――4thアルバムの全員曲「L！L！L！（Love the Life We Live）」はメンバーが増え、12人による歌唱です。
村上　私は詞の中に（宮下）愛の要素がかなりあるなと思っています。愛が思っていそうなことが詰まっていて、歌いやすい曲だなと。
田中　レコーディングは前に録った子の歌をベースに順番に歌っていくのですが、トップバッターがミアちゃん（ミア・テイラー役＝内田 秀）だったので、英語がすごかったです。
村上　ミアの「Love The Life We Live!!」の「Love」を聞いた時点でくじけそうになりました（笑）。
指出　「これ、言えない……」って。自分の曲の英語でも苦労しているところなのに、こんなにレベルが高くなってしまって。
田中　舌の使い方からして違うんですよ。20年以上日本で暮らしてきた私たちには……（笑）。ミアちゃんからの収録だったのは意図的なんだろうな……「カタカナ英語っぽく歌わないように」ってことなんだと思う。

――ネイティブの発音ですものね。レコーディングで意識したことはありますか？
田中　全員曲では「元気よく」とか「キラキラした感じ」で歌うことが多くて、それはこの曲でも同じでした。璃奈ちゃんは日常会話がおとなしめな反面、歌のときは楽しくてテンションの上がる曲が多いので、この曲も「楽しもうよ！」という感じで歌っています。
指出　エマもソロ曲ではレガート（途切れさせない）な感じを意識しているのですが、全員曲では端切れのよさや、キラキラ感を前に出しています。
村上　愛はソロでも出せるくらいの元気な感じで……その意味ではいつも通りなんですけど、12人そろうと聞いたときの印象が全然違いますね。迫力があります。

――今回のソロ曲ではみなさん 『校内フィルムフェスティバル』に参加する「キズナエピソード」の内容に沿って、これまでと印象の違う曲に挑戦していますね。
村上　愛はいつもは元気で明るくて、お客さんを巻き込むような曲なのですが、「Diabolic mulier」はすごく妖艶でゴシックホラーがテーマになっています。愛としてこういう曲を歌ってみたかったので、知ったときはすごくうれしかったです。でも「キズナエピソード」の中では「愛ちゃんじゃないみたい」という感想を持たれるんです。なので、どこまで意外性を出そうか、レコーディングで試行錯誤しつつ、愛の演じる妖しさや色っぽさを意識して歌いました。
田中　すごくかっこいいよね。ライブはどんな演出になるんだろう？
村上　いつもの曲だったらけっこう踊るんだけど、この曲はあまり踊らないんじゃないかな？（笑）
田中　ライブが楽しみ。虹ヶ咲は自分もお客さんとしても楽しめるので。
村上　その点でいえば、これまでお客さんと楽しむ曲ばかりだったので、それができないこの曲はどうなるんだろうとドキドキする気持ちはあります。

――「First Love Again」はいかがでしょう？
田中　みんなの中で璃奈ちゃんがいちばん変わったんじゃないでしょうか？　「璃奈ちゃんが恋を知ってしまった……？」という感じで、これまで応援してくれたファンのみなさんが一抹の寂しさ感じつつ、成長したんだね……と思う曲ではないかと。これまでは璃奈ちゃんが思っていることを全力で詞に乗せてキャッチ―に歌っていたのですが、この曲ではしっとりと感情的に歌っています。そこで「璃奈ちゃんじゃなくて田中に聞こえる」にならないバランスを保つのが難しくて、キーもこれまでより低かったので、ちゃんと璃奈ちゃんの歌として歌えているか不安がありました。完成したものを聞いてみると、みんなと交流しながら感情豊かになっていく璃奈ちゃんを届けられたのではないかと思いますので、ライブではとにかくみなさんにきゅんきゅんしてほしいですね。

指出　きゅんきゅんするよ、きっと。
村上　勘違いってわかっているけど……「これって（村上演じる）愛さんに向けて歌ってる？」とか思っちゃった（笑）。
田中　聞いてくれた人が「これって僕のことを歌ってるの？」と思ってくれたら、こんなにうれしい感想はないですね。
村上　じゃあ、私は愛のことだと思っておきます（笑）。
指出　でも、私かもしれないよ？（笑）