Febri TALK 2021.09.01 │ 12:00

鈴木みのり 声優/歌手

②声優や歌手を目指す礎となった
『ツバサ・クロニクル』

以前からCLAMP作品のファンを公言する鈴木みのり。連載第2回では、そんなCLAMP作品のなかから長編『ツバサ・クロニクル』をピックアップ。その物語やキャラクターの魅力について掘り下げてもらった。

取材・文/森 樹 撮影/飯本貴子

CLAMP作品は自分にとってのお守り

――以前からCLAMP作品への愛を公言している鈴木さんですが、なかでも『ツバサ・クロニクル(以下、ツバサ)』を挙げてもらいました。
鈴木 CLAMP作品にハマるきっかけが『ツバサ』なんです。小さいときに『カードキャプターさくら』を見ていた記憶はあったので、『ツバサ』を見たときは「あれ、なんでさくらちゃんと小狼くんが大人に?」と思ったんですよね。それで調べたら『XXXHOLiC』ともつながりがあって、CLAMP先生の作品はそれぞれの世界がつながっていることを知りました。

――そこでCLAMP作品ならではのスターシステムを知ったんですね。
鈴木 はい。原作の『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』は、父が1巻だけ持っていたのでそれを譲ってもらって、そこからは自分で集めました。『ツバサ』のエンディングを歌っているのは坂本真綾さんなのですが、その歌を通してアニソンの良さを知る機会にもなりましたね。オープニングも作品の世界観に寄り添った歌詞になっていて、映像とリンクする音楽の魅力にも気づきました。

――アニソンの特徴や劇伴の魅力にも気づいたと。
鈴木 私が人生で初めて遊びに行った声優のイベントも、サクラ役を務めていた牧野由依さんのイベントなんです。アニメを見るだけじゃなくて、サウンドトラックを自分で買ったのも『ツバサ』が初めてでした。田舎の本屋にサウンドトラックの2枚目『ツバサ・クロニクル オリジナルサウンドトラック Future SoundscapeⅡ』だけがなぜか置いてあって(笑)。最初に聞いたときは、劇伴の梶浦(由記)さんの音楽が怖かったことをおぼえています。

――不穏な雰囲気がありますよね。
鈴木 そうなんですよ。サクラのボーカル曲は一緒に歌ったりしていたのですが、梶浦さんの劇伴はちょっとおびえながら聞く、みたいな(笑)。ただ、アニメのなかの音楽への興味は『ツバサ』で確実に広がりましたね。

――それが声優という職業や自身が歌うことを意識するきっかけにも?
鈴木 それはありました。声優になりたいと強く意識したのは、それより数年後の『マクロスF』や『涼宮ハルヒの憂鬱』になりますが、『ツバサ』が大好きだったからこそ、CLAMP先生の作品に出演したいという思いや、坂本真綾さんへの憧れが芽生えたので。

――『ツバサ』では他のCLAMP作品との関連性や時間の巻き戻し、本人とそのコピーとも言える写身(うつしみ)という概念など、巧妙かつ複雑な設定があります。それをどのように受け止めていましたか?
鈴木 私は「わからない」となるよりも、気になると調べてしまうタイプなんですね。『新世紀エヴァンゲリオン』も、一度じゃわからないからもう1回となりましたし、広く浅く知ることよりも、深く掘り下げることを優先してしまいます。『ツバサ』の場合も、他のCLAMP作品をいろいろ見て、そこに込められたメッセージを把握しようとしました。

――作品の裏側や根源にあるテーマを探っていくのが性にあっていると。
鈴木 「あなたも考えなさい」と問いかけられているような作品が好きなんだと思います。

――『ツバサ』はTVシリーズの他、OVAや劇場版もあります。
鈴木 TVシリーズも好きですけど、『XXXHOLiC』と同時上映だった完全オリジナルの劇場版『ツバサ・クロニクル 鳥カゴの国の姫君』にも大きな衝撃を受けました。むしろあの作品がなかったら、あまり深くハマっていなかったかもしれません。TVシリーズでは理解しきれなかった各世界のつながりを把握することができて、「アニメもマンガもきちんと見てみよう」というきっかけになったので。

――『ツバサ』も含めたCLAMP作品の魅力をどのように捉えていますか?
鈴木 最初に印象に残ったのは、絵のキレイさ、かわいらしさですね。あとは、女性キャラクターに憧れを抱くことが多いです。二次元でも三次元でもそうなのですが、私は男性キャラクターを好きになるよりかは女性キャラクターに肩入れしてしまうタイプで。

――なるほど。
鈴木 前回お話した『カレカノ』の宮沢と同じように、『ツバサ』のサクラにも強い憧れがあるんです。『カードキャプターさくら』の桜ちゃんも含めて、彼女の存在がCLAMP作品にハマる大きなポイントだったと思います。

――鈴木さんの憧れの女性像でもあるんですね。
鈴木 3歳のときから桜ちゃんの真似をして「レリーズ!」とかやっていましたし、『ツバサ』のサクラ姫のときは髪型を真似しているくらいだったので(笑)。声優を目指すまではマンガ家になりたいという気持ちもあったので、CLAMP先生の画集を買って『カードキャプターさくら』や『ツバサ』のキャラを模写していました。

――現在に至るまでさまざまな影響を受けていると。それくらいCLAMP作品との出会いは大きかったわけですね。
鈴木 めちゃくちゃ大きかったですね。作品にもらった力もそうですし、真綾さんとの出会いもありました。声優になってからは、念願かなって『カードキャプターさくら クリアカード編』に参加でき、詩之本秋穂というキャラクターを演じることになりました。そのなかでCLAMP先生との交流も生まれて、先生からいただくひとつひとつの言葉が自分の糧になっています。秋穂というキャラクターも含めて、CLAMP先生の作品は自分にとってのお守りという感覚がありますね。endmark

KATARIBE Profile

鈴木みのり

鈴木みのり

声優/歌手

1997年生まれ、愛知県出身。17歳のとき、『マクロスΔ』の主人公フレイア・ヴィオン役でデビュー。『Δ』内から派生した5人組ユニット「ワルキューレ」のメンバーのみならず、ソロシンガーとしても活動している。代表作に、『カードキャプターさくら』(詩之本秋穂役)、『アイドルマスターシンデレラガールズ』(藤原肇役)など。

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