TOPICS 2022.11.12 │ 18:09

結束バンドが紡ぐ“陰キャの真実”!
『ぼっち・ざ・ろっく!』メインキャスト座談会③

TVアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』の主演声優4人(青山吉能、鈴代紗弓、水野朔、長谷川育美)へのインタビュー。締めくくりとなる第3回では、各々の青春時代のエピソードとともに、本格的に動き出した結束バンドのこれからの展望を尋ねた。

取材・文/大久保和則 撮影/松本祐亮

大人になったらやらないことができるのが高校時代!

――『ぼっち・ざ・ろっく!』では4人の高校生活が描かれますが、皆さんの高校時代はどんな日々で、どんな夢を描いていたのでしょうか?
青山 私は高校の途中からこの仕事を始めたので、忙しくて高校2年生以降の学校生活の記憶は正直あまりないんです。でも、中学のときは校則が厳しかったのが、高校になるとスカートの丈がちょっと短くてもよかったり、夜遅くまで学校にいられたり、学校の中に自動販売機があったり、購買があって買い食いができたりして、そんな「大人感」を1年生のうちに満喫しました。学校の階段で “グリコ”をめっちゃやっていましたね(笑)。

鈴代 あ! 私もした! 謎にやってた!
青山 超長いワードを繰り出したりとか(笑)。
鈴代 そうそう(笑)。
青山 あとは“髪にペンが何本刺さるか選手権”とか、本当にくだらない、人に話してもひとつも面白くないようなことで一日中げらげら笑っていました。大人になるとやらないようなことばかり(笑)。
長谷川 大人になったらやらないことができるのが高校時代!

学校が楽しみだったのは、友達と会いたかったから

鈴代 私も本当に同じような感じで、みんなで廊下で肩を組んで「台風の目!」とか言って、ぐるぐる回りながら遊んでいました(笑)。
長谷川 なんの生産性もない!(笑)

鈴代 そんな感じで、何が楽しいのかわからないようなことを全力でやっていた3年間(笑)。でも、部活はわりと厳しかったので、部活に燃えていた時期でもありましたね。そのときから声優を目指していたので「夢に向かって頑張るぞ!」というような熱さもあったし。朝が早いし、起きれないし、面倒くさいし……それでも絶対に学校に行きたかったのは、友達に会いたかったから。今思うと、毎日遊ぶ約束をしていたんじゃないかというくらいずっと友達と一緒だったし、休み時間と放課後が待ち遠しくて、すごく楽しかった思い出です。
水野 私はそれと比べると、あまり充実していなかった3年間だったような気がします。高校のときにはすでに事務所に入っていて「東京に住んでいる同い歳の子たちはいろいろなオーディションを受けさせてもらえるのに、地方の実家にいる私は受けられないんだ」とめちゃくちゃ思っていて、高校生だけど「上京したい」と親に相談したりもしましたね。

青山 それ、めっちゃわかる。
水野 「上京したい」って言ってももちろん却下されるので、自分の中でできることを探してやろうと思って。代々木アニメーション学院の大阪校は体験学習が無料だったので、そこの常連だった(笑)。
鈴代 何かちょっとでも、自分ができることを探してやろうと思うのがすごい。

他校同士&先輩後輩のバンド編成はアツい

長谷川 私はみんなとは真逆で、高校時代が人生でいちばん無気力で、何もしたくない時期だった。学校には行っていたけれども、行くものだと思っていたから行っていただけで「この日々は何なんだろう」と思いながら過ごしていました。
鈴代 ラノベの主人公みたい(笑)。
長谷川 「声優になりたい」とは思っていたけど、田舎なのであまり現実的には考えていなかった。だから、そんなに燃えてもいなくて。「別に、今ここで声優になるための何かをするわけでもないし」って。バイトもしていなければ、部活も入っていなかったし、本当に何もしていなかったな……。
青山 おうちに帰ってからは、何をしていたんですか?
長谷川 ひたすらネットで動画を見ていたかも。あとは、ひとりでカラオケによくこもって6~7時間歌っていました(笑)。
青山・鈴代・水野 えー!

鈴代 だからか! 納得の歌唱力だわ!
長谷川 もちろん、友達はいました! 今も定期的にビデオ通話で話し込む友達が何人もできたのは、めちゃくちゃいい思い出です。でも、高校という場所のことを考えると、とくに何もなかったなーと。だから『ぼっち・ざ・ろっく!』のメンバーみんなが熱中してバンドをやる、しかも他校同士で組んでいるというのは、アツいし、うらやましいなと思います。
青山 他校でバンド組むって、いいよね。
水野 他校で友達になることも、なかなかないですよね。
長谷川 そう。だから結束バンドは、すごいなと思う。しかも、先輩と後輩で年齢も違うじゃないですか。それって、かなり奇跡的なことだと思います。

――最後に、今後の『ぼっち・ざ・ろっく!』の見どころをお願いします。
青山 これから新キャラクターも登場するのですが、みんな必然的に現れて、しっかりと誰かに影響を与えるという、嘘みたいに素晴らしい展開が待っています。フィクションなのですが、そうとは思えないノンフィクション感があるし、とくにぼっちのリアルさがすごいので、そこにのめり込んでほしいなと思いますね。アニメって疲れたときに癒やしを求めて見る人も多いと思うのですが、それでは追いつけないほどの熱量があると思うので、ぜひかじりついて見届けていただきたいです……“陰キャの真実”を!(笑)
長谷川 本当に結束バンドの成長がすごいので、ぜひ見ていただければと思います。ここからですからね!endmark

青山吉能
あおやまよしの 5月15日生まれ。熊本県出身。81プロデュースに所属。『ぼっち・ざ・ろっく!』では、後藤ひとり(Gt.)役を務める。主な出演作に『Wake Up, Girls!』(七瀬佳乃役)、『プラオレ!〜PRIDE OF ORANGE〜』(小野真美役)など。
鈴代紗弓
すずしろさゆみ 2月4日生まれ。神奈川県出身。アーツビジョン所属。『ぼっち・ざ・ろっく!』では、伊地知虹夏(Dr.)役を務める。主な出演作に『ハイスコアガール』(大野晶役)、『シャインポスト』(青天国春役)など。
水野朔
みずのさく 9月29日生まれ。ソニー・ミュージックアーティスツ所属。『ぼっち・ざ・ろっく!』では、山田リョウ(Ba.)役を務める。主な出演作に『SELECTION PROJECT』(花野井玲那役)、『後宮の烏』(柳寿雪役)など。
長谷川育美
はせがわいくみ 5月31日生まれ。栃木県出身。ラクーンドッグ所属。『ぼっち・ざ・ろっく!』では、喜多郁代(Gt.Vo.)役を務める。主な出演作に『ウマ娘 プリティーダービー』(ミホノブルボン役)、『うちの師匠はしっぽがない』(小糸役)など。
作品情報


『ぼっち・ざ・ろっく!』
毎週土曜24:00~ TOKYO MXほか各局にて放送中!

  • ©はまじあき/芳文社・アニプレックス