――レイが想いを抱いているクレアの印象や、魅力を感じるポイントを教えてください。
芹澤　もう完全に萌えキャラですよね（笑）。クレア様は私たちに新しい萌えのかたちを提示してくれているように感じます。設定上は「悪役令嬢」で、レイにいろいろな意地悪をする悪役として振る舞っているはずなのに、第1話から今まで「嫌な子だな～」と思えるポイントがないんです。
愛美　そうそう、ずっとかわいいよね！　レイが一途に推し続けている気持ちもわかるし、周囲の生徒から人気を集めているのも納得です。心の根っこは善人なんだよね。
芹澤　ツンケンしているけど「どこが悪役やねん！」ってツッコみたくなるくらい、ずっとかわいい（笑）。

――クレアは最初のほうこそレイに意地悪を繰り返していましたが、だんだんと関係性が変わってきていますね。
愛美　このふたりのやりとりと関係性の変化が、私がニヤニヤしていた要因なんです。アフレコでも、私は（芹澤）優ちゃんとクレア役の奈波（果林）さんの掛け合いを後ろから見守っているのですが、もうニヤニヤが止まらない（笑）。ずっとツンケンしていたクレア様が、どんどん自然に受け入れるようになっているじゃないですか。そこがたまらないんです。
芹澤　レイがクレア様の好感度をじわじわ上げて、着実に攻略していっているのがわかるんですよね。かと思ったら、レイは「私のこと、嫌いですよね？」と聞いて、クレア様から「嫌いですわ！」って返されると、すっごいうれしそうな顔をするんですよ。クレア様が「悪役令嬢」らしく接してくれることが、レイにとっては最高にうれしくて「これでこそ私の推し！」という感じなんでしょうね。
愛美　第4話でモンスターが襲撃してきたとき、クレア様は片想いの相手であるセインと仲を深めるチャンスだったのに、レイが危ない目に遭ったのを見て取り乱す姿を見せました。いつの間にかクレア様の中で、レイが大きな存在になっていたのが垣間見えて。なんていうか、すっごく尊かった……。

芹澤　せっかくのチャンスだったのに、クレア様ったらセインとのフラグを折っちゃったからね。クレア様にとってレイが「そばにいて当たり前の存在」になっている感じがたまらなくいいですよね。

――レイの親友であるミシャについては、どんな人物だと感じましたか？
芹澤　ミシャは『わた推し』におけるオアシスというか、数少ない「心落ち着ける場所」なんです。レイはいつもテンションが高くて何を考えているかわからないし、クレア様は悪だくみしては空回りしているし。
愛美　『わた推し』の登場人物って、変な人ばっかりだよね（笑）。
芹澤　そうそう（笑）。でも、ミシャだけはずっと俯瞰した視点から、冷静に人間模様を見ているんです。それに、私から見てもちょっと様子のおかしいレイとずっと友達でいてくれるし、ちゃんと話を聞いてくれる。あまり感情の振れ幅がないから伝わりにくいかもしれないけど、すごくいい子なんです。
愛美　ミシャは本当に頼りになる親友キャラだと思います。いろいろな相談事に的確なアドバイスをくれそうだし、私もミシャみたいな親友がほしいです。
芹澤　『わた推し』の登場人物で、いちばん友達になってほしいキャラクターを挙げるなら、やっぱり私もミシャかな。レイは隣にいると面白いけど、頼りになる感じじゃないし。

愛美　あと物語序盤の魔力テストで「測定不能」で注目を集めたレイに隠れて、じつはミシャは2位にランクインしていたんです。他にも、ミシャはつねに成績トップクラスにいるんですけど、わりとサラッと流されているんですよね。また、いつも冷静沈着に見えますが、ちゃんと乙女心もある子なので、そのギャップでファンが増えるのではないかと思っています。
芹澤　ミシャが想いを寄せているユーに他の女性が近づいたりすると、顔が般若になっていたよね（笑）。

――第4話では、レイとクレアの絆が深まっているのがしっかり感じられましたが、今後の注目ポイントを教えてください。
芹澤　今後はレイにとって強力な恋のライバルとなる、マナリアが登場します。クレア様が「お姉さま」と呼ぶ憧れの存在なのですが、水樹奈々さんが演じられているんですよ。「中の人」も含めて強すぎるので「勝てるのかレイ!?」と心配になってしまいます。また、レイの心の根底には「クレア様の幸せのためには、自分がいないほうがいい」という想いあります。レイの明るさに陰りが差していく姿を見ると、ぐっとせつなくなることもあると思いますが、これからもレイとクレア様の恋を応援していただければと思います。
愛美　第4話で急にシリアス展開が始まって驚きましたが、その分、いろいろな人の心に響く内容になっていたんじゃないかと思います。個人的には、クレア様にお仕えしているメイドのレーネのお話も気になります。レーネまわりでは、身分の格差にからむエピソードが描かれますので、今後はレーネにも注目してみてください。