――前回、かぐやと早坂の関係について語ってもらいましたが、オンエアされたばかりの第4話では早坂のまた違った姿が見られましたね。
古賀　早坂が男の子の姿になった“ハーサカくん”が出てくるシーンがすごく好きなんです。ゆみりちゃん（花守ゆみり）がどういう風にハーサカくんを演じるのかすごく気になっていたので、それが見られてうれしかったですね。

――アフレコでの花守さんとの掛け合いはどんな様子だったのでしょうか？
古賀　今回、ゆみりちゃんと一緒に収録するのも久しぶりだったのですが、「あ、こんな感じだったな」と思い出しつつ「こう来るんだ」といった新たな発見もあって、さすがゆみりちゃんだなと感じました。隣に立っていてくれると、とにかくホッとするんですよ。早坂がそばにいるときのかぐやじゃないですけど、ゆみりちゃんへの安心感や甘えたい気持ちみたいなものが自分にもあるんだろうなと思います。すごく楽しい掛け合いでした。

――第1期から振り返って、古賀さんの中で変わったこと、成長したなと思うことを教えてください。
古賀　第1期が始まった頃は、とにかく「まわりの皆さんに置いていかれないようにしなきゃ、足を引っ張らないようにうまくやらなきゃ」という思いが強かったんです。それがやっていくにつれて「もっと遊んでいいんだ」とか、コメディからシリアスに切り替えるスイッチの入れ方とかを皆さんの背中から教えていただきました。

――余裕が出てきたのは第2期からでしょうか？
古賀　第2期になると「自分もやってやるぞ！　もっと笑わせてやる！」といった気持ちが芽生えてきましたね。でも、それは他のキャストの皆さんも一緒で。青山（譲）さんのような大ベテランの方でも「ここはいくぞ！」と前のめりなんですよ。いつまでも挑戦者であり続ける姿勢を学びました。長く続いているシリーズの現場だからこそ生まれるものや得られるものがありますし、私も作品への向き合い方が変わりました。作品にも共演者の皆さんにもすごく鍛えていただいたと思っています。

――第3期の収録で感じた変化はありましたか？
古賀　第3期では形態が変わって、グループ収録になったことが大きかったです。これまでは共演者の方と同じ空間でお芝居することによって、自分の演技を引き上げてもらったり、相乗効果が生まれたりすることがたくさんあったのですが、今回は自力でそこまで持ち上げなければいけなかったんです。一緒にいない相手の演技を自分で想像して演じるシーンも増えたので、そこは挑戦というか、気合が入りましたね。

――第1期や第2期を振り返って「あのときだったからこそ、あの演技ができた」、あるいは「今だったら違う演技になっていたかも」と思うシーンやセリフやありますか？
古賀　第1期のネイルを褒めてほしい回（第6話「かぐや様は気づかれたい」）は、まだ緊張の強かった当時の私が反映されていたと思いますし、逆に花火の回（第11話～第12話「花火の音は聞こえない」）は今だったら全然違う感じになると思います。あの回もとにかく緊張していたんですよ。休憩時間も台本をずっと読んでいて、もうこんな集中力は出せないんじゃないかと思うくらいでした。でも、見返してみると、今ならもっと自然にできたのにな……と思っちゃいますね。

――本人の中では未熟に思えるところが、まわりからは評価されている、ということもありますよね。
古賀　そうですね。とくに『かぐや様』は掛け合いのなかでキャストの心境やセリフの意味が変わっていくことがすごく多い作品ですから、今だったらもっと違った演技ができたなと思うシーンはありますが、あのとき、あの環境だったから生まれたものが刻み込まれた作品だと思っています。

――2019年の第1期から現在までを振り返って、あらためて古賀さんにとって四宮かぐやはどのような存在ですか？
古賀　彼女といることで私自身、すごく成長させてもらいましたし、かぐやのことは「つねに同じじゃない」女の子だなと感じています。もちろん、かぐやという人物はずっとひとりなんですけど、第1期から第2期、第2期から第3期へと、たゆまぬ変化や成長を続けている。それを見ていると、かぐやと自分を重ね合わせることがあるんです。「キャストのみんなが仲良くしてくれる感じ」と「かぐやがみんなと生徒会にいる感じ」は通じるものがあるな、とか。やっぱりキャストの皆さんもそれぞれ役と似ている部分があるなと思いますし、時間が経つにつれてかぐやをより身近に感じるようになりましたね。