TOPICS 2023.04.19 │ 12:03

古き良き海外ドラマを感じさせるアニメ 『THE MARGINAL SERVICE』
迫井政行監督インタビュー②

4月から放送がスタートした『THE MARGINAL SERVICE』は70~80年代の海外ドラマの空気を感じさせるアニメ。迫井政行監督へのインタビュー第2回は、クセが強すぎる登場キャラクターたちについて聞いた。

取材・文/福西輝明

「水と油」なブライアンとゼノの関係

――本作の主人公であるブライアンと、その相棒となるゼノは、どういうコンビとして描こうと考えたのでしょうか?
迫井 まずブライアンは無鉄砲だけど正義感あふれる熱血漢。対するゼノは≪マージナルサービス≫のリーダー的存在で、冷静沈着な個人主義者。こんな水と油のようなふたりが最初からうまくいくはずもなく、ゼノはブライアンを徹底して邪魔者扱いするけど、じつはそこには深い理由が……という感じのコンビですね。物語序盤では、かたくななゼノになんとか振り向いてもらおうと、ブライアンが一生懸命に追いかける。傍(はた)から見るとそれは「片思い」のように見えるかもしれません。たとえるなら、海外の刑事ドラマなどでよく見られる、有能で頑固なベテランと、血気盛んな新人の構図です。

©THE MARGINAL SERVICE PROJECT

――ブライアン役の宮野真守さんとゼノ役の森川智之さんは、洋画の吹き替えもよく担当しているので、海外ドラマがモチーフの本作の中核にいると見ていて安心というか、安定感がありますね。
迫井 ゼノをのぞく登場人物たちはどこかおちゃらけた部分があるのですが、それぞれ固執しているものや辛い過去など、内面にさまざまなものを抱えているんです。軽妙なやり取りからも、そうした芯の部分を感じられるのは、役者さんたちのお芝居があってこそだと思います。

ボルツとロビンは「筋肉担当」

――ブライアンとゼノに対して、ボルツとロビンは「お笑い担当」のような感じですか?
迫井 そうですね。彼らはいわば「筋肉担当」ですかね(笑)。軽口をたたき合うけど、お互いにどちらが上かを競い合うライバル関係というか。ただ、ロビンがあれこれちょっかいをかけまくるけど、ボルツはまったく意に介さず筋トレ一筋、みたいな感じですが。

©THE MARGINAL SERVICE PROJECT

――第2話はボルツ&ロビン回でしたが、『コマンドー』や『プレデター』といった洋画ネタが盛り込まれていましたね。
迫井 洋画のパロディ要素は、基本的にシリーズ構成の猪原(健太)さんが入れてくださっています。70~80年代の洋画や海外ドラマをモチーフとして描くうえで、ちょっとした彩りを添えるためにパロディネタを味付け程度に入れているんです。元ネタをご存じの方にニヤリとしてもらえれば、と(笑)。

――ボルツが「山岳部で戦うときは、身体に泥を塗れば見えなくなるんだ」という『プレデター』ネタをぶっこんできたときは、ちょっと笑ってしまいました。
迫井 杉田さんのお芝居もシュワルツェネッガーに寄せているようにみえましたね(笑)。最初はもっと感情豊かなキャラ付けだったんですが、「あまり感情を乗せず、朴訥(ぼくとつ)とした感じでお願いします」と指示を出したら、すぐにこちらの意図を察してくださいました。特定の俳優の名前は出していないんですけど、すごくハマっていました。

≪マージナルサービス≫は社会のはみ出し者……?

――≪マージナルサービス≫のメンバーはクセが強い人ばかりですが、どういう人が選ばれているのでしょうか?
迫井 ≪マージナルサービス≫のメンバーは最年長者のセオドアがスカウトしているのですが、突出した能力があるのはもちろん、過去に何らかの傷があって、なおかつ一般社会から外れた人を選んでいるようです。ブライアンは元刑事ですが、事件解決のためなら手段を選ばず、周囲から煙たがられていました。言うなれば、一般社会に居場所がない「社会のはみ出し者」で、そういう意味では彼らも「境界人」といえるかもしれません。

――コスチュームも独特のデザインですよね。
迫井 もともと奇抜なものにしたいとは思っていたのですが、既存作品にないものとしてプロデューサーがニッカポッカを推していたんです。でも、僕としては受け狙いだけでニッカポッカを採用したくなくて、何らかの意味を持たせたかった。それでニッカポッカがマッチするフィールドということで、第1話で≪境界人≫のアジトを工事現場にしたんです。また、デザインワークスのあきづきりょうさんが、ニッカポッカの要素を入れつつも洗練されたユニフォームとしてデザインをまとめてくださいました。ユニフォームだけを見るとそれなりにカッコいいのですが、工事現場で使うようなダサめのヘルメットでカッコよさから一本外しているさまが、ぶっ飛んだ作品性を象徴しているようで大変気に入りました。

©THE MARGINAL SERVICE PROJECT

――今後の見どころについて教えてください。
迫井 今後は≪マージナルサービス≫とも何やら関係のありそうなラバー・スーツが登場します。そして、ここから≪境界人≫たちが関わっているさまざまな事件の真相が明かされていきます。面白さが加速していく物語にご注目ください。endmark

迫井政行
さこいまさゆき 1974年生まれ、鹿児島県出身。TVアニメ『Strawberry Panic』で初監督を務める。その他の主な監督作は『天体のメソッド』『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン』『慎重勇者〜この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる〜』『A3! SEASON AUTUMN & WINTER』など。
作品情報

オリジナルTVアニメ『THE MARGINAL SERVICE』

日本テレビ 2023年4月11日より 毎週火曜25:29~
サンテレビ 2023年4月11日より 毎週火曜25:30~
KBS京都  2023年4月11日より 毎週火曜25:30~
テレビ愛知 2023年4月11日より 毎週火曜25:30~
BS日テレ  2023年4月12日より 毎週水曜24:30~
TVQ九州放送 2023年4月15日より 毎週土曜 6:30~
AT-X     2023年6月9日より 毎週金曜20:00~
       [リピート放送]毎週火曜 8:00~ 毎週木曜 14:00~
※放送日時は予告なく変更となる場合がございます。

  • ©THE MARGINAL SERVICE PROJECT