――2017年の東京ゲームショウでキャストが発表になってから4年が経ちました。心境や環境の変化を感じることはありますか？
田中　発表の次の日が毬亜の誕生日だったよね。
村上　まだ10代だったもんね。
田中　10代だった毬亜が大学も卒業して、そう考えるともう4年経ったのかと思うのですが、実感はなくて。虹ヶ咲が本格的に稼働して、みなさんに会う機会が増えたのは1stライブ（『ラブライブ！虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 First Live “with You”』 2019年12月）以降だから、感覚的には2年くらいの感じです。

村上　1stライブはみんながすごすぎて、一員になれているかな？という不安というか、早く追いつかなきゃという気持ちでした。
指出　私はここ1年くらいで敬語が取れました。仲はよかったのですが、なかなか取れなくて……。
田中　1stのときはなっちゃん（村上）と同じで、みんなと自分を比べていました。虹ヶ咲はソロが基本なので「田中はちょっと……」と言われちゃうんじゃないかとビクビクしていたのですが、3rdまでやってきて、ライブをやるのが好きなんだと再認識しました。1stも楽しかったのですが、自分のことに精いっぱいで。すごく泣きましたし……毎回泣いているんですが（笑）。あのときの涙は、あのときだけのものでした。

指出　私は反対に、1stのときは「私は私」と思っていました。ひとりの世界に入り込んで、完璧なクオリティのものをお見せしないといけないという、発表会的な気持ちで臨んでいました。あのときのみんなのパフォーマンスを見てから、みんなと一緒に楽しいライブにしようという気持ちに変わったのが大きな変化です。
村上　お客さんともそうだし、ひとりでステージに立ちながら、みんなにバトンをつないでいく感じだよね。

田中　私も毬亜と一緒で、完璧なものを見せないといけないという思いが強かった。でも、理想が「10」で、そのときの自分の限界が「7」か「8」くらいなら、まずはその限界値を目指そうって。その限界値が見えるようになったのが大きかったかな。

――2ndライブ（『ラブライブ！虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会2nd Live! Brand New Story / Back to the TOKIMEKI』 2020年9月）は無観客でした。
指出　はじめて涙が出ました。
村上　1stのときは「泣かない強い子」ってイメージだった。
指出　ステージの前に誰もいないことが心にきて「私、できないかもしれない」と思いました。あらためてファンのみなさんのありがたみを感じたし、一緒にライブを作り上げる仲間の存在の大きさにも気づきました。

村上　普段はリハーサルでも目の前にお客さんがいることを想定して練習をするのですが、2ndは「いないんだ……」と思ったら歌えないレベルで……。
指出　とくに愛ちゃんの曲は「みんなで楽しもうよ」というものが多いから。
村上　普段はお客さんありきで作っているから、精神力が大事なライブだなと思いました。目の前にいなくても、カメラの向こうにお客さんいるんだっていうことを思いながらパフォーマンスをしました。
田中　私もそうかも。璃奈ちゃんはゲーム内の「キズナエピソード」でもオンラインライブをやっていて、偶然にも同じ状況でした。璃奈ちゃんは、理由があって会場に来られないお客さんのためにオンラインで開催しましたが、私はお客さんがいないと寂しいなと感じました。ただ、璃奈ちゃん役としてはすごく貴重だし、ありがたい経験だったとも思います。