TOPICS 2022.08.13 │ 12:00

『デリシャスパーティ♡プリキュア』
声優・内田雄馬が考える拓海とブラックペッパーの魅力②

シリーズでも珍しい「プリキュアと共に闘う男の子」を演じる品田拓海/ブラックペッパー役・内田雄馬へのインタビュー。後半では、気になる拓海とゆいの関係や、他のアニメ作品とは少し違う、本作ならではの芝居に対するアプローチ、そして内田が大好物という焼肉への思いについて存分に語ってもらった。

取材・文/宮 昌太朗

ゆいと拓海をひと言で表すと……?

――前回、『デリシャス♡パーティプリキュア』では普段よりも大きめの芝居を要求されるという話がありましたが、実際に演じてみていかがですか?
内田 すごく楽しいですね。役者さんによってアプローチはそれぞれ違ってくると思うんですけど、僕の場合は芝居の振り幅をいつもより大きく捉える、というんですかね。拓海は普段、ちょっと斜に構えて見せているところがあるので、そのぶん大きな芝居をするときは思いっきりバーンと出す。中学生だからこそ、感情の起伏が大きいところもあると思うので、僕自身がそこに乗っかって拓海を表現していかないといけないと思っています。自分の中にある若いエネルギーを引っ張り出せるように、というところは意識していますね。

――第22話では、拓海のゆいに対する思いがあらためてクローズアップされた と思うのですが、ふたりの関係はどのように見ていますか?
内田 ひとことで言ってしまうと、「花より団子」という言葉がぴったりなんじゃないかな、と(笑)。ゆいはたぶん団子しか見ていないんですよ。

――あはは! 拓海がアプローチしても、ごはん優先でまったく気づいてもらえないと(笑)。
内田 そういう予感がしています(笑)。たぶん、ゆいはゆいなりに「拓海はいいヤツだな」と信頼してくれているし、ある意味、好きではあると思うんです。でも、それが恋愛なのかというと……。

――ちょっとわからない。
内田 拓海視点からでなくとも、ゆいが恋愛にたどり着くのはいつなんだろう?みたいな感じはちょっとありますよね(笑)。なので、結末まで演じてみて、そこが動くのか動かないのかは、個人的にも楽しみにしています。ゆいがプリキュアから元に戻ったときに、拓海の存在に気づいてくれたらいいな……みたいな妄想をしているんですけど、これは僕の勝手な妄想なので、どうなるかはまったくわからない(笑)。見ていただいている皆さんと一緒に、楽しみにしているところです。

かわいいけどカッコいい、ゆいの魅力

――拓海はゆいのどんなところに惹かれていると思いますか?
内田 ゆいはまっすぐですよね。自分が大切だと思ったことや大好きなものを「私はこれが好きだ!」と言葉にできるし、それを守るために一生懸命にもなれる。あと、彼女はわりと感覚的というか、気持ちでパッと動くことができるんですよね。周囲の空気を感じて動くことが多い拓海からすると、そうやって素直に自分の気持ちに従って動けるゆいには、憧れの気持ちがあるんじゃないでしょうか。それで言うと、ゆいを演じている菱川花菜さんも、言葉をパーンと投げるまっすぐなお芝居をするんですよ。剥き出しというか、取り繕っていない感じがお芝居から伝わってくる。そこがすごく魅力的で、かわいらしいのにどこかカッコよさがあるんですよね。

――たしかにどこか一本筋が通っている感覚がゆいにはありますね。
内田 ブレがないというんですかね。「ごはんが好き」という部分に関しても、ただ「おいしいから好き」なだけではないんです。きっと彼女の中には、おばあちゃんから教えてもらったことだったり、あるいは「何か悩んだときにはみんなと一緒にごはんを食べて、話せば大丈夫」といった経験がたくさんあるんだと思います。それを忘れずに、ちゃんと自分の中に留めておく愛情深さみたいなものが彼女にはあって、きっと拓海は、ゆいのそういう部分にも惹かれているんじゃないかなと思います。

久しぶりに食べて心底「うまい!」と思ったものは

――ちなみに、内田さんが「これを食べれば元気になれる」という食べ物は?
内田 これは近頃、心底思ったことなんですけど、お肉ですね。僕はもともとお肉が大好きだったんですけど、ここ数ヵ月、お肉を控える生活をしていて。でも、つい最近、「元気を出さなきゃ!」と思うことがあって、久しぶりに焼肉を食べたんですけど、これがもううまいのなんのって(笑)。しかも焼肉とご飯がめちゃくちゃ合う。こんなにおいしいんだな!とあらためて思いました。

――行きつけのお店があったりするんですか?
内田 ありますね。おいしい焼肉屋さんて都内にもたくさんあるんですけど、数年前から通っているお店が一軒あって、そこは本当によくしてくれるんです。お店のお母さんともすっかり知り合い状態で(笑)、この前、仕事と仕事の合間に食べに行ったときも「次の仕事まで時間があるんだったら、ここで寝ていきなよ!」って。

――そんなサービスまで!(笑)
内田 おいしいというのは前提ではあるんですけど、そういう居心地のよさとかコミュニケーションみたいなものが、やっぱり大切なんだなって思います。今はなかなか、いっぱい話したりできない情勢ですけど、それでも顔を見るだけで元気になるというか。自分にとって安心できる人たちと、安心できる場所でおいしいごはんを食べる。そういう安心感みたいなものに惹かれて、通ってしまうところはあると思います。

――では、最後に今後の展開に対する期待も含めて、楽しみにしているファンに向けてメッセージをお願いします。
内田 「ごはん」をモチーフにした『デリシャスパーティ♡プリキュア』は、僕自身も共感できるところがたくさんあります。食べることは生きることと切っても切れないものですし、そこから生まれる思い出ともリンクしている。自分にとって何が大切なのかを、きっと思い出させてくれる作品になっていると思います。ブラックペッパーについては、今後、深堀りされていくのも楽しみですし、いつかゆいが拓海の気持ちに気づいてくれるといいなと思いつつ(笑)、家族や一緒に住んでいる人と最後まで楽しく見てもらえるとうれしいです。endmark

内田雄馬
うちだゆうま 9月21日生まれ。東京都出身。アイムエンタープライズ所属。話題作『BANANA FISH』の主人公・アッシュなど、数多くの人気作に出演し、2019年には第13回声優アワードにて主演男優賞を受賞。最近の出演作に『オリエント』(武蔵役)、『ブルーロック』(御影玲王役)、『東京24区』(朱城ラン役)などがある。
作品情報

『デリシャスパーティ♥プリキュア』
ABCテレビ・テレビ朝日系列にて毎週日曜08時30分より放送中。

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