アムロに影響を与えたのはマチルダ、ララァ、そしてシャア
- ここからは『機動戦士Ζガンダム』と『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に登場するキャラクターたちについての話題となる。とくにクェス・パラヤについてのアムロの感覚を知ってから『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』を観賞すると、ラスト付近でアムロが戦いを迷うハサウェイにアドバイスをしに来た理由がわかると思う。
■ベルトーチカ・イルマ(CV 川村万梨阿)
古谷 ベルトーチカについては『機動戦士Ζガンダム』の回でたくさんお話したので、そちらをご覧ください。金髪で、美人で、気が強いというキャラクターですが、これは富野監督の趣味だと思っています(笑)。ああいう女性が好きなんじゃないかな、監督は。
■チェーン・アギ(CV 弥生みつき)
古谷 これも『逆襲のシャア』の回でお話しましたが、個人的にはチェーンがいちばん好きな女性キャラクターなんです。アムロ自身もそうなんじゃないかなと思っているんですけどね。『逆襲のシャア』ではケーラ・スゥという女性キャラクターも登場しますが、こちらは完全な仕事仲間というか、信頼できる部下としての立ち位置でしたね。ケーラにはアストナージという恋人もいたし、それを含めた仲間という感覚だったのだろうと思います。
■クェス・パラヤ(CV 川村万梨阿)
古谷 クェスという少女は、アムロにとってはそれほど関係性の深いキャラクターではないんですよね。むしろハサウェイにとってのララァみたいな存在で、アムロとは世代が違いすぎるから恋愛対象にもなり得ない。そもそもアムロにはチェーンがいるし、シャアですらナナイがいると言っていますから完全に子供扱いなんですね。アムロやシャアといった大人にはいいようにあしらわれてしまうわけですが、クェスはその才能のせいで不幸になってしまう。ハサウェイが後に『閃光のハサウェイ』でテロリストになってしまうのを見ると、クェスの存在がいかに大きかったのかがわかります。アムロにしてみれば、カミーユやカツのこともあったわけで、ハサウェイにとってクェスが破滅を呼ぶ女性だということはわかっていたように思います。だから何度も警告をするんですが、それを聞き入れてくれるなら苦労はないわけで(笑)。また、シャアが同じ過ちを繰り返している自覚がありながらクェスを戦争の道具にしてしまうから、なおさらアムロにとっては腹立たしいんでしょうね。
川村万梨阿さんとは『機動戦士Ζガンダム』以来の共演になるんですが、じつはそのあいだって3年しか経過していないんですよね。ベルトーチカよりもクェスのほうが合っていると思いましたが、先ほども言ったように、これは富野監督の好みなんだろうなと思いました。でも、クェスの声って川村万梨阿さんじゃないとダメというか、彼女が持っている声質とキャラクターのビジュアルや性格がとてもマッチしていると思いますね。