TOPICS 2023.02.15 │ 12:00

関根明良と加隈亜衣が語る『ひろがるスカイ!プリキュア』
ファーストインプレッション①

放送がスタートしたばかりの新シリーズ『ひろがるスカイ!プリキュア』から、キュアスカイ/ソラ・ハレワタール役の関根明良、キュアプリズム/虹ヶ丘ましろ役の加隈亜衣による対談記事が到着! 出演が決まった直後の心境から『プリキュア』シリーズにまつわる思い出まで、たっぷりと語ってもらった。

取材・文/宮 昌太朗 撮影/松本祐亮

今までにない状況で知らされたオーディション合格

――まずはおふたりの「プリキュア体験」から聞きたいのですが、最初に見た『プリキュア』はおぼえていますか?
関根 子供の頃からリアルタイムにシリーズを追いかけていたわけではないんですけど、最初に意識したのは『スマイルプリキュア!』ですね。たまたまテレビをつけたときに見たのがバッドエンドプリキュアが出てくるエピソード(第45話)だったんですけど、すごく心を惹かれて、その日の予定に遅刻しかけた思い出があります(笑)。「ネガティブな私、どいて!」というセリフがとにかく印象的で、それまでのストーリーはまったく知らなかったのに、ズン、と胸に響いたんです。私自身、ネガティブに考えがちな人間で、いろいろなことが心配になってしまうんです。もう少し明るく考えられれば楽なのにって、そんなことを考えていた時期なので、とくに記憶に残っています。

加隈 私もリアルタイムでは『プリキュア』を追いかけてこなかったんです。ただ、『ヒーリングっど♥プリキュア』のときにラビリン役で1年間、出演させていただくことになって。それまでは『プリキュア』といえば「戦う女の子」とか「強い女の子」のお話という漠然としたイメージだったんですけど、出演者として参加してみると、子供が楽しいのはもちろん、大人が夢中になるのがわかる!って実感しました。これだけ幅広い人たちに愛されている理由がよくわかりましたね。

――『ひろがるスカイ!プリキュア(以下、ひろプリ)』への出演が決まったときの第一印象はどんなものでしたか?
関根 頭の中が真っ白でしたね。何も考えられなかったというか、驚きすぎて……。オーディションを受けているときはいつも「この役を演じるのは私だ!」と思って全力で取り組むんですけど、オーディションが終わったあとはいったん忘れるようにしているんです。というのも、落ちたときのダメージが大きいので(笑)。

――あはは。
関根 ただ、今回、合格のお知らせをいただいたのが、今までにないシチュエーションで。マネージャーさんから「お話があります」と別室に呼び出されて「怒られるのかな」と思っていたら(笑)、「受かりました!」と聞かされて。頭の中が真っ白になって、実感がなかなか湧かなかったですね。マネージャーさんだったり、事務所のスタッフの皆さんから「おめでとう!」「よかったね! 頑張って!」と言ってもらえて、ようやく自分の中に浸透してきた感じでした。
加隈 私もある日、「事務所に来てください」って呼ばれたんですけど、その呼ばれた用件がダミーで(笑)。そこでマネージャーさんから「ましろちゃんをお願いすることになりました」って言われたんですけど、泣いてしまいました。皆さんからかけていただいた「おめでとう」っていう声が本当に温かくて……。これだけ喜んでくれる人がいるっていうことが、まずうれしかったです。そこでひとつパワーをもらえた気がして「この光景は一生忘れない」と思いつつ、涙でにじんでまわりが見えないっていう(笑)。幸せだけど、カオスな状況でした。

シリーズを追いかけてきた人はより楽しめる!?

