――TVアニメ2期が終了してしばらく経ちますが、さかのぼって、放送前はどんな気持ちでしたか？
鈴原　ホントに生きた心地がしなかったというか。「2期生」という形で新たにメンバーとして加入するのがラブライブ！シリーズ史上で初めてということもあって、どういう反応がもらえるのか全然わからなかったので、すごく不安な気持ちでいっぱいで。もう放送の1週前とかになるとドキドキが止まらなくて、ご飯も喉を通らないぐらいになっていて（笑）。きな子ちゃんは前半の第1話～第3話で大事な役割を持って登場するメンバーなので「責任重大だぞ」というプレッシャーもあって、2期生キャストの中ではとくに私が思い詰めていた気がしますね。私自身、ずっとラブライブ！シリーズが大好きだったこともあって、「失敗できないぞ」という思いでいっぱいでした。

――きな子を担当するうえで難しかったところはありますか？
鈴原　きな子ちゃんが思った以上に感情表現が豊かな子で、「あ、おとなしいタイプの子じゃなかったんだ」とびっくりしたんです。私は思っていることが表情にあまり出ないタイプなので、「もっときな子ちゃんにならなきゃ！」と思いながら取り組んでいました。

――たしかに、かなり百面相ですよね。
鈴原　そうなんですよ。とくに第1話は表情変化が多かったので、リアクションの大きさについていくのが大変でした。最後に四季ちゃんと一緒に階段を猛ダッシュするシーンがありますが、そこは本当に「どうやって表現したらいいんだろう？」と考えてしまって。レッスンでマネージャーさんに手を引っ張ってもらったり、家でもお姉ちゃんに「手、引っ張って」と頼んで練習していました。お姉ちゃんはきっと「なんだこいつ……」と思ったと思うんですけど（笑）。

――きな子以外のメンバーの登場シーンやセリフで印象的だったものはありますか？
鈴原　第4話の四季ちゃんとメイちゃんのお話は本当に心に残っています。個人的に四季ちゃんがすごく好きなので、「かわいい、かわいい……！」とひたすら繰り返しながらオンエアを見ていました（笑）。やっぱり、四季ちゃんとメイちゃんの関係性がうらやましいというか……私自身、そんなに友達が多いタイプではないので、あんな絆で結ばれた子が身近にいたら素敵だなと思って、すごく印象的でした。

――本編同様、収録でも1期生を追いかける形だったと思うのですが、「1年間の差」を感じることはありましたか？
鈴原　それはもうずっと感じていました。自分にはお芝居の経験もなかったので「どうやっているんだろう」と1期生の姿をめちゃめちゃ真剣に観察して、メモを取ったり、とにかく早く追いつきたいなという気持ちでやっていました。

――1期生メンバーとのやりとりで心に残っていることはありますか？
鈴原　りーちゃん（Liyuu）と収録の帰りが一緒になったときがあったのですが、その日はそれまでりーちゃんとひと言もしゃべっていなかったんですね。それで内心オドオドしていたんですけど、別れ際にひと言、「よくなる、よくなる」って言ってくれたんです。それが、どんなにたくさんの言葉よりも心に沁みたというか。そのときはりーちゃんが去っていくまでは笑顔で、そのあとすぐにぶわっと泣いてしまって（笑）。前半の話数では収録のあと落ち込んで帰ることが多かったんですけど、その言葉があったことで救われた部分も大きかったです。

――それは本編でも「名シーン」になりそうなやり取りですね。
鈴原　もうほんとにカッコよかったですね。「私、何か言ったほうがいいのかな」と思っていたところにそんな言葉をかけてくれるのが、やっぱり先輩だな、と思いました。それまであんなに落ち込んでいたのに「ちょっといけるかもしれない」みたいな気持ちが芽生えたので、ホントにありがたかったです。

――きな子について、TVアニメ2期を通じてとくに変わったなと思うのはどんなところですか？
鈴原　体力面がいちばん大きいと思います。第1話では歩きまわっていただけでバテていましたし、第2話でも腹筋ができなかったり、ランニングで先輩たちについていくのも大変だったのが、第3話ではもうライブに加わっていましたからね。その第3話で披露した「Go!! リスタート」という曲のリハーサルを12月からのツアーに向けてやっているんですが、歌いながら踊るのがすごくしんどい曲なんです（笑）。

――劇中のきな子の成長をまさに今、追体験しているんですね。
鈴原　あれを笑顔でこなせるようになったことに、まず感動してしまって。あの笑顔もまたかわいいんですよね。ライブを披露したあとのきな子ちゃんが、かのんちゃんのほうを見て笑うんですけど、そこが本当にかわいいんです。第1話ではあんなにオロオロしていたのに……。

――きな子はなんとなく1年生のまとめ役みたいなところがありますよね。
鈴原　どうなんでしょう？　でも、メイちゃんはスクールアイドルがらみになると「うわーっ！」となっちゃうし、四季ちゃんはぶっ飛んでいるし、夏美ちゃんは「しっかりしている」の方向性がちょっと違う気がするので……。言われてみれば、4人の中でいちばん常識人ではあるかもしれないですね（笑）。

――TVアニメ3期の制作が決定していますが、続編で「きな子のこんな姿が見たい！」という希望はありますか？
鈴原　きっと下級生が入ってくるので、先輩風を吹かせるきな子ちゃんはマストで見たい気持ちがあります。でも、むしろ後輩にいじられる先輩になる気もするんですよね。ひとりだけ威厳がなさそうで心配です（笑）。でも、きな子ちゃんはかのんちゃんに誘ってもらってLiella!に入って夢を見つけたので、今度はきな子ちゃんが後輩に手を差し伸べたりしちゃったら、きっと私は泣いてしまうなと思っています。

――おそらく、その後輩の中には新たに一般公募オーディションで選ばれたキャストもいるはずなので、鈴原さんにとっては二重の意味での後輩ができるわけですよね。
鈴原　初めてできる後輩なので、まだちょっとイメージができていないんですけど、やっぱり一般公募で入ってくるのって、すごく不安だと思うんです。私も他の2期生と出会うまではずっと落ち着かなくて、仲間って大事だなぁって実感したので。だから新しく入ってくる子には、支えになってあげたいし、困っていたら助けたいし、たくさん頼ってほしいなって思っています。……私、3期生のオーディションの情報が出てから「どんな子が来るんだろう？」って、まわりにずっと言っているんです。「いい子だったらいいなぁ」って。じつは楽しみで仕方ないんです（笑）。