最初は「しっかりした子だな」と思っていたけれど……
――小雨はスナックの新人アルバイトですが、演じる宮本さんはこれまでスナックに行ったことはありますか?
宮本 じつは2年くらい前に、たまたまこの作品と関連のない流れで行ったことがあったんですよ。別の作品のスタッフさんに「スナックって行ったことある?」と聞かれて。お酒も好きだし、興味があったので、連れて行っていただいて、お店のママと一緒にピンクレディーを歌ったりしました。昭和の曲が大好きなので、お店のママや常連さんたちと一緒に盛り上がれたのがすごく心地よくて、楽しかったです。
――となると、もうこの作品に出演するべくして出演した感じですね。小雨という役には、どんな印象を持っていますか?
宮本 ギャグマンガのツッコミポジションだけど、ガツガツとはいかずに一歩引いて明美とママたちの会話を見ている。客観視のできている、しっかりした女の子だな……と思って最初は原作を読み進めていたんです。この作品の中では常識人かもしれないな、と。でも、だんだんと「あれ? ちょっとおバカな部分があるかもしれないぞ?」と思うようになって(笑)。だからアフレコ前の役作りでは、あまりしっかりしていない、少し抜けたところがある女の子を目指しました。
荒ぶるシーンでも心はフラットに
――演じていて、小雨のどんなところが魅力的だと思いますか?
宮本 抜けているところに加えて、トゲがないところですね。ツッコミを入れつつも、愛がある。お客さんを決して邪険に扱わない。どこか言動に優しさがあるのが好きです。実際に演じているときも、ツッコミを入れすぎると、常連さんたちも明美たちも楽しめなくなってしまうので、ツッコミながらも、その場の笑いの空気を乱さないことを強く意識しています。
――いきなりものすごい勢いでお酒を飲み出したり、思わぬ行動に出てまわりを驚かせることもある小雨ですが、その部分と先ほど聞いたような優しさ、柔らかさとのギャップはどのように考えていますか?
宮本 その塩梅はたしかに難しいです。私としては、破天荒な子ではないと思っているんですよ。普段、落ち着いている子の挙動が少しおかしくなると、それだけでインパクトが出る、ということなのかなと。だから、あまり激しくならないように、むしろそういうときでもセリフの印象はなるべくフラットになるように、とにかく気持ちを安定させながら演じています。そこに乗ってくる映像や動きのおかしさとの取り合わせから面白さ感じ取っていただけるとうれしいです。