役に近づきたいと思っていながら演じていた(原)
――ここまで演じてきたキャラクターへの想いを聞かせてください。
山田 いろいろなインタビューで、手塚とは共通点がないとお話してきたのですが、彼を演じるなかで、僕に足りないものを教えてもらっていた気がしています。だからこそ苦労はありましたが、楽しくもあり、そしてやりがいもありましたね。青学(せいがく)の部長としては、公演を重ねるたびにメンバーの結束力が増しているなと感じていました。みんな、しゃべりだしたら止まらないのですが、それぞれのパワーが同じ方向に向かったときに、どの学校にも負けない強さを感じて、部長としてのやりがいもありました。
原 僕は大石に似ている、と言っていただくことが多かったのですが、大石が持っている正義感などは自分には足りないものだと思っていて。演じている役だからこそ、原作を読むたびに自分と照らし合わせて、大石はすごいなと尊敬の気持ちが強くなっていったし、役に近づきたいと思いながら演じていましたね。
山田 原ちゃん(大石秀一郎役:原 貴和) には、役としてだけでなく、普段から副部長としてとても助けてもらっていました。僕が稽古場に行けないときに「この日、いないからよろしくね」って言うと、最初の頃は「どうしよう……」って困っていたのですが、六角公演の頃からは、人が変わったようにみんなをまとめてくれるようになって。なんのアドバイスもしていなかったし、むしろ何も言わないようにしていたのですが、原ちゃんの人柄ありきのやり方でまとめてくれるようになったんです。ウチにはこんなに心強い副部長がいたんだなって気がつきました。
原 いや、これ、照れるね! でも、みんなは結局、(山田)健登くんの言うことを聞くんです。集まってほしいときも、僕が言ってもみんな聞いてなくて、健登くんが言うと集まる(笑)。
一同 そんなことないよー!
持田 じゃあ、みんなのことを呼んでみて。
原 みんな、やるよー。
一同 (シーン)
原 ほらー!(笑) じゃあ、健登くん、言ってみて!
山田 やるよー。
一同 はーい!
原 なぜか声が響くんだよなー(笑)。はい、次はもっちー(不二周助役:持田悠生)。
持田 はい! 僕が演じた不二周助は、他の青学(せいがく)メンバーとはちょっとだけ違っていると思っていて。みんなは勝ちたいと思っているのに、不二自身は勝ちに執着がないんですよね。そこから始まって、立海公演で「みんなで勝ちたい」と思うまでの彼の心の動きを演じることができたのは、とても楽しかったです。
――役と似ているなと思うところはありますか?
持田 似ているところと言えば……顔がいいところですかね(笑)。
塩田 たしかに、顔がいいよ! 似てる!
持田 一期、すごいアシストしてくれるじゃん(笑)。でも、本当に役に近づけるように努力していました。
「みんなで一緒に高みを目指さないと」と思えた(富本)
塩田 僕ももっちーと同様、努力の塊である乾に近づけるように意識していましたね。たとえば、乾だったら部室に何番目に入るかなと考えてみて、きっといちばんだろうなって思ったから、稽古場に最初に入るようにしたり。僕はダンスや歌が得意ではなかったので、それこそ努力し続けて、乾というすばらしい存在に近づけるように稽古に臨んでいました。
持田 そういうことだったんだ! 最初の頃は稽古場に入るのは僕がいちばん早かったのですが、いつのまにか(塩田)一期が先に来るようになって。いつも一期いるなって思っていたんです。一期、すごいね!
塩田 ありがとう! 乾みたいにテニスの知識とかも追求し始めたらどんどん面白くなっちゃって。ここまで楽しく演じることができたのは、やっぱり乾 貞治という役に出会えたからだと思います。
富本 僕は、菊丸と一緒に成長できたなって思っています。氷帝公演で大石とダブルスを組めなくなったことをきっかけに菊丸が成長するという流れがあるのですが、そこで僕も成長できたかなと思っていて。それまでは自分さえできていればいいやって思っていたのですが、やっぱりひとりじゃダメなんだ、みんなで一緒に高みを目指さないとな、と思えたんです。
持田 たしかに、惣ちゃん(菊丸英二役:富本惣昭)はダンスレッスン中に他の人をよく見ていてくれて、稽古中の動画を見て指摘してくれたり、それをまとめてLINEのグループでも教えてくれて。青学(せいがく)のダンスリーダーだよね。
塩田 あれはすごかったよ。ありがとう! みんなが迷ったときにすっごい頼りにしていました。
富本 頼りにされるのはうれしいです。いや、照れるな。はいっ、最後は(大友)海!
大友 僕はラケットを持っているときと持っていないときの差が激しいという2面性がある役を演じさせてもらいましたが、今思うとふたりの異なるキャラクターを演じているような感じでした。性格も180度違うので、振り返ってみると役者としていい経験をしたなと思います。
――持っているときと持っていないとき、どちらの河村 隆が自分と似ていると思いますか?
大友 えっ!? どちらかと言えば……持っていないときのほうですね。
原 絶対、そうでしょ! 持っているときだったら大変。
塩田 でも、たまにスイッチ入るときがあるよね?
持田 ある! あれはどういうときなの?
大友 なんだろうね……たまにちょっとふざけたくなっちゃうときがあるんだよね。それがラケット持っているときと重なるのかな、と思っています。
- 山田健登
- やまだ けんと 5月29日生まれ、長崎県出身。
- 原 貴和
- はら たかかず 12月9日生まれ、山口県出身。
- 持田悠生
- もちだ はるき 7月13日生まれ、埼玉県出身。
- 塩田一期
- しおた いちご 12月22日生まれ、東京都出身。
- 富本惣昭
- とみもと そうしょう 7月21日生まれ、東京都出身。
- 大友 海
- おおとも かい 6月26日生まれ、三重県出身。
ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン Dream Live 2024
~Memorial Match~
原作 許斐 剛『テニスの王子様』(集英社 ジャンプ コミックス刊)
構成・演出 三浦 香
音楽 坂部 剛/Yu (vague)
振付 遠山晶司(梅棒)/YOU
主催 テニミュ製作委員会
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■ライブ配信・アーカイブ配信実施決定!
5月25日(土)12:00/17:00兵庫公演、6月2日(日)12:00/17:00(大千穐楽) 東京公演を動画配信サービス「U-NEXT」にてライブ配信・アーカイブ配信いたします。詳しくは下記URLよりご確認ください。
https://t.unext.jp/r/4th_dl2024
■Blu-ray/DVD発売決定!
2024年11月13日(水)にBlu-ray/DVDの発売が決定いたしました。
詳しくは下記URLよりご確認ください。
https://www.tennimu.com/discography/tennimu/fourth/4th_dl2024/
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- ©許斐 剛/集英社・テニミュ製作委員会