TOPICS 2024.06.20 │ 12:00

ずっと変わらない幼なじみコンビ
『大室家』大室櫻子役・加藤英美里&古谷向日葵役・三森すずこインタビュー②

『大室家 dear friends』の公開直前にお届けしている、櫻子役・加藤英美里と向日葵役・三森すずこの幼なじみコンビのキャストへのインタビュー。第2回では、本作のもうふたりの主人公である撫子と花子への印象を尋ねた。

取材・文/斉藤優己(パワフルプロダクション)

※本記事には『大室家 dear friends』の物語の核心に触れる部分がございますので、ご注意ください。

アフレコ現場で盛り上がっていた話題は……?

――『大室家』では櫻子に加えて、長女の撫子、三女の花子を主人公としてストーリーが展開します。まずはおふたりから見た撫子の印象を教えてください。
加藤 撫子はやっぱり三姉妹でいちばん大人だから、色気があるんですよね。大人になった私たちから見ると中学生と高校生ってあんまり年齢差を感じませんけど、子供の頃は年上の人って大きく見えますからね。友達との会話の内容からしてすごく大人っぽいですよね。

三森 たしかに自分が中学生の頃を思い出すと、高校生の人たちが大人っぽく見えましたね。私たちが中学生くらいのときに見えた、高校生の大人感が、撫子だけでなく彼女の友達たちにもあるなと思いました。
加藤 櫻子と向日葵はストレートに意地の張り合いをするけど、撫子たちは会話をしながら駆け引きを始めるんですよね。自分の気持ちをまわりに秘密にしたりとか、言葉にしていることと本当の思いが違ったりとか、そういうのが大人っぽいなと思います。じつはアフレコ現場では「撫子は誰と付き合っているんだろう?」という予想で盛り上がっていたんです。
三森 みんな可能性があるから、難しいですよね。私は美穂だと思っているんですけど。
加藤 私は藍だと思うんですよね。普段の撫子のしゃべりと、電話のときのテンション感が合っているんじゃないかと勝手に思っていまして。

大室家ではどんな教育をしてきたのかが気になる

――花子の印象はいかがですか?
加藤 花子は小学生だけど、櫻子よりだいぶ大人だと感じます。基本的にツッコミ役で、まるでお姉さんみたいに櫻子を包みこんでくれることもあるんですよね。学校でもカリスマ的存在で、まさに完璧なんです。でも、前作『dear sisters』では、櫻子がたまご粥の材料を買いに行ったときに、その理由を知らない花子が拗ねちゃう場面がありました。家族の中だと、ちょっと未熟なところを見せるのも花子の魅力なのかなと思っています。
三森 たぶん撫子に似たところがあるんでしょうね。大人びた視点を持っている花子と、いつまでも子供の櫻子が対照的で面白いなと思います。印象的だったのが『dear sisters』で友達から電話がかかってきたとき、自分の部屋へ行ったことです。たぶん櫻子だったらその場で話し出すと思うので、小学生なのに自分のプライベートをしっかり持っているんだと感心しました。
加藤 撫子もそうですけど、花子は気遣いがすごいんですよね。みもりんが言っていたプライベートをしっかり持っているというのも、電話してきた相手のことを気遣っているのかなと思いますし。三姉妹はみんな本当にいい子たちなので、大室家ではどんな教育をしてきたんだろう?と気になっています(笑)。

大室家の要になってくれてありがとう

――撫子役の斎藤千和さん、花子役の日高里菜さんとはどんなやりとりがありましたか?
加藤 『ゆるゆり』では少しだけの共演でしたが、当時から変わらず、おふたりとも撫子、花子のことをしっかりつかんでいらした印象です。私、大室家の雰囲気は撫子と花子が作り出していると勝手に思っているんです。櫻子だけだとただ元気いっぱいで、何も考えていないような雰囲気になるので、ほんわかした家族愛の空気を担っているのは撫子と花子だと思います。そんなふたりを演じている千和さんと里菜ちゃんには「大室家の要になってくれてありがとう」という気持ちでいっぱいです。
三森 私はおふたりとは『ゆるゆり』のアフレコで初めてご一緒したのですが、英美里さんたちがリアルな大室家の空気感を出していて、それが面白かったです。とても居心地のよい現場だと感じましたね。
加藤 私たちキャストの年齢感的にも三姉妹みたいになっているので、現場でも三姉妹の空気みたいなものが生まれるのだと思います。もちろん、実際の私たちは、櫻子たちとは会話のテンポやテンション感は違います。でも、たとえば舞台挨拶の控室の会話などでは、気持ちの面で三姉妹になるんですよね。そういうところも、アニメの空気感に反映されているような気がしています。

――おふたりは『大室家』ならではの見どころは、どんな部分にあると思っていますか?
加藤 『ゆるゆり』より「愛」というテーマへの比重が大きいように思います。撫子、櫻子、花子、それぞれの年代での「愛」の描き方が違うと思っていまして。花子たちは友情の中で生まれる親愛的なものですし、櫻子と向日葵は幼なじみから発展する愛情で、撫子たちの間ではもっと複雑な愛が描かれています。世代ごとのテーマ性の違いが『大室家』の面白さなのかなと思いますね。
三森 『ゆるゆり』では不憫なあかりちゃんがいじられているとか、ごらく部の子たちの楽しい雰囲気がそのまま作品のイメージになっていたと思うんです。『大室家』ではギャグよりも「愛」のテーマがより濃く描かれているのかなと思うんですよね。「大人な『ゆるゆり』」みたいなところがあって、これはこれで楽しいなと思います。あと『ゆるゆり』のときは学校が中心で、あまり家庭のことが描かれていなかったじゃないですか。『大室家』は櫻子たちの生活が見えて「普段こんな風にしているんだな」とわかるので、そこも作品ならではの面白さだと思います。endmark

加藤英美里
かとうえみり 東京都出身。11月26日生まれ。スターダストプロモーション所属。主な出演作に『〈物語〉』シリーズ(八九寺真宵役)、『SPY×FAMILY』(ベッキー・ブラックベル役)、『魔法少女まどか☆マギカ』(キュゥべえ役)など。
三森すずこ
みもりすずこ 東京都出身。6月28日生まれ。響所属。主な出演作に『ヒーリングっど♥プリキュア』(風鈴アスミ/キュアアース役)、『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』(神楽ひかり役)、『影の実力者になりたくて!』(ガンマ役)など。
作品情報


『大室家 dear friends』
2024年6月21日より劇場公開!

  • ©なもり・一迅社/「大室家」製作委員会