TOPICS 2023.03.20 │ 12:00

『東京リベンジャーズ 聖夜決戦編』 キャラクターリコメンド⑩三ツ谷隆

2023年1月より「聖夜決戦編」が放送中のTVアニメ『東京リベンジャーズ』。過去と現代を行き来するタイムリープサスペンスだが、その中でもキャラクターたちの絆や因縁といった密な関係性を魅力的に描いた作品だ。この特集では物語を動かすメインキャラクターをFebri視点で紹介。第10回は「東京卍會」のまとめ役の三ツ谷隆をピックアップ。

取材・文/岡本大介

※本記事には物語の核心に触れる部分がございますので、ご注意ください。

自分の役割から決して逃げない。居場所を守り抜く者

「力は守る為に使えよ」

「東京卍會」の弐番隊隊長で、創設メンバーのひとり、三ツ谷隆(以下、三ツ谷)。自由奔放なマイキーと、その世話に追われがちなドラケンに代わり、メンバーのまとめ役として信頼されている。血の気の多いメンバーが多い中、性格はかなり温厚。集会初参加のタケミチを威嚇するメンバーをたしなめるなど、誰に対しても平等に親切だ。また、ケンカの際はつねに戦況を把握しつつ、ときにはタケミチにハッパをかけるなど周囲への気配りも欠かさない。

さらに不良らしからぬ洒落たファッションセンスや、学校では手芸部の部長を務めるなど、「不良なのに○○」を地でいくギャップが魅力……と「血のハロウィン編」までの三ツ谷であれば、そんな説明でもよかったかもしれない。しかし、三ツ谷は「聖夜決戦編」でその魅力をさらに広げている。「8・3抗争編」「血のハロウィン編」で彼が教えてくれたのは「居場所」の大切さであり、さらに「聖夜決戦編」ではそれを守るための「意地」を見せてくれた。それぞれ説明していこう。

そもそも三ツ谷はロールプレイに長(た)けたキャラクターである。家庭では優しくて面倒見の良い「兄」、学校では周囲からの信頼厚い「部長」、「東京卍會」では冷静な「まとめ役」、そして八戒との関係では、道を示す正しい「兄貴分」として、それぞれの場所で微妙に異なる役割を担っている。三ツ谷にとってはいくつもの「居場所」があることが大切で、それはきっと私たちも同じはずだ。「ひとつでは、多すぎる」という言葉があるが、三ツ谷の価値観や思考は、私たちにそんな気づきを与えてくれる。

さらに「聖夜決戦編」で見せた「意地」についてだが、これは言うまでもなく(柴)大寿とのタイマンだ。相手が格上であることを理解したうえで、それでも大寿に食らいついていく三ツ谷。面白いのは、三ツ谷は大寿に向けて「意地」を見せたわけではなく、あくまで八戒に向けて「意地」を見せつけたということ。「八戒の兄貴分」という役割から絶対に逃げないという意思表示のようにも受け取れる。手芸部の黒板に「余りムリせず楽しく!!」とアドバイスを書き綴っている三ツ谷は、本来であれば圧倒的な格上に単独で挑むようなマネは決してしない。人生には往々にして「今ここだけは絶対に引けない」という場面が訪れるものだが、そんなときは大寿に立ち向かう「柄にもない」三ツ谷の勇姿を思い出し、己を奮い立たせたいものだ。endmark

作品情報

TVアニメ『東京リベンジャーズ』聖夜決戦編
好評放送中
ディズニープラスにて世界定額制動画配信(SVOD)独占配信

  • Ⓒ和久井健・講談社/アニメ「東京リベンジャーズ」製作委員会