TOPICS 2023.09.25 │ 18:00

『SYNDUALITY Noir』
青山なぎさが語る歌姫シエルのステージと役作り③

荒廃した近未来を舞台に、たくましく生きる主人公たちの姿を描いたアニメ『SYNDUALITY Noir』。その作中で歌姫として登場するシエル役・青山なぎさへの全3回のインタビュー。その最終回となる第3回は、アニメの映像や今後の見どころについて語ってもらった。

取材・文/岡本大介 撮影/松本祐亮

完成した映像に圧倒された第7話の戦闘シーン

――完成した本編の映像を見て、印象に残ったシーンはありますか?
青山 第7話の「眩惑Desire」が流れる戦闘シーンは本当に驚きました。じつは映像が完成する前に、制作途中のCGムービーを見せてもらっていたのですが、その時点でめちゃめちゃ迫力があって「完成したらどうなるんだろう?」と思っていたんです。完成した映像は私の想像をはるかに超えていて、圧倒されました。ずっとポカンと口を開けながら見ていた気がします(笑)。スタッフさんたちの情熱や魂が詰まったシーンだなと感じました。

――歌ともとてもマッチしていましたね。
青山 そうですね。しかもこの戦闘シーンにはSEが一切入っていなくて、純粋に「眩惑Desire」の楽曲だけが流れるんですよね。そのことで余計に集中力が増すような感じがして、それも面白いなと思いました。

――続く第8話の「You&(A)I」のライブシーンも素晴らしかったです。
青山 第7話とはガラッと雰囲気が変わりましたよね。シエルがここまで自然な笑顔を見せたことってあまりなかった気がするので、歌うことを思いっきり楽しんでいる彼女の笑顔を見て「シエルってこんなにかわいい表情をするんだ」と私もうれしくなりました。ステージの背景映像も近未来的でしたし、斬新でしたよね。

――この2曲は青山さんが歌う実写MVも公開されていますが、そちらと見比べても楽しいですよね。
青山 そうかもしれません。私も「眩惑Desire」ではほとんど笑っていないですし、逆に「You&(A)I」では笑顔多めなので、そこはアニメを意識してリンクさせています。それぞれの曲でテンションがまったく違うので、実写MVもアニメも、どちらも見ていただけたらうれしいです。

荒廃した世界だからこそ、人と人との関係性の強さを感じる

――ちなみに、シエル以外でとくに好きなキャラクターはいますか?
青山 トキオです。シンプルにビジュアルがタイプということもあるんですけど(笑)、キャラクターとしてもすごく魅力的ですよね。最初は「ちょっとおちゃらけたところのある兄貴分」というポジションでしたけど、お話が進むにつれてだんだんと印象が変わっていって、思った以上に大きなバックボーンを抱えている雰囲気が好きです。これから先も、私が知らない一面を見せてくれるんじゃないかと期待しています。

――AIの存在や荒廃した世界など、作品が内包するテーマについて何か感じることはありますか?
青山 私たちが暮らしている社会と比べると、人と人の関係性が濃いというか、絆の強さのようなものを感じますね。トキオとマイケルも、一見すると犬猿の仲ですけど、それでもどこかでお互いのことを思いやっていたり、ときには協力したりするじゃないですか。それってやっぱり荒廃してしまった世界だからこそなのかなって思うんです。お互いに力を合わせないと生きていけなくて、そのためには人を思う優しさが大切なんだなというのは感じますね。過酷な世界観ではありますけど、この作品からどこか前向きなパワーを感じるのは、この人と人との絆があるからなんだと思います。

――AIの描かれ方についてはいかがですか?
青山 現実の世界でもAIやロボットはどんどん進化していて、やがて人間の仕事が奪われてしまうんじゃないかという危機感もあるじゃないですか。そういう意味では、この作品で描かれている人間とメイガスって、わりと未来の理想的な関係を築いているなって思います。

――理想の未来像のひとつかもしれませんね。
青山 でも一方で、人間って進化もするけど退化もするんじゃないかと思っていて。身のまわりのことや仕事をAIが代わりにやってくれる世界になったら、私たちは自分で考えたり作業したりする力がなくなっていくかもしれない。前に進もうとする気持ちもそうですし、なんなら噛む力がいらなくなってどんどん顎が細くなっていくとか(笑)。実際にどうなるのかはわからないですけど、AIが進歩していくことに対して人間がこの先どう変わっていくんだろう、ということは単純に気になります。

カナタを巡る四角関係の行方にも注目!?

――TVアニメも残すところあと1話となりましたが、2クール目の放送も決定しました。今の心境はいかがですか?
青山 続編については「それはそうですよね」、と(笑)。回を重ねるごとに謎が増えてきているので、まさかここで終わらないよねとは思っていました。1クール目の怒涛の最終回を楽しみつつも、今後の展開を楽しみにしていただきたいです。アニメを第1話から見返していただくといろいろと新たな発見があると思うんですけど、個人的には公式WEBラジオ番組の「ロックタウン放送局」もぜひ聞いていただきたいんです。毎回けっこう深いところまでお話しされているので、第2クールを迎えるにあたっても、作品の理解がより深まるんじゃないかなと思います。

――シエルのファンとしては、カナタを巡る恋愛要素も楽しみなところです。
青山 第7話まではシエルがかなり先行していましたけど、第8話でエリーの株が急上昇しましたからね。さらにこのふたりにノワールがどう関わってくるのかも気になりますし、そちらのバトルにも興味は尽きないです。endmark

青山なぎさ
あおやまなぎさ 5月16日生まれ。東京都出身。Apollo Bay所属。『ラブライブ!スーパースター!!』一般公募オーディションを経て、葉月 恋役で声優としてデビューを果たす。趣味はミュージカル鑑賞・小鳥と戯れること。特技はクラシックバレエ。
作品情報

『SYNDUALITY Noir』
毎週月曜テレビ東京系6局ネット・BS日テレにて好評放送中!
ディズニープラスで配信中!

  • ©SYNDUALITY Noir Committee