TOPICS 2023.03.07 │ 12:00

『東京リベンジャーズ 聖夜決戦編』 キャラクターリコメンド⑧ 乾青宗&九井一

TVアニメ『東京リベンジャーズ 聖夜決戦編』のメインキャラクターの一角を担う乾青宗と九井一。息の合った役割分担で「武」と「知」の二方面から十代目「黒龍」を支えてきたふたりは、一方でさまざまな事情を抱えているように見える。今回はそんな彼らについて、現在明らかになっていることと、まだ見えていない謎を整理。ふたりを掘り下げるうえで注目したい疑問点を洗い出した。

取材・文/後藤悠里奈

※本記事には物語の核心に触れる部分がございますので、ご注意ください。

武力と頭脳を誇る黒龍コンビに迫るための3つの「ピース」

「……オマエはどうする?ココ」「当然オマエについてくよ」

2017年には犯罪組織「東京卍會」でともに最高幹部として名を連ね、2005年には暴走族「黒龍(ブラックドラゴン)」で十代目総長・柴大寿のもと特攻隊長と親衛隊長を務める乾青宗(いぬいせいしゅう)と九井一(ここのいはじめ)。現代でも過去でも行動をともにするふたりは、互いに「ココ」「イヌピー」と呼び合う仲のよさだ。

乾と九井をそれぞれひと言で表すなら、「武」と「知」であろう。「殺人部隊」とも謳(うた)われる最狂最悪の暴力集団・十代目黒龍の戦力を束ねる乾は、無口でクール。だが、一度舐(な)められたなら相手が女性だろうとお構いなしに刃物を突き付ける、冷徹で好戦的な武闘派だ。一方の九井は、どんな状況でも飄々とした、人を食ったような物言いが印象的。大寿の情報を探ろうとする花垣武道(以下、タケミチ)たちに10万円で情報を売るなど、金に目がなく、計算高い頭脳派である。

ふたりの関係性は、十代目黒龍の結成以前から続く。中学3年生の頃に少年院を退院した乾は、九代目黒龍が消滅したことを知ると、自らの手で黒龍を復活させることを決意。そんな乾に九井は、圧倒的な「力」の持ち主として大寿を紹介した。腕におぼえのあった乾は大寿に喧嘩をふっかけるも大敗。大寿の下につき従うことになる。九井もまたチームに加わり、こうして十代目黒龍が誕生したのだった。

これだけの情報を見ると、乾と九井は「性質は反対だが固い絆で結ばれた、一蓮托生の親友同士」のように思えるだろう。だが、ふたりの人物像を分析するためには、まだ足りないピースがいくつかある。

ひとつは、乾が「黒龍」というチームに強くこだわっている点。乾は九代目黒龍が消滅する前に先輩から「次の代をオマエに任せる」と言われていたようだが、こだわりの理由はそれだけではなさそうだ。「黒龍なんて忘れちまえ」という九井の助言に対して「いいよ オレ一人でも黒龍を甦(よみがえ)らす」という返答には、乾の意志の固さがうかがえた。彼はなぜそれほどまでに黒龍に執心しているのか?

もうひとつは、大寿が九井を十代目黒龍に加えた理由だ。黒龍に対して乾ほど強い感情を抱いていなかった九井をチームに引き入れたのは、大寿だった。だが、武闘派の乾はともかく、頭脳を売りにする九井は戦力としては物足りなさそうだし、単に頭がいいだけであれば、自身も頭の切れる大寿がわざわざ九井を組織に加える必要はなさそうだ。九井は、まだ見えていない強みを秘めているのかもしれない。

そして、乾が口にしていた「約束」という言葉も気になるところ。「聖夜決戦」の直前、「……オマエはどうしたい?ココ」と尋ねた乾に「決まってんじゃん、オレはオマエについてくぜ」と即答した九井。ふたりの絆の強さうかがえるやり取りのようにも思えるが、そんな九井に対して乾は「約束の為か?」と問いかけている。ふたりが一緒に行動しているのにも、単純に「仲がいい」というだけではない何か事情がありそうだ。

このように、乾と九井にはまだまだ見えていない面が多くある。「聖夜決戦」での敗北を機に大寿と袂(たもと)を分かち、十代目黒龍を離脱したふたり。彼らが何を考え、何を目的としているのか。今後、彼らがタケミチにとって敵となるのか、味方になるのか。それすらも現状では何とも言えない。だが、そんなミステリアスな部分もまた、このコンビの魅力なのである。endmark

作品情報

TVアニメ『東京リベンジャーズ』聖夜決戦編
好評放送中
ディズニープラスにて世界定額制動画配信(SVOD)独占配信

  • Ⓒ和久井健・講談社/アニメ「東京リベンジャーズ」製作委員会