――『プリキュア』シリーズのメインキャラクターを演じるにあたって、これまでのシリーズを見たりしましたか?
関根 しっかり自分の中に「ソラちゃん」を確立してからじゃないと影響を受けすぎるかな、と視聴を控えていたのですが、現在は少しずつ過去のシリーズを楽しんで見ています。『ふたりはプリキュア』を見終えたので、今は『Max Heart』と『スマイルプリキュア!』を楽しく視聴中です!
加隈 『ヒーリングっど♥プリキュア』に出演していたときはパートナー側からの目線だったので、プリキュアの目線で見てみようと思って『ふたりはプリキュア』を見たんですけど……これが本当に楽しくて(笑)。たとえば、息の感じだとか「これまでの皆さんはどう演じていらっしゃったんだろう?」と、ましろちゃんやキュアプリズムに昇華できたらいいなと思って見始めたんですけど、それどころじゃなく夢中になっちゃいました(笑)。しかも(雪城)ほのかの設定や状況がましろちゃんとちょっと似ているところがあって。「同じです、先輩!」ってキュンとしましたね。
関根 そうなんですよね。新しい台本をいただくたびに、ふたりで「ここ、似てますよね!」って話しています(笑)。
加隈 私たちがこれだけ盛り上がるなら、これまでシリーズをずっと見てきた人はもっと細かいところやいろいろな共通点に気づいて、とんでもないハッピーをもらえるんじゃないかなって思います。

ひたすらまっすぐなソラと、柔らかな人柄のましろ

――もうアフレコもある程度の話数まで進んでいると思うのですが、それぞれ演じているキャラクターに対する印象は?
関根 私は小さい頃からずっと声優を目指していたので、ソラちゃんの憧れを追いかけ続ける姿勢には「すごくよくわかる!」と共感してしまいます。あと彼女はとにかくパワフルで、すべてにおいて全力投球なので、リアクションもすごく大きいんです。ソラシド市に来て初めて目にするものがいっぱいなんですけど、すべてに対して新鮮に驚く。裏表がないというか、嘘がつけないんですよね。演者としてはいろいろ考えて――それこそ「最初はこうやって驚いて、2回目はもっと驚いて、その次は……」とか、ついプランを立ててしまいそうになるんですけど、ソラちゃん自身は感情のおもむくままに、びっくりするときは本当にびっくりするし、すごいと思うときは心の底からすごいと思っているんです。だから「考えすぎてはダメだぞ、私」と心の中で言い聞かせています(笑)。いっぱい練習をしたくなってしまうんですけど、むしろ感情の新鮮さが何より大切なんだぞって、そう思っています。

――加隈さんから見た、ましろはどんなキャラクターですか?
加隈 ましろちゃんもソラちゃんと同じく嘘をつけないというか、思ったことが素直に出てくる子だなって印象ですね。ひとつ気をつけなきゃなと思っているのは、シチュエーション的にツッコミ役に回ることがわりと多いんですけど、そのツッコミ加減が絶妙なんです。「違うじゃん!」って相手を否定するわけではなくて、「大丈夫かな……」って言いながら汗がたらっと流れる、とか。おばあちゃんと一緒に暮らしているせいか、言葉の選び方が独特なんですよ。「そういう言葉をチョイスするんですね、ましろさん」と感心しています(笑)。

――あはは。彼女の柔らかいところが、そういった部分にも表れているわけですね。
加隈 そうですね。引きすぎると部外者になってしまうし、かといって強すぎると相手を傷つけてしまう。すべてがふわっと温かくなるように、包んであげるようにと心がけていますね。endmark

関根明良
せきねあきら 12月16日生まれ。東京都出身。アプトプロ所属。主な出演作に『プリンセス・プリンシパル』(プリンセス役)、『風都探偵』(ときめ役)、『冰剣の魔術師が世界を統べる』(アリアーヌ=オルグレン役)、『アイカツ!』(藤原みやび役)など。
加隈亜衣
かくまあい 9月9日生まれ。福岡県出身。マウスプロモーション所属。主な出演作に『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』(エリス役)、『ヒーリングっど♥プリキュア』(ラビリン役)、『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。』(マイ役)、『アイカツ!』(音城ノエル役他)など。
作品情報


『ひろがるスカイ!プリキュア』
ABCテレビ・テレビ朝日系列にて毎週日曜08時30分より放送中!

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