TOPICS 2023.02.22 │ 12:00

『東京リベンジャーズ 聖夜決戦編』キャラクターリコメンド③松野千冬

黒龍(ブラックドラゴン)と対峙する「聖夜決戦編」が佳境を迎えつつあるTVアニメ『東京リベンジャーズ』。キャラクターリコメンド第3回は「東京卍會(以下、東卍)」の壱番隊副隊長にて、花垣武道が絶対的な信頼を寄せる男、松野千冬を掘り下げる。

取材・文/森 樹

※本記事には物語の核心に触れる部分がございますので、ご注意ください。

信じたものを受け入れる器のデカさ

「誰も見てねぇのにひとりで戦った。オレはオマエを尊敬する」

花垣武道(以下、タケミチ)はタイムリープを繰り返すなかで、恋人である橘日向(以下、ヒナ)の死に大きく関わった組織「東京卍會(以下、東卍)」で友人を増やしていく。総長の佐野万次郎(以下、マイキー)や副総長の龍宮寺堅(以下、ドラケン)に気に入られるが、タケミチにとってふたりは憧れの存在であった。その一方で、タケミチが肩肘張らずに付き合うことができ、替えのきかない相棒となった人物とも東卍で出会っている。過去でも現代でも重要なパートナーとなった松野千冬である。

東卍の壱番隊副隊長であった千冬は、タケミチと精神性が近く、似た者同士であった。タケミチは一度信じた人を裏切らないが、千冬もまた組織の壱番隊隊長である場地圭介に崇拝ともいえる信頼を置いていた。対立組織である芭流覇羅(バルハラ)に寝返った場地から「踏み絵」代わりに壮絶なリンチを受けても、その裏に策略があると確信して疑わなかったのである(事実、場地は東卍の内部崩壊を企む稀咲鉄太の出方を探っていた)。痛めつけられても、それが正しいと思えば耐え忍ぶ強さ。それはふたりの共通点といえるだろう。

そんな筋の通った生き方をしている千冬から見ても、東卍で徐々にのし上がってきたタケミチの想いの強さは驚異的であり、次第に感化されていく。喧嘩は弱いが、決して折れない心で周囲に影響を与えていくタケミチに惚れた千冬は、場地の死によりポストが空いた壱番隊の隊長に彼を任命する。千冬にとって場地の存在は絶対的であり、代わりなど考えられなかった。だからこそ千冬は隊を引っ張る新たな頭として、気の置けない友達である「タケミッち」を選んだ。別の見方をすれば、それは場地の不在を埋める、唯一の手段であったともいえるだろう。

一度信じたものを裏切らない千冬の強さは、タケミチから過去と現代を行き来できるタイムリーパーであることを打ち明けられたときにも見られた。驚きの表情こそ浮かべたが、あっさりとそれを受け入れたのである。千冬はすべての状況を理解していなかったかもしれないが、それが本当であるかどうかはさほど重要ではない。相棒が苦しんでいれば助け、その負担をできれば「半分こ」にする。かつて場地がペヤングを分けてくれたときのように、相棒なら幸福も苦しみも二等分。それが当然だと信じて疑わないのが、松野千冬という人間なのである。endmark

作品情報

TVアニメ『東京リベンジャーズ』聖夜決戦編
好評放送中
ディズニープラスにて世界定額制動画配信(SVOD)独占配信

  • Ⓒ和久井健・講談社/アニメ「東京リベンジャーズ」製作委員会