恋物語に隠された骨太な展開
――コミカライズやアニメの脚本を通して『虫かぶり姫』に触れた感想は?
羽多野 最初は本の虫であるエリアーナ嬢が、クリス(クリストファー)たちと触れ合っていくことで美しく変身していく物語なのかな?と思っていましたが、予想以上に骨太なストーリー展開で驚きました。芯の通ったエリアーナの考えにクリスたちも影響を受けていき、人の上に立つとはどういうことか、平和とはどういうことか考えさせられましたね。また、エリアーナとクリスの恋模様を中心に描きながらも、背景やまわりの登場人物まで丁寧に描写しているところはとても魅力的です。みんなとっても個性的なので、画面が華やか&賑やかですね! 恋愛のドキドキ以外にも心が癒される瞬間があったり、見ているといろいろな感情に包まれます。
――本作の主人公であるエリアーナのどんなところに魅力を感じますか?
羽多野 根っからの本好きからくる膨大な知識で、国の諸問題を解決に導いていくところは、ただ美しいというだけでなく、凛としたかっこよさを感じますね。平和を望む心の強さが大きな魅力ではないかと思います。「本=先人からの知のギフト」というプライスレスな考え方にも尊さを感じます。
――羽多野さんが演じているテオドールの役作りはどのように進めましたか?
羽多野 クリスの叔父ということで、第1話のテストテイクでは上の年齢をイメージした役作りをしていたのですが、岩﨑(太郎)監督から「枯れすぎないで、現役バリバリな感じでお願いします」という演出をいただきました。ですので、これがもし乙女ゲームなら、しっかり恋愛対象キャラになるつもりで演じさせていただきました! エリアーナやクリスをやさしく見守りつつも、完全に引いたところにいるのではなく、頼り甲斐のある男性的な重さも感じていただけるように心がけましたね。
――他の男性キャラクターの印象も教えてください。
羽多野 クリスはとても聡明で愛情深い、というかやや嫉妬深いところもあるかわいい甥です。責任感の強い大人なところと、エリアーナに対する愛情表現が強すぎるところのギャップが青さを感じさせて愛しいですね。アレクセイはアニメでは会話シーンが少なめなのですが、彼の厳しい言動が作品にスパイスを与えていることは間違いないでしょう。仕事に対して真面目で忠実。職人気質な雰囲気がカッコいいです。グレンはクリスのよき理解者ですね。いつも朗(ほが)らかで、人間関係を円滑にしてくれるムードメーカー的な存在だと思います。その一方で、ひとたび戦闘になれば騎士として頼りになる男です。
不器用なふたりの恋の始まり
――エリアーナとクリスの関係性について、羽多野さんはどう感じますか?
羽多野 恋愛については、ふたりとも不器用なところがかわいいと感じますね。とくに印象に残っているのは子供時代の回想シーン。本を粗雑に扱うクリスを本気で叱るエリアーナが描かれた、ふたりのはじまりのシーンが好きです。あれはね……好きになっちゃいますよ(笑)。
――第6話以降は、政治や側室問題にからむ「王宮ドラマ」としての色が濃くなりましたが、羽多野さんはこの流れをどう感じたでしょうか?
羽多野 この作品が骨太な物語だと思ったのは、いろいろな角度からフォーカスしているからです。さらに大人なキャラクターたちが重厚な物語を紡いでいきます。緊迫するようなシーンがあったり、毎回目が離せません。そうした状況の中でも、聡明さが光るクリスとエリアーナの姿が印象的です。
――これまでの放送でとくに印象に残っているシーンは?
羽多野 テオドールの出演シーンになってしまいますが、第1話のBパート。視聴者の皆さんも、突然、城のみんながエリアーナに対して冷たく接してくることに驚かれたのではと思います。僕らキャストたちも少し戸惑いましたが、のちのエピソードでネタバラシがあるまで、エリアーナは孤独と疎外感に包まれていましたよね。AパートとBパートで全然空気が違いましたし、あれはなかなか心にくるものがありました……。僕も申し訳ないと思いながら、心を鬼にして淡々としたお芝居をしていました。
――これまでの収録でとくに印象に残っている出来事はありますか?
羽多野 ベルンシュタイン侯爵役の千葉進歩(ちばすすむ)さんと収録をご一緒したとき、「羽多野くんもこういう役をやるようになったんだね~」と温かい言葉をいただきました! 千葉さんには新人時代からいろいろな現場でお世話になっているので、大人な役でご一緒できるのがうれしかったですね。
――物語終盤の見どころや注目ポイントについて教えてください。
羽多野 エリアーナとクリス、ふたりの心の距離にご注目ください。本から得られる知識だけではなく、人を愛することについて深く考えさせられる物語です。ぜひ最後までじっくりとお楽しみください。
TVアニメ『虫かぶり姫』
好評放送・配信中
▼放送情報
AT-X 毎週木曜日21時00分~
【リピート放送】毎週月曜日9時00分~/毎週水曜日15時00分~
TOKYO MX 毎週木曜日23時30分~
関西テレビ 毎週木曜日26時55分~
BS日テレ 毎週木曜日24時30分~
dアニメストア 毎週木曜 23:30~
その他サイトにて順次配信中!
※放送・配信情報は変更となる可能性がございます
▼STAFF
原作:由唯(一迅社アイリスNEO/一迅社刊)
キャラクター原案:椎名咲月、喜久田ゆい
監督:岩﨑太郎
シリーズ構成:広田光毅
キャラクターデザイン:高橋瑞香
アニメーション制作:マッドハウス
OPテーマ:「Prologue」井口裕香
EDテーマ:「革表紙」伊東歌詞太郎
▼CAST
エリアーナ・ベルンシュタイン:上田麗奈
クリストファー・セルカーク・アッシェラルド:木村良平
アレクセイ・シュトラッサー:内山昂輝
グレン・アイゼナッハ:内田雄馬
テオドール・ウォーレン・アッシェラルド:羽多野渉
アラン・フェラーレ:佐藤元
アーヴィン・オランザ:阿座上洋平
アルフレッド・ベルンシュタイン:島﨑信長
ジャン:八代拓
▼Blu-ray&DVD
<第1巻>
発売日:23年1月25日 収録話数:第1話~第4話
Blu-ray
品番:ZMXZ-16181/価格:14,300円(税込)
DVD
品番:ZMBZ-16191/価格:12,100円(税込)
▼初回生産特典
・特製アウターケース ・キャラクターデザイン・高橋瑞香描き下ろしデジパック
・特製ブックレット(原作・由唯書き下ろし小説掲載)
▼毎回特典
・ノンクレジットOP、ED ・キャスト特典映像
<第2巻>
発売日:23年2月22日
<第3巻>
発売日:23年3月24日
- ©由唯・一迅社/虫かぶり姫製作委員会