TOPICS 2021.04.09 │ 00:00

『進撃の巨人』の原点 諫山創×川窪慎太郎 ロング対談

2021年4月9日発売の『別冊少年マガジン』(講談社)5月号にて『進撃の巨人』がついに最終話を迎えた。作中に多く散りばめられた謎と衝撃的な展開で読者を夢中にさせてきた、前代未聞のヒロイックファンタジーを創り上げた作家・諫山創と担当編集・川窪慎太郎が考える作品の原点、その核とは――。ここではFebri Vol.42で掲載したふたりの対談記事を再掲載。その軌跡を振り返る。

取材・文/岡本大介 撮影/雪岡直樹

※雑誌Febri Vol.42(2017年6月発売)に掲載された記事の再掲です。

諌山創 Q&A

好きな音楽から休日の過ごし方、果てはifな質問まで、一問一答形式で作家・諫山創の素顔、そして知られざる生態(!?)を徹底解明!

Q オフの過ごし方は?
A ゲーム。最近は甥っ子と姪っ子が遊びにくるので、とりあえずコントローラーを持たせて一緒に『Splatoon(スプラトゥーン)』をプレイしています。
Q 最近、お気に入りのマンガは?
A 『僕たちがやりました』。原作者は『週マガ』同期の金城宗幸くんで、これが本当にスゴい作品なんです。最初こそ同期作家というひいき目があったかもしれませんが、途中から「あれ? これ、マジで名作なんじゃ……?」と恐れおののきました。とんでもないものを作ってくれたなと、同期としてとてもうれしいです。
Q 仕事の必須道具は?
A 9ミリの2Bの芯。太くて柔らかいので、すぐに消せるのが気に入っている理由。メーカーの違いはよくわからないので、規格に合っていれば何でもOKです。
Q 『進撃の巨人』でお気に入りのキャラは?
A ライナー。そのときどきによってお気に入りのキャラは変わっていくんですが、今はライナーです。もっともっとライナーが描きたいですねえ。
Q 最近、お気に入りの音楽は?
A 清竜人(きよしりゅうじん)。オールタイムベストはアニメ『進撃の巨人』でEDを歌ってもらっている神聖かまってちゃんですが、最近はCreepy Nutsと清竜人がお気に入りです。とくに、清竜人は提供曲も含めて外れが1個も見当たらなくて、もう驚異的な打率。歌って踊れるヒャダインさんという感じですね。
Q 最近、お気に入りのゲームは?
A Wii U 『Splatoon(スプラトゥーン)』。発売されてから2年以上経ちますが、ずっとプレイし続けています。かけた時間に対してはヘタクソだと思いますが、それでも自分が努力したことで初めてたしかな「何か」を得られたなと思うくらいには上達しました。まったく飽きないですね!
Q マンガを描き始めたのはいつ?
A 高校2年生。落書きを含めると保育園の頃になりますけど、しっかりとコマを割ってマンガを描き始めたのは高校2年生だったと思います。
Q 平均睡眠時間は?
A 約8時間。連載初期の頃はもっと少なかったんですが、最近はしっかり寝ないともうやっていられなくなってきました。
Q 最近の趣味は?
A 海外ドラマ鑑賞。今は7月から放送される『ゲーム・オブ・スローンズ』第7シーズンを心待ちにしています。あとは『ハウス・オブ・カード』に手を出そうかどうか迷っている状態。スゴいドラマは『ワンピース』を1週間で全巻読破するくらいの体力を使うので、足を踏み入れるのが怖くもあるんですよね(笑)。
Q もしマンガ家になっていなかったら?
A ダメ社会人。ただ、可能なら工芸品とかを作る人になりたい。以前ネットカフェでバイトしていたとき、誰がどれだけ汚そうが毎回ピッカピカにしてやる、とブース清掃に命を賭けていて、ニーチェ的な高みに昇った気がしたんです(笑)。それも、今考えると職人気質の一端なのかな、と。
Q 地元(大分県)のよいところは?
A 美味しい梅酒。地元アピール的なことを言えば、大変美味しい梅酒がございます。僕の実家は梅農家なので、これ以上ない身内の宣伝になりますけど、ぜひ、梅酒『ゆめひびき』をごひいきに(笑)。
Q もし、壁内に住んでいたら何をやっていた?
A 農民。あらゆる責任から逃れたいので(笑)、辺境で野菜を作りながら暮らしたいです。それはそれで大変だと思いますけど、兵士には絶対になりません。
Q マンガ家になってよかったと思うことは?
A すべて。マンガ家になれていなかったら、きっと体調を崩してコンビニにすらひとりで行けなくなっていたと思います。わりと本気で(笑)。
Q 最近のお気に入り映画は?
A 『イット・フォローズ』。ここまで怖いと思ったホラー映画は初めてかもしれません。もちろん、内容も素晴らしいうえ、ホラー映画における「お土産」がスゴいんです。自宅で起こる話なので、その後、2週間くらいは家でビクビクしっぱなしでした。
Q ネタに詰まった際の対処法は?
A エンタメ作品鑑賞。映画やドラマ、マンガなどを見て、自分が好きなものを探します。ただ、世界には一生かかっても味わい尽くせないほど名作があふれているので、それだけ見ていれば人生ずっと感動し続けられますよね。ときどき、僕がマンガを描く必要なんてないんじゃないかって(笑)。
Q 上京時の東京への第一印象は?
A 意外と親しみがあるな。江古田の踏切で、なぜか降りてきた遮断機に頭をぶつけました。東京って意外とビルばかりじゃないんだなと、安心した記憶があります(笑)。
諫山創
いさやまはじめ。大分県出身。2008年、第81回週刊少年マガジン新人漫画賞に入選した『orz』で商業誌デビュー。2009年より連載中の『進撃の巨人』で第35回講談社漫画賞少年部門を受賞。
川窪慎太郎
かわくぼしんたろう。2006年、講談社に入社。同年より『週刊少年マガジン』編集部に配属され、現在は副編集長を務める。これまでの主な担当作品に『進撃の巨人』『ふらいんぐうぃっち』など。