水野　アニメのキャラクターって「こうしゃべると、そのキャラっぽいよね」とデフォルメされる部分がどうしても出てくると思うんですけど、虹夏はその型にはまらないようなディレクションがされていると思うんです。本当の人間らしくというか、実際に存在していそうな感じがすごくうまくて、感銘を受けて台本に「すごい！」とか書いていた気がします。

鈴代　めちゃくちゃうれしい！　『ぼっち・ざ・ろっく！』はキャラクターこそデフォルメされている部分も多いけど、人間ドラマがちゃんとあるので、コテコテのアニメらしさにするよりは、生っぽいお芝居でやってみたいと思っていたから。そう言ってもらえるのは本当にうれしい！

――10月12日には、劇中で4人が結成する結束バンドのシングル『青春コンプレックス』がリリースされました。『青春コンプレックス』はOP主題歌ですが、c/w曲の『ひとりぼっち東京』もカッコいいですね。
青山　疾走感が魅力的ですよね。『ひとりぼっち東京』も、もっと何かで使われてほしいなー。こっちがOP主題歌でも全然アリだなって思えるくらい、素敵な曲だと思う。

長谷川　たしか『ひとりぼっち東京』のレコーディングのときに、作詞の樋口愛さんが「（『ぼっち・ざ・ろっく！』の主な舞台である）下北沢の駅からライブハウスまでの道を思い出しながら作詞した」とおっしゃっていて。
青山・鈴代・水野　へぇー!?
青山　下北インスピレーション楽曲！　最高すぎる！
水野　この歌詞をぼっちが作ったと考えると、すごくいいなと思いますよね。
長谷川　第4話までだと、結束バンドの曲はまだそんなに出ていないんですけど、ここからさらに盛り上がって行くと思いますので、楽しみにしていていただけたら嬉しいです！　歌詞にも注目！！
鈴代　めっちゃわかる！

長谷川　劇中ではリョウさんが作曲で、ぼっちが作詞をしている形だけど、ライブシーンが出てくるタイミングで「結束バンドに入ったことで、ぼっちの環境はすごく変わったんだろうな」という変化を感じられるような歌詞になっているんです。アニメ前半に出てくる曲と、後半に出てくる曲とでは変化を感じるので、そういったところにも注目しながら今後のアニメを見ていただきたいです。
鈴代　「ひとりぼっち東京」の歌詞は全部素敵ですが、「いくよ？ せーの！ 重いドアを押せば変われるような気がして」という部分にぼっちらしさを感じますし、曲の中にはメンバー全員の心情も乗っていると思います。「あのさ！ なあに？ 言えない夢ばかりだけどいつか聞いてね」という、虹夏がぼっちに夢を打ち明ける描写や、「駆け出せ 目を開け 影 引き連れてゆけ」という歌詞はリョウさんが言っていそうな感じで。喜多ちゃんだと「さみしくないんだよ」という部分だとか、4人それぞれの姿が思い浮かぶんですよね。

水野　私は『青春コンプレックス』の2番のサビが気になっていて。「かき鳴らせ 交わるカルテット 革命を成し遂げてみたいな」という歌詞をぼっちが書いていると考えたら、めちゃめちゃエモくないですか？　この4人で「革命を成し遂げてみたい」って！
長谷川　エモい！　ぼっち、すげー